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Probability Distributions for Wireless Communications

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お久しぶりです,濱です.
公開タイミングに間に合わせることができず,リアルタイム編集中です.

さて本記事では通信理論について,確率統計の学問とのかかわりに触れながら,簡単に紹介したいと思います.

通信理論と学問

最近はやりのAIは,まさに「確率統計」の基盤の上に構築されている分野だと思いますが,
実はそれ以上に通信の世界は理論によって体系づけられているのです.

そのために学ぶべき科目は,
- 確率統計
- 線形代数
でしょう.

1900年代前半に情報理論を確立したシャノンによって,確率統計の基に無線通信の理論も成り立っています.
また線形代数は,近年コア技術となっている送受信機で複数のアンテナを用いて通信する「MIMO」の確立により,欠かせないものとなりました.

今回は特に,無線通信の世界を理論的にモデル化するにあたり登場する,確率分布についてお話ししたいと思います.

確率分布

前回お話ししたシャノンによって導出された通信速度の限界値,

$ C = B \log_{10} (1 + SNR) $

ですが,これは送信信号がガウス変数であることを仮定して導出されるものです.
ガウス変数は文字通りガウス分布に従う確率変数ですが,このガウス分布が極めて重要な意味を持ちます.

ガウス分布(正規分布)

ガウス分布は最も基本的な確率分布ですよね,あらゆるところで登場します.
一般的に自然発生する変数は,このガウス分布に従うとされています.
例えば,人間の身長とか体重とか,ある平均$\mu$にたいして$\sigma^2$の分散で正規分布に従います.

通信の世界でも最もよく出てくる分布の一つです.
その理由は何といっても中心極限定理によるもので,具体例は次に示します.

AWGNチャネル

無線通信においては送受信機の間の伝搬環境のことを,チャネルと呼びます.
このチャネルは当然多くの環境から影響を受けて時々刻々と変化するのですが,最もシンプルにモデル化したものが「加法性白色ガウス雑音」を意味するAWGNチャネルです.

一般に受信信号を$r$,送信信号を$s$とすると,ガウス分布に従う雑音$n$を用いて次式で与えられます.

$r = s + n$

ここで$n \sim \mathcal{CN}(0, N_0)$とすると,平均受信信号電力$E_s$を用いて,前回の記事でも触れていた$SNR$は次式で表現されます.

$SNR = \frac{E_s}{N_0}$

一般に$N_0$は温度や通信帯域幅によって定数とされますので,実環境において$SNR$は送信信号に依存するとも言えます.

フェーディングチャネル

先ほどは雑音のみの影響を考えていましたが,実際には伝搬環境の反射やブロックなど多くの要素で信号の振幅や位相が変化します.
これをフェーディング(fading)と呼びますが,通信理論ではよくこの分布を中心極限定理により近似します.(実際には場所や時間での依存性が極めて高く,一般化するためです.)

フェーディングを考慮した受信信号は次式で与えられます.

$r = h s + n$

ここで$h$がフェーディングを与える項であり,$h \sim \mathcal{CN} (0, 1)$などと設定されることが多いです.
ここで$\mathcal{CN}$は複素ガウス分布を意味しますので,実部・虚部がそれぞれガウス分布に従います.
このようなフェーディングのことをレイリーフェーディングと呼びますが,この理由は次に示します.

レイリー分布

レイリー分布は複素ガウス分布に従う変数の絶対値の分布です.
すなわち先ほどの$h$の振幅の分布,それがレイリー分布となるわけです.
(多次元ガウス分布を解けば出てきます.)

情報理論の世界では,フェーディングをレイリーフェーディングと仮定し,解析することが多いため,よく出てきますね.

実環境とのつながりでいうと,送受信機が見通し環境になく,極めて多数のパス(電波の経路)が存在するとき,実際にレイリー分布に従います.
これは先ほど述べたように中心極限定理に基づくものです.

指数分布

先ほどのレイリーフェーディング環境下において,$SNR$を考えたいとき出てくるのが指数分布です.

$SNR = \frac{|h|^2 E_s}{N_0}$

でSNRが与えられますから,$|h|^2$の分布を知る必要があり,これが指数分布になるわけです.

カイ二乗分布

指数分布を次元拡張したのが指数分布です.
ダイバーシティを考慮した場合に出てきますが,説明が複雑になるので割愛です.

ライス分布

では今度は,送受信機が見通し環境にあるときはどうなるでしょうか.
それがライス分布です.

式で書くと,
$\Re [ h ] \sim \mathcal{N} (a, \sigma^2_h)$
$\Re [ h ] \sim \mathcal{N} (0, \sigma^2_h)$
としたときの$h$の振幅の分布です.

これ以上は説明辞めます.

おわりに

おそらくここまで読んでいる人はいない気もしますが,時間に追われこんな感じになってしまいました.
時間を見つけてグラフとかいろいろ加筆したい気持ちはありますが,やるかはわかりません.

お付き合いいただきありがとうございました!

dcm_yuto_hama
Research Engineer of 5G laboratories, NTT docomo. Ph. D. student of YNU.
nttdocomo-tech
NTTドコモ R&DのOrganaizationアカウントです。 自然言語処理,画像処理,ビッグデータ解析,機械学習,クラウド,IoT,無線通信など幅広いトピックを扱う予定です。
https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/
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