概要
Xserverレンタルサーバーを借りたので
- (公開されていない)OS、ディストリビューション情報を確認してみた
- ついでにホストOS側の情報も確認してみた
- 2024年6月5日から新システムに切り替わり、私の環境は(いきなり)オワコン化
Xserverレンタルサーバーの公開情報
サーバーのOSには Linux を採用しています。
ディストリビューションなどの詳細については非公開としております。
これを書いているのは2024年6月ですが、先月末からXserverレンタルサーバーを借り始めました。
どんな環境なのか興味津々でしたが、上記の通り公式にはOSがLinuxであること以外は「ナイショ」ってことになっているようです。
なぜ非公開なのか、隠すことに何か意味があるのか、私にはわかりません。
しかしまぁ、隠されているとなるとなぜか人は無性にその秘密のベールを剥ぎ取ってみたくなるものです。(男性だけかもしれませんが笑)
という訳で調べてみました。
ゲストOSの確認
各ユーザに割り当てられるリソースの少なさから判断するに、何かしらの仮想化技術を使っているのは明らかなので、まずはゲストOSの確認から行きます。
先にサーバにSSHアクセスできるようにしてあるので、早速ログインして調べます。
Linuxディストリビューションの確認で割とスタンダードなのは/etc/*-release
というテキストファイルを参照することです。
$ ls -l /etc/*-release
ls: /etc/*-release にアクセスできません: そのようなファイルやディレクトリはありません
$ ls -ld /etc
drwx--x--x 88 root root 8192 6月 5 03:18 /etc
ワイルドカードで探すと、「ファイルがない」とは言ってきますが、単に/etc
ディレクトリに対する読み取り権限がないだけのようです。 x
は付いているので、ダイレクトにファイル名を指定すれば見れそうです。
$ ls -l /etc/redhat-release
lrwxrwxrwx 1 root root 14 5月 10 16:04 /etc/redhat-release -> centos-release
$ ls -l /etc/os-release
lrwxrwxrwx 1 root root 21 5月 10 16:04 /etc/os-release -> ../usr/lib/os-release
ありました! シンボリックリンクの先をみると、ディストリビューションはCentOSのようです...
なにか嫌な予感しかしませんが、centos-release
とos-release
ファイルの中身を確認してみます。
$ cat /etc/centos-release
CentOS Linux release 7.9.2009 (Core)
$ cat /usr/lib/os-release
NAME="CentOS Linux"
VERSION="7 (Core)"
ID="centos"
ID_LIKE="rhel fedora"
VERSION_ID="7"
PRETTY_NAME="CentOS Linux 7 (Core)"
:
正直ね、これ見たときは「...ぇ?」ってなりましたよ。 いくらなんでも古すぎるでしょ...
この記事を書いているのは2024年6月ですが、CentOS 7.9
といえば今月末にはオフィシャルにEOL(End of Life)を迎えるオワコン・ディストリビューションです。
CentOSサポート終了!って発表あったのは2020年っすよ? 世の管理者の方々はこぞってAlmaLinuxやらRocky Linuxやらに乗り換えて「みんな〜!これで2024年6月30日は安心して迎えられるね!」なんて言っている矢先にコレですか?
せっかくレンタルサーバ申し込んでみたら、たったの一ヶ月で即終了、オワタ笑
いやいや、まぁ「即終了」は言い過ぎですか。 金さえ出せばサポート延長するよ?って謳(うた)っているところもあるし。
それに、レンタルサーバなんて所詮(しょせん)OSはお仕着せなんだから後からガタガタ言うなよ、気になるならちょっと余計に払ってVPSにしとけよ、って事ですよね...
ホストOSの確認
気を取り直して、ホストOS側の情報も少し探ってみます。
ヒントはカーネルのバージョンにありました。
$ uname -a
Linux sv15104.xserver.jp 5.4.0-181-generic #201-Ubuntu SMP Thu Mar 28 15:39:01 UTC 2024 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
ゲストOSのディストリビューションはCentOSでしたが、Ubuntu製のカーネルのようです。
どういうことか詳しく見てみます。
$ hostnamectl
Static hostname: sv15104.xserver.jp
Icon name: computer-container
Chassis: container
Machine ID: 5fdb712d06df410982d204ad726ad407
Boot ID: 96fd831f1eae491fb1eac2520a607442
Virtualization: lxc
Operating System: CentOS Linux 7 (Core)
CPE OS Name: cpe:/o:centos:centos:7
Kernel: Linux 5.4.0-181-generic
Architecture: x86-64
仮想化にはLXC(LinuX Containers)が使われているようです。 LXCはLinux OS独自の仮想化技術で、ホストOSのカーネルを共有することでゲストOSにあたる各コンテナに軽量で効率的なリソース・アクセスを提供するのが特徴です。
Xserverレンタルサーバーは(少なくとも私の場合は)ホストOSはUbuntu、そしてゲストOS(というかLXCコンテナ内)はCentOS 7ということですね。
カーネルのバージョンから推測するに、ホストOSであるUbuntuバージョンはおそらくUbuntu 20.04 LTS (Focal Fossa)のようです。
LTS(Long-Term Support)の標準サポート期間は5年ですし、先日24.04もリリースされましたから、20.04もそろそろ潮時って気はします。(ESMサポートもありますし、CentOS 7ほどの「終わってる」感はないですが)
LXCであればコンテナ内からもホストOSのリソースは丸わかりなので、ついでにメモリ/CPUなんかも見ておきました。
$ free -h
total used free shared buff/cache available
Mem: 1.5T 12G 1.5T 3.5G 10G 1.5T
Swap: 428G 735M 427G
$ cat /proc/cpuinfo
processor : 0
:
processor : 255
vendor_id : AuthenticAMD
cpu family : 25
model : 17
model name : AMD EPYC 9534 64-Core Processor
stepping : 1
microcode : 0xa101144
cpu MHz : 3683.107
cache size : 1024 KB
physical id : 1
:
AMDのサーバ用CPU、第4世代のEPYC 9534 64コア 3.6GHzで、物理(Physical)IDは0〜1がありましたから、デュアルCPU構成のサーバですね。 EPYC 9534のリリース年月は2022年11月ですから、比較的新しいハードウェア構成のようです。
おわりに(オチのようなもの)
こんな記事を書いてたその最中(さなか)、Xserverから衝撃の知らせが届きました。
https://www.xserver.ne.jp/news_detail.php?view_id=12784
新規受け付けサーバーにおける基盤システムの変更のお知らせ
2024/06/05
このたび『エックスサーバー』では、新規にお申し込みを受け付けるサーバー(sv16001以降のサーバー)において、基盤システムと提供バージョンを変更いたします。
詳細は以下をご参照ください。■対応日
2024年6月5日(水) 11:00■対象サーバー
sv16001 以降のサーバー
※2024年6月5日 11時以降に発行されたサーバーアカウントが対象です。
ぐはっ(血反吐)マジですか...
5月31日に申し込んだ私のサーバー番号はsv15104
。 そして1週間も経たないうちにこの案内...先に教えてよ!
なんかもう、負け組決定ですね。
■変更対象以前のサーバーをご利用のお客様のサーバー基盤システムについて
今回の変更対象以前のサーバーをご利用のお客様におかれましては、
順次、ご利用サーバーごとに新仕様のサーバー環境へ
移行メンテナンスの実施を予定しております。具体的なメンテナンス日程については、決定し次第、改めてご案内いたします。
なるほど、旧環境のひとは放っておくとそのうち勝手に新基盤システムに移行しますよ、と。
また、こんな記載もあります。
■「新サーバー簡単移行」について
sv16000 以前のサーバーをご利用のお客様を対象に、
クリックのみの操作で簡単に、最新システム基盤のサーバー環境へ移行できる
「新サーバー簡単移行」機能を無償で提供しております。
このまま(いつになるのやら分からない)移行メンテナンスを漠然と待っているだけでは敗北感倍増なので、どうせ大した設定もしていない今のうちに、さっさとこの「新サーバー簡単移行」で(自称)最新システム基盤のサーバー環境へ移行することにしようかと思います。