はじめに
先日、Amazon EVSでEVS 9.1の初期セットアップ編を作成しました【No.1】【No.2】
No.1とNo.2のBlogでは、Amazon EVSを稼働させるためのAWS環境の整備から、i7i.metal-24xl の2ホスト構成を作成し、VCF Installerを導入してSDDCを立ち上げるところまでを解説しています。
本Blogで紹介している内容は、Amazon EVSの公式ドキュメントに沿った一般的な手順ではなく、デモ環境や検証環境など非本番環境向けの内容となります。
実際の検証機にて動作確認を行っておりますが、サポートへの問い合わせ等はご遠慮いただくようお願いいたします。
番外編とは?
今回の番外編では、Amazon EVSの公式ドキュメントには記載されていない独自の検証内容をご紹介します。
2026年7月にローンチされた SELF_DEPLOYEDモード は、従来の「フルデプロイ」と異なり、ユーザー側の作業が増える反面、設定の自由度が大幅に向上しています。この柔軟性を活かすべく、様々なシナリオで評価を行いました。
Amazon EVSの買い方・構成要件のおさらい
本題に入る前に、Amazon EVSの基本仕様について少し整理しておきます。
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Amazon EVSの購入・ライセンスモデル
Amazon EVSは常時稼働を前提としたサービスです。BroadcomのVCFライセンスの契約期間も最低3年間となっているため、実際の本番運用では 「3年間のVCFライセンス + ベアメタルインスタンスの3年RI(Reserved Instances)」 をセットで検討するのが一般的です。
なお、Windows Serverライセンスについては、VMC on AWSがホスト単位のSPLAであったのに対し、Amazon EVSではVM単位の課金体系となっています。 -
データストアにNFSを利用する場合
NFS(AWSでは Amazon FSx for NetApp ONTAP など)を利用する場合は2ホストから構築可能ですが、本番利用時にNSX Managerクラスター(3台)を分散配置するため、最終的には3ホストが必要となります。(※1ホストでのデプロイも技術的には可能ですが、本番環境では非推奨です。)
なお、VMware Cloud on AWS環境でサポートされていたストレッチクラスター(Multi-AZ構成)は、現時点のAmazon EVSではサポートされていません。原則として Single-AZ構成 での利用前提となります。また、2026年8月現在では大阪リージョンも未対応のため、災対環境(DR先)としてはオレゴンやシンガポールなどを選定する必要があります。
番外編:ラボ環境での検証ナレッジ
ここからが本題です。会社のラボ環境を使って検証した、少し特殊な活用例をご紹介します。
1. NFS構成における「ホストの停止・夜間シャットダウン」
Amazon EVSでvSANを構成する場合、ベアメタルインスタンスに内蔵されたNVMeストレージ(インスタンスストア)が使用されます。ESXiの画面から確認すると、以下のように見えます。

計6本見える3.41TBのNVMeディスクがインスタンスストアです。一方、138GBと300GBのディスクはEBSボリュームとなります。AWSマネジメントコンソール側の表示は以下の通りです。

注意点(インスタンスストアの挙動)
インスタンスストア(NVMe)を使用するvSAN構成や、後述するMemory Tieringを有効にしている場合は停止不可です。
EC2ベアメタルインスタンスを停止すると、インスタンスストア内のデータは消去され、次回起動時には別の空きベアメタル機が割り当てられるためディスクが初期化されてしまいます。オンプレミスの感覚で停止すると、ESXiは起動してもデータが消滅している状態になるためご注意ください。
※なお、こちらもメーカー動作保証外の検証構成です。私の検証環境では、朝起動して夕方の検証完了後に停止するという運用を2ヶ月ほど継続して問題なく動作しています。(毎日動かしている訳ではありません)
2. 未使用のNVMeを活用した「Memory Tiering」の検証
NFS構成でSDDCを組んだ場合、使用していない内蔵NVMeを Memory Tiering(メモリ拡張)に転用できるのでは?」という疑問から検証を行いました。
結論として、利用可能でした。
ただし、Memory Tieringを有効にするとインスタンスストア(NVMe)に保持データが発生するため、前述の**「ホストの停止(シャットダウン)」はできなくなります**のでご注意ください。
まとめ
検証結果を簡単にまとめると以下のようになります。
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データストアをNFS(FSx for NetApp ONTAP)のみで構成する場合
→ インスタンスストアを使わないため、ホストの停止(シャットダウン)が可能 -
データストアにvSANを利用する場合
→ インスタンスストアを使用するため、ホストの停止は不可(再起動は可能) -
Memory Tiering(NVMe活用)
→ 利用可能(ただし有効化するとインスタンスストアを使用するためホスト停止は不可)
あくまでデモ・評価環境(非本番)での検証結果ですが、検証コスト削減やリソースの有効活用において非常に役立つ知見だと感じました。今後公式にサポートされる範囲が広がれば、より利用価値が高まるのではないでしょうか。
今回の記事は以上となります。ご覧いただきありがとうございました。

