はじめに
自宅サーバ用にNUC5CPYHを買ってVMware ESXiを入れようとしたところ、意外と苦労したので手順を書いておきます。(Coreプロセッサの載った上位機種はもう少しすんなり入るようです。こことかこことかを参考にどうぞ)
この機種以外でもRelocating Modules and starting up the kernel
が出てインストールできない方は参考になるかもしれません。
参考
手順
1. 使うファイルの準備
以下のファイルを準備します。ESXiのイメージはVMwareのサイトからダウンロードしてください。今回は6.0.0 u1bを使いましたが、多少バージョンが違ってもいけると思います。
NICとSATAドライバはリンク先のサイトの一番下、"Direct Download links"のOffline Bundleです。
- ESXiのISOイメージ(VMware-VMvisor-Installer-201601001-3380124.x86_64.iso)
- ESXi-Customizer
- NICドライバ(net55-r8168-8.039.01-napi-offline_bundle.zip)
- SATAドライバ(sata-xahci-1.34-1-offline_bundle.zip)
-
ks.cfg
ファイル(以下)
vmaccepteula
rootpw mypassword
install --firstdisk=local --overwritevmfs
network --bootproto=dhcp --device=vmnic0
reboot
%post --interpreter=python --ignorefailure=true
import time
stampFile = open('/finished.stamp', mode='w')
stampFile.write( time.asctime() )
このks.cfg
は自動インストール用のスクリプトです。ネットワークにDHCPを使わない場合はnetwork
の行を適宜変更してください。
2. ISO作成
カスタムISOイメージの作成はvSphere PowerCLIを使うのが正式っぽいですが、今回はESXi-Customizerを使いました。ESXi-Customizerを展開したディレクトリにあるESXi-Customizer.cmd
が実行ファイルですが、Windows10で実行するとWindowsのバージョンチェックで引っかかります。以下の一行を削除して回避。
if "!WinVer!" LSS "5.1" call :earlyFatal Unsupported Windows Version: !WinVer!. At least Windows XP is required & exit /b 1
あとは、ISOとBundleを選択してRunボタンを押すだけです。ただし、1回につき1個のBundleしか付けられないので、NICとSATAで2回やる必要があります。(最初に元のISO+NICドライバで作成。次に先ほど作ったISO+SATAドライバで作成、という感じ)
3. 起動用USBメモリ作成
先ほど作ったISOを適当なツールでUSBメモリに焼きます。今回はRufusを使いました。さらに、最初に準備したks.cfg
ファイルをそのUSBメモリのルートディレクトリに置きます。
4. NUC起動
USBメモリを刺してNUCを起動します。VMwareのインストーラが走った直後にShift+Oを押します。(右下に表示が出ている間に押してください)画面の一番下に
runweasel
と表示されるので
runweasel ks=usb:/ks.cfg
としてエンターを押します。(入力するのはks=usb:/ks.cfg
の部分のみです)
5. しばらく待つ
このあと表示が進んでRelocating Modules and starting up the kernel
という表示が出て止まると思います。このメッセージでググると先ほどks
を指定した箇所でignoreHeadless=TRUE
を追加すればよい、と出てきますがうまくいきませんでした。
表示はこのまま更新されないので通常の対話モードでのインストールは出来ませんが、先ほどks=usb:/ks.cfg
で自動インストールスクリプトを指定したので、待っていれば勝手にインストールは進んでいきます。最終的にインストールが完了すれば自動で再起動がかかるはずです。
インストールが進んでいるかどうかはHDDのアクセスランプで判別可能です。10分ほど待っても全く光らない場合は何か間違っているかもしれません。
6. 起動確認
再起動後もRelocating Modules and starting up the kernel
が出たまま画面上は止まってしまいますが、この状態でもちゃんと動いているのでvSphere Clientからは接続可能です。DHCPで割り当てられたアドレスに対して、以下のアカウントで接続します
- user: root
- pass: mypassword
このパスワードはks.cfg
のrootpw
で指定したものです。