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超小型PC Intel NUC(D54250WYKH)にESXiを入れてみた

Last updated at Posted at 2014-04-18

はじめに

自宅でもサーバ兼実験用に仮想環境が欲しいなと思って色々と調べていたところ、IntelのNUCというものの存在を知りました。
液晶のVESAマウントに取り付けられるほどのサイズのPCで、上位機種にはCorei5モデルがあって性能もソコソコです。
このサイズなのでモバイルPC向けのパーツで構成されており、消費電力もかなり低そうです。非公式ながらESXiでの動作実績もありました。
もう、これしかないと思ってつい買ってしまったので記事を書きますw

ハードウェアについて

P4150001.jpg

項目 仕様 備考
型番 D54250WYKH
CPU Core i5-4250U モバイルPC向けのCPUでTDPは15W
仮想化支援技術(VT-x,VT-d,EPT)対応
VProではない
チップセット Intel QS77 Express
グラフィック Intel HD Graphics 5000
メモリ DDR3L-1600/1333 (S.O.DIMM 1.35V品)
2スロット 最大16GB
Ethernet Controller Intel® I218V Gigabit Ethernet Controller
ストレージ SATAポート×1 内部に2.5インチHDDの固定用スペース有り
拡張スロット PCIe Mini Card(ハーフ) × 1
PCIe Mini Card(フル) × 1
実質的にmSATA用×1と無線LAN用×1
無線LANのアンテナは初期装備。スロット付近までケーブル配線済
接続端子 USB3.0 × 4 (前面:2 背面:2)
USB2.0 × 2 (内部)
Mini DisplayPort 1.2 × 1
Mini HDMI 1.4a × 1
Gigabit Ethernet × 1
ヘッドセット用のジャック × 1
内部のUSB2.0はマザーボード上にピンヘッダで設けてあるのでそのままでは使用不可
映像出力端子はどちらも音声出力にも対応

※詳細は下記URL資料の末尾がTechProdSpecのPDFを参照
https://downloadcenter.intel.com/ja/download/23089

前の世代ではVProモデルがありましたが、残念ながらこのモデルはVPro仕様ではないのでAMTは使えません。
あったらあったで便利そうなのと、ちょっと触ってみたい気はしますが、家で使う分には無くても困らないのでヨシとします。
(それに余計なチップが無い分、消費電力的にはちょっと有利?)

2.5インチHDDは完全に専用のスペースとして用意されています。
P4170001.jpg

中はこんな感じ。
USB2.0はmSATAスロットの右にあるピンヘッダの形で用意されています。USBメモリを筐体内に内蔵するにはちょっと面倒臭そう。
P4170004.jpg

それにしても小さい!良いですね。

追加の購入品

項目 型番 仕様 備考
メモリ CFD Elixir W3N1600Q-L8G DDR3L1600 CL11 8GB×2 1.35V 仮想化するとVM同士でメモリを取り合うことになるので積めるだけ積んでおきます。
本当はMicronのチップが載ったのを買おうと思いましたがショップに無かったので適当にバルク品を避けてこれに。
ちなみにnanyaのチップが載ってました。
(馴染みのないメーカーだけど大丈夫かな…と後になって不安にw)
SSD PLEXTOR PX-256M6M 6Gb/s mSATA 256GB
SeqRead:520 MB/s
SeqWrite:440 MB/s
Random Read(4KB):94,000 IOPS
Random Write(4KB):80,000 IOPS
評価の高かった前世代のM5Mと比較するとシーケンシャルが落ちた代わりにランダムアクセスの性能が向上しているようです。
実運用でもランダムが速い分、M5Mより速くなるのでは?と思います。
参考:PLEXTOR mSATA SSD M6M シリーズスペックまとめ 
電源コード BUFFALO BSACC0820BK 3Pミッキープラグ
2P ACプラグ
買い忘れしないように注意
(買い忘れましたw)

ESXiとの互換性

ESXiには専用のドライバが必要なため、標準で使えるハードウェアにはかなり制限が掛かります。
幸い、このNUCについては有志(?)の手による非公式なドライバがあるので、これをインストール用のISOに組み込むことで対応出来るようになります。
この機種の場合、NICとSATAコントローラのドライバの追加が必要なようです。

ESXiのインストールでよく問題に挙がっているのがNICのドライバで、インストール時に認識できない場合は先に進めません。
ESXi対応を謳っていないハードウェアを使う場合、このあたりはよく調べておく必要があります。

ESXiインストール作業

必要なファイルの収集

ESXiのイメージファイル,VMware vSphere Client

5.5になって追加された機能はどうせ無償版では使えないので、5.1か5.5かはお好みで。
無償版の管理にはVMware vSphere Clientが必要です。
無償版ダウンロードページから登録するとライセンスも自動的に発行されるので控えておきます。
https://my.vmware.com/jp/web/vmware/evalcenter?p=free-esxi5&lp=default

ドライバ

NICのドライバとSATAのドライバ(4th Gen NUCのやつ)を入手しておきます。
http://www.virten.net/2013/09/esxi-5-x-installation-on-intel-nuc-fails-with-no-network-adapters/

ESXi-Customizer

簡単にドライバを組み込んだISOを作成出来ます。
http://www.v-front.de/p/esxi-customizer.html

UNetbootin

ISOファイルを指定してブータブルUSBメモリを作成出来ます。
http://unetbootin.sourceforge.net/

ESXiファイル一式.PNG

カスタムISOの作成

ESXi-Customizerを適当な場所に展開したら、ESXi-Customizer.cmdで起動します。
起動したらオリジナルのESXiのISOファイルと組み込みたいドライバのVIBファイルを指定して実行します。
このツールでは組み込むドライバは1つしか指定出来ないので、1回目の処理で出力されたISOファイルを入力ファイルに指定して2個目のドライバを組み込みます。
ESXi-Customizer2.PNG

インストーラ入りのUSBメモリを作成

出来上がったISOファイルをUNetbootinでUSBメモリに書き込みます。
ISOファイルと空のUSBメモリを指定してOKを押すだけです。素晴らしい。
ESXi_CreateBootableUSB.PNG

インストール

NUCに作成したUSBメモリを差し込んで起動します。
[F10]キーでBoot Menuが開くのでUSBメモリを指定して起動します。
あとはウィザードに従って進めます。

インストール先にはUSBメモリも指定出来るようですが、USBメモリはダメな製品に当たると割りとすぐ死ぬイメージがあるのでここでは敢えてmSATAのSSDに入れました。

インストールが完了したらF2キーで設定画面に入れるのでホスト名の設定やIPアドレスの設定をしておきます。
以後、殆どの操作はvSphere Clientを通して行うことになります。

ESXiの管理画面に入る

vSphere Clientを端末にインストールしてrootで接続します。
60日は評価版で使えますが、無償版の機能しか使う気が無いので即行でライセンスを入力しました。
(VMwareのマイページで発行済ライセンスを確認出来ます。)

初めてESXiを入れたときライセンスをどこで入れるのか迷ったのでSS貼っておきます。
ESXiライセンス入力.PNG

ベンチ結果

適当にWindows7を入れてベンチ取りました。
仮想化のオーバーヘッドがあってもメインマシンより速いw ランダムアクセス凄まじい・・・
SSDベンチ結果.PNG

普通に速いです。グラフィックは仕方ないですね。
ESXi_エクスペリエンスインデックス.PNG

とりあえず今回はここまで。

参考情報

元ネタ

VMware Homeserver – ESXi on 4th Gen Intel NUC
https://www.virten.net/2013/12/vmware-vsphere-homeserver-homelab-esxi-on-4th-gen-intel-nuc/

vPro完全対応NUC?よろしい!ならば仮想化だ!【選定編】 - インテル(R) NUC キット DC53427HYEのレビュー
http://zigsow.jp/review/260/252816/

VProって?

ジグソープレミアムレビュー > インテル® Core™ vPro™ プロセッサー・ファミリーの謎を解き明かせ!インテル® Core™ vPro™ プロセッサー・ファミリー謎解きレビュー
http://zigsow.jp/special/intel/vpro/review.php?theme_id=3&c_member_id=17959

調査過程で見つけたり思いついたアレコレ

思いつきなのでアレな内容ですが・・・

NICの増設

Intel-82574を積んだMini PCIeのNIC

 JETWAY ADMPEISLA
 http://www.jetway.com.tw/jw/ipcboard_view.asp?productid=872&proname=ADMPEISLA

Intel -i350を積んだMini PCIeのデュアルポートなNIC

 JETWAY ADMPEIDLA
 http://www.jetway.com.tw/jw/ipcboard_view.asp?productid=873&proname=ADMPEIDLA

 本来は組み込み用PCボードのオプションとして用意された製品のようです。

 abeeのNE04くらいの筐体だったら綺麗に収まりそう。
 NUCでやるようなことではないと思うけどチーミングとかも出来ますね(スロットの無駄遣い)
 あと、見た目を気にしなければGIGABYTEのBRIXとか蟹チップの載ったNUCみたいなものでも無理やりIntel NICを使う道が開けますw

無線化する

 ESXi側で無線LANなんて設定出来ないと思うので、仮にドライバがあったとしても出来ないと思いますが、
 適当なゲストOSに無線LANモジュールをパススルーして、仮想NICとブリッジしたら無線化出来るような気がします。
 安定性は落ちるかもしれないですがACアダプタだけ繋げば使えるサーバっていうのも家でなら良いんじゃないかと。

バッテリー駆動にする

 バッテリー駆動にする理由があまり見当たらないのでただのネタですが
 電源がDCなのでノートPC向けのモバイルバッテリーで簡単に出来るはず。
 バッテリーが切れた時が危ないので電圧監視は必須ですね

太陽電池駆動

 20とか30Wクラスの太陽電池ならベランダに置けるくらいのサイズであるみたいだし、昼間は普通にいける気がします。
 DC-DCコンバータとかバッテリーの充放電管理とかでちょっと大掛かりになりますが。

ESXi動作事例(NUC以外)

事例を探すには「製品名 ESXI」でググると良いです。基本はドライバ次第ってことですね。
あと、NICの問題についてはもう少しサイズの大きいPCだとPCIeにIntel Gigabit CTを挿すのが手っ取り早いし安心です。

GIGABYTE BRIXでESXi

 Installing VMware ESXi 5.5 on the Gigabyte Brix
 http://www.twistedethics.com/2013/09/23/installing-vmware-esxi-5-5-on-the-gigabyte-brix/

蟹のNICでESXi

 Install ESXi 5.5 with Realtek 8111/8168 NIC
 http://www.tinkertry.com/install-esxi-5-5-with-realtek-8111-or-8168-nic/
 最初、蟹チップはダメなんだと思ってましたがありました。
 

Mac miniでESXi

 Running ESXi 5.5/5.5u1 on Apple Mac Mini + Thunderbolt Ethernet Adapter Caveat
 http://www.virtuallyghetto.com/2013/09/running-esxi-55-on-apple-mac-mini.html
 Thunderboltもいけるとは驚き。

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