はじめに
本稿はZedBoard上でLinuxやカスタムIPを動作させるための手順をまとめたものである。
目次
(1) 開発環境の構築 (今回の内容)
(2) Linuxを動作させてみる
環境
Windows PC (ハードウェア/ソフトウェア設計)
- Windows 10
- Vivado 2021.2
- Vitis 2021.2
- Tera Term Pro
- AMD/Xilinxのページで公開されているZedboardの最新のBSPファイルがPetalinux 2021.2までになっているので、ここではVivado/Vitisもver2021.2を使用している。BSPファイルを自作できるのであれば、最新のVivadoなども使えるはず。
- 自分はVivado/VitisをWindows PCで動かしているが、Linux PCで動かしてもいいと思う。
Linux PC (Petalinuxのビルド)
- Ubuntu 18.04
- Petalinux 2021.2
FPGA Board
- ZedBoard
環境構築
Vivado/Vitis 2021.2 (Windows PC)
AMDのページからVivadoのインストーラー(petalinux-v2021.2-final-installer.run)をダウンロードし、インストールする(デフォルトだとVitisも一緒にインストールされる)。バージョン2021.2は画面左のArchiveのリンクをクリックすると表示される。基本的にはデフォルトのままでいいが、インストールするデバイスは必要最低限にしたほうがディスク容量を節約できる。
Petalinux 2021.2
次にAMDのページからPetalinuxのインストーラーを入手する。Vivadoの時と同様、バージョン2021.2は画面左のArchiveのリンクをクリックすると表示される。インストーラーに加えて以下のファイルもダウンロードする。ダウンロード先は~/Downloadsとしておく。
- ZED BSP (avnet-digilent-zedboard-v2021.2-final.bsp)
- aarch64 sstate-cache (*オプション)
- Downloads (*オプション)
(*) これらのファイルはビルドの高速化のために必要なファイル。通常Petalinuxはビルド時に必要なファイルをインターネット経由で入手するが、これらを予めダウンロードしておくことでビルド時間が短縮できる。上記3つのファイルは適当なディレクトリに移動し、展開しておく。ここでは以下のディレクトリに3つのファイルを配置する。
/cad/share
sstate-cacheとDownloadsは展開するとかなりの容量(90GBくらい)になるのでディスクの空き容量に注意。
次に必要なパッケージのインストールを行う。
sudo apt install -y xterm libtool zlib1g-dev gcc-multilib build-essential
sudo apt install -y rsync
sudo apt install -y net-tools
sudo apt install -y ncurses-dev
sudo apt install -y tofrodos
sudo apt install -y iproute2
sudo apt install -y gawk
sudo apt-get -y install autoconf
sudo apt-get -y install texinfo
sudo dpkg --add-architecture i386
sudo apt-get update
sudo apt-get install zlib1g:i386
#インストールディレクトリの作成
sudo mkdir /opt/pkg
sudo mkdir /opt/pkg/petalinux
sudo mkdir /opt/pkg/petalinux/2021.2
#ユーザー (ここではhoge)に対して上記ディレクトリへのアクセス権限を付与する。
sudo chown hoge /opt/pkg/petalinux/2021.2/
#ユーザーにインストーラーの実行権限を付与
chmod u+x petalinux-v2021.2-final-installer.run
以上でインストールの準備は完了。以下のコマンドでインストールを実行する。インストーラーを実行すると利用規約が表示される。そのときは「q」を入力し、次に質問が来るのでその時は「y」を入力する。これを2回繰り返すとインストールが進行する。
./petalinux-v2021.2-final-installer.run -d /opt/pkg/petalinux/2021.2
「Successful」いった表示がされればインストール成功である。
インストールが完了したら.bashrcに以下の記述を追加する。追加したらsource ~/.bashrcで変更を反映させる。
alias petalinux-setup='source /opt/pkg/petalinux/2021.2/settings.sh'
alias petalinux-boot='LANG=C petalinux-boot'
alias petalinux-build='LANG=C petalinux-build'
alias petalinux-config='LANG=C petalinux-config'
alias petalinux-create='LANG=C petalinux-create'
alias petalinux-package='LANG=C petalinux-package'
alias petalinux-util='LANG=C petalinux-util'
petalinux-setup