はじめに
前回の記事では、
本番で60点を取るためには、事前に80点の論文を準備しておく必要がある
という話をしました。
では、その80点論文はどのように作ればよいのでしょうか。
午後Ⅱ対策を始めたばかりの頃は、
- 何から手を付ければよいか分からない
- そもそも合格論文がどのようなものか分からない
- 自分の論文が合格レベルか判断できない
という状態になることが多いと思います。
本記事では、私が実際に行った
「80点論文を完成させるまでのプロセス」
について説明します。
合格論文の定義はシラバスに書いてある
まず大前提として。
午後Ⅱの合格論文とは何か。
その答えは、IPAのシラバスにすべて書いてあります。
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/gaiyou.html
シラバスを初めて読んだとき、
- 当たり前のことしか書いていない
- 抽象的すぎて、これで論文が書ける気がしない
と感じた方も多いのではないでしょうか。
私も最初はそうでした。
しかし、午後Ⅱ対策を進めていくと、
「シラバスに書かれていることが、結局すべてだった」
という感覚になります。
逆に言えば、
シラバスが抽象的すぎて何を書けばよいか分からない
と感じる場合は、まだ論文を書き込む量が足りていない可能性があります。
午後Ⅱは、
「当たり前を、PMとして当たり前に書けるか」
を問う試験だと考えています。
まずは「80点論文」を1本作る
前回・前々回で触れた通り、
他人の合格論文はそのまま真似しても
「自分が本番で再現できる論文」にはなりません。
ここでは、その前提のもとで具体的に
どう1本を完成させるかを説明します。
やることはシンプルです。
まずは1本、80点論文を作ることです。
この段階では、完璧な論文を目指す必要はありません。
まずは、
- 設問要求を外していないか
- シラバスの評価観点を満たしているか
を意識しながら、
最後まで書き切ること
を目標にしましょう。
多くの受験者は、
- 書き始める前に悩みすぎる
- 途中で「これでいいのだろうか」と止まってしまう
という状態に陥ります。
しかし、午後Ⅱでは
まず1本、最後まで書き切ること自体が大きな壁
です。
必ず第三者の視点を入れる
ここが午後Ⅱ最大の難所だと思っています。
それは、
自分の論文を、自分一人で評価しようとしないこと
です。
午後Ⅱでは、
- 正解が公開されていない
- 講評も抽象的
ため、初学者が自分だけで
「この論文は合格レベルか」
を判断することは、ほぼ不可能です。
そのため、
- 添削サービスを利用する
- 合格者に見てもらう
など、
必ず第三者の視点を入れること
をおすすめします。
自分では書けていると思っていても、
- 設問要求を外している
- 具体性が不足している
- PMとしての視点が弱い
といった指摘を受けることは少なくありません。
ちなみに私自身も、最初の80点論文を仕上げるまでに
3回ほど添削を受けました。
題材は実体験がベースですが、
正直なところ1つのプロジェクトそのままではなく、
複数の案件で経験した内容を組み合わせたもので、
一部はフィクションも混じっています。
(この点は後の記事で改めて触れます)
「これなら合格水準だろう」
と思えた瞬間を振り返ると、文章の巧拙よりも
設問と問題文で問われていることを、回答の中できちんと書き切れている
という確信が持てたタイミングでした。
逆に言えば、添削で指摘を受けていたのは
「文章が下手」ということより、
「聞かれていることに対して答えが漏れている、
または論理が飛んでいる」という点が
ほとんどだったように思います。
第三者の視点を得るのが難しい場合
もちろん、
- 添削サービスは費用がかかる
- 合格者に何度も添削をお願いすることは難しい
という事情もあると思います。
その場合は、参考書に掲載されている合格論文や解説を参考にしながら、
自分の論文を見直していくことになります。
ただし、前回の記事で説明した通り、
参考書の論文は「本番で書ければ合格できる論文」
であることが多いため、それだけを基準に
論文の完成度を判断するのは難しい面もあります。
可能であれば、一度でもよいので第三者の視点を入れることをおすすめします。
自分では気付けなかった設問要求とのズレや、
PM視点の不足を指摘してもらえることが多く、学習効率は大きく変わります。
なお、最近では生成AIを活用して論文のレビューを行う方法もあります。
生成AIは、
- 文章の整理
- 論理の整合性確認
- ブレインストーミング
- 作成済み論文の横展開
といった用途では非常に有効です。
一方で、初学者が生成AIだけを頼りに
「この論文は合格レベルか」
を判断するのは、あまりおすすめしません。
PM午後Ⅱでは、
- PMとしての視点になっているか
- 設問要求に正しく答えているか
- シラバスの評価観点を満たしているか
を確認する必要があります。
そのため、最初のうちは可能であれば人間の添削を受け、
合格水準の論文が1本できた後に、ブラッシュアップや横展開に
生成AIを活用する方が効果的だと考えています。
「合格水準の1本」ができれば、後は横展開できる
第三者の添削を受けながら修正を繰り返すと、
ある時点で、
「これなら合格水準だろう」
と思える論文が1本できあがります。
ここまで来れば、午後Ⅱ対策はかなり楽になります。
なぜなら、
- 論文構成の型
- PMとして求められる視点
- 自分の弱点
が見えてくるからです。
そして、
書く → 添削 → 修正
を繰り返すことで、他のテーマにも横展開できるようになります。
特別な近道はありません。
しかし、
このプロセスが、最も再現性の高い学習方法
だと私は考えています。
まとめ
午後Ⅱ試験は、
- 才能試験ではありません
- 奇抜な論文を書く試験でもありません
- 地道に80点論文を作り上げる試験です
重要なのは、
自分が本番で再現できる論文を作ること
です。
そして、そのためには、
まず1本、合格水準の論文を完成させること
が出発点になります。
次回予告
次回からは、いよいよ論文の中身に入ります。
まずは、
- 設問ア・イ・ウの役割
- 午後Ⅱ論文の基本構造
- 論文全体をどのように組み立てるか
について整理していきます。
あとがき
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が、午後Ⅱ対策の方向性を考えるうえで、少しでも参考になれば幸いです。
今後も試験対策や実務で役立つ情報を発信していきますので、よろしければフォローやLGTMをお願いします。