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パタン・ランゲージを僕たちは随分オミットして捉えているのではないか(DevOpsDays Tokyo 2024 感想)

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だいぶ投稿が遅くなってしまいました。先日、DevOpsDays Tokyo 2024に参加させていただきました。

こういった大きなカンファレンスにオフライン参加するのは本当に久しぶりで、色々刺激もらえてよかった!のですが。

その中の1セッションが自分にとってあまりに衝撃が大きすぎて、自分の中で未だに反芻しているものがあります。

それがアレグザンダーの直弟子である中埜博先生からのパタン・ランゲージに関するセッション『「パタンランゲージ」から「センタリング」へ』でした。

実際このセッションを受けようかどうかは結構悩んでいたのですが、川口さんが二日目のKeyNoteでもかなりおすすめされていたのもあり、パタン・ランゲージの強力さに最近改めて気づいてきたこともあり、参加しました。

改めて公開されていたセッション概要をよむと、まさに中埜先生の伝えたいことが書いてあったように思います。

 パタンは理解するモノ、共感するモノで止まってしまっています。パタンが指示していることは変革です。パタンを使用するということは、使う本人とその対象世界の変革を目指すコトであり、パタンはそういう影響力を持ちます。それが本質なのです。

自分自身、このセッションの内容を理解できたとはこれっぽちも思っていないのですが、自分への課題提起として、自分が感じたことをつらつらまとめてみようかと思います。

「ユートピア」としてのパタン・ランゲージ

まず聞いていて違和感というか、「自分が知っているものと違うぞ?」という印象を受けたのが、パタンおよびパタン・ランゲージの捉え方です。

パタンはそもそも建築の世界においてはビジュアルでした。講演では「厚い壁」というパターンが例に出されていましたが、パタンはそもそもビジュアル表現として考えられていたもので。非常に視覚的なイメージと関係がある、と捉えました。こういうのような視覚的なイメージを我々が「デザインパターン」や「組織パターン」を考えるときに使っているかというと、あんまりそうじゃない気がしています。

正確に言えば、それらのパタンを元々引き出した著者には、結構明確なビジュアルイメージがあったと思います。それがどうしても、パタンを利用するっていう立場になるとすごくふわっとしたゆるい印象になってしまう。

そしてそれらのビジュアルに言葉を足して汎用性を増したり伝えやすくしたものがパタン・ランゲージなわけですが、ここに至ってパタン・ランゲージは「ユートピア」となります。

パタン・ランゲージを「ユートピア」と言えるまで突き詰めて考えているのか?となると私は正直そういったレベルでパタン・ランゲージを捉えたことはありませんでした。あくまで便利な伝え方のフォーマットとしてこれらを捉えてきていた節が多い印象です。

ただ逆に言えば、自分が本当の意味で使いこなせているパターンというのは、自分の中でそこまで落とし込めているものなのかな、というのも少し思います。例えば私は23のデザインパターンだとなんだかんだでBuilderパターンを使うことが多いと思いますが、これは自分の中で一つの「ユートピア」として、有効な場面をビジュアル的にイメージできますし、それがどういう意義を持っているのかを活き活き語れると思います。

逆にこれをちゃんと語れないパターン、例えば名前がかっこいいのでお馴染みChain of Responsibilityパターンなんかは、実際にどんなものかは説明できるし使うことも(無理やりなら)できるけど、こういった噛み砕きができているか、とわれると怪しいですね。

パターンの需要において我々は軽く考えすぎているのではないか? というのが最初に浮かんだことでした。

「ユートピア」を現実化するセンタリング

次がこのセッションの肝でもあった「センタリング」という概念です。センタリングてそのまま翻訳すれば中央寄せなわけですが、じゃあ何が「中央」なのかというと、それは建築に置いては建築用地そのもの、なわけです。

しかもこのとき、土地が適さないなら土木工事をしてのぞみの土地にする、ではなくてその土地の適正に合わせてパターンそのものを変容させるんですね。

今回例に出されていた盈進学園東野高校の例でいいえば、

  • ここにいい感じの高地があるからこれを建てた方が良い
  • この湿地を活用して憩いの場を作ろう

というように、土地の特性をいかに活かしていくのか、という変容の様子が語られていました。

このパターン側を変容させ、個々の事情に合わせていくというのは、他のパターンの適用に於いても考慮しないといけない話ではないかと思います。

僕たちがオミットしたものはなにか

このセッションを聞いて、強く感じたのは**「パタン・ランゲージをあまりにもまとめるための道具にしすぎているのではないか」**というところです。

パタン・ランゲージのテンプレートがある種使いやすいというのに甘えて、単に考えをまとめるフォーマットやチェリーピックしやすいサンプルのような、便利ツールとして使っているのはなんかちょっと違うのでは?という気がしています。

もちろん知識として新しい考え方を身につけるのに使うことも良いと思うのですが、そこを単なる字面として流してしまうのは、おそらく先人の言葉をあまりにも軽く捉えすぎている、という気がします。

だから何だ、というのを提示できるわけではないのですが、とりあえず「組織パターン」を改めて読んで、自分のユートピアを発見できるようにダイブしたいな、と考えています。

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