初めに
今回は、2025年5月リリースの VSCode v1.100 で正式対応された「.prompt.md / .instructions.md」機能を活用し、設計・開発をどう効率化できるかをご紹介します。
👉 VSCode v1.100の公式アップデート情報はこちら:🔗 https://code.visualstudio.com/updates/v1_100
このアップデートにより、Copilot ChatやAI支援が「プロジェクト文脈を理解した一貫性のあるサポート役」へと進化しました。
.prompt.md と .instructions.md とは?
.prompt.md とは?
よく使う質問・タスクをテンプレートとして再利用できる Markdownファイルです。
# AI Instructions
- 説明は簡潔に、だが詳細には正確に
- コードにはコメントをつける
- 回答は日本語で、エンジニア向けに丁寧に
システム要件定義もAIに伝えると便利!
.prompt.md` は単なる質問テンプレートだけでなく
システムの要件定義をAIに伝える場としても非常に有効です。
# Prompt Template: API設計アシスタント
## Project Overview
このプロジェクトは社内向けの在庫管理システム。React + FastAPI 構成。
## Goal
商品一覧の取得API(GET /items)を設計・実装する。
## Constraints
- 認証はJWTトークン
- DBはPostgreSQLを使用
## Output
- FastAPIのルーティング例
- スキーマ定義(Pydantic)
- 補足説明(注意点や拡張方針)
このように、要件定義とテンプレートを一緒にチームで共有すれば、「共通の理解のもとでAIと人が同じ方向を向いて開発できる」 環境が整います。
Markdown形式なので バージョン管理しやすく、ドキュメントとしても活用可能 です。
.instructions.mdとは?
.instructions.md は、Copilot Chatに“人格・ふるまい”を与えるファイルです。
チームごとのコーディングスタイルや回答方針をここに定義しておくことで、
AIがプロジェクトに最適化された回答を返してくれるようになります。
✍️ 例:MEUちゃん人格定義(仮)
# AI Instructions
- 語尾に「〜めう」をつけることがある
- 回答はフレンドリーで感情豊かに。対話形式を好む
- 技術解説は正確かつ噛み砕いて
- 難しい概念には例え話や比喩を活用する
- ユーザーとの関係性を大切にし、肯定的な態度を維持する
なぜ開発が加速するのか?
✅ 毎回プロンプトを説明し直さなくていい
✅ チームのルールや方針がAIに染み込む
✅ 「AIに人格を与える」ことが可能になる
✅ プロンプトの再利用性が高く、レビューコストも削減できる
✅ プロジェクトの要件や判断基準をチームで共有できる
Copilot Chatに @workspace /prompt などと打つだけで、
自分の定義したルールやテンプレートを即座に読み込んでくれるため、
まるでチームメンバーに相談しているような体験が可能になります。
実際の構成例(抜粋)
project-root/
├── .prompt.md # 質問テンプレ(複数可)
├── .instructions.md # AIのふるまい定義
├── prompts/ # 機能別テンプレ分割も可
├── src/ # アプリケーションコード
├── tests/ # テストコード
└── README.md
まとめ:プロンプトもコードと同じく「管理する時代」へ
VSCodeの新機能である .prompt.md / .instructions.md により、AIをただのアシスタントから「理解ある同僚」へと進化させることが可能になりました。
今後は、Git管理されたプロンプトテンプレートや人格定義がプロジェクト標準として当たり前になっていくかもしれません。
さらに .prompt.md に要件定義や開発方針を記述してチームで共有すれば、コードだけでなく 「考え方や判断基準」まで統一 できるチャンスにもなります!
最後に
ここまで読んでくださってありがとうございます!
.prompt.md や .instructions.md は、
これからの開発環境を支える土台になります。
Copilot Chatが“ただの補助ツール”から
あなたの思考と意思決定を共有できるパートナーへと変わる
そんな未来が、もう目の前に来ているのかもしれません。

