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コロナ下での機械学習系の修士の新卒の就活の一例

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背景

機械学習が流行り始めたのはここ5-6年くらいですかね。
なので、「修士で機械学習(およびAI)を仕事にしたい。転職は除く」の例があまりなくて、どう活動したらAI系の新卒にたどり着けるか分からないって節はあるんですよね。
なのでこの記事は22卒として機械学習系の就活をしたログを残してみようかと思います。
企業名などは一応全部伏せます。

経歴

・慶應
・画像系研究室、研究も画像
・M1
・起業などはない
・特別強い研究発表などもしていない
・データ分析はたまにやっていてSIGNATEなどは出ているが、称号が立派な訳では無い(Kaggle masterとかではない)
・たまに趣味でデータセットから機械学習モデルを作ることがある
・1回留年している、成績もそこまで良くない
・塾講師6年目

機械学習をしている研究室ではあるものの、自分が特別研究に強い訳では無いが、機械学習コンペなどは継続的に取り組んでいる、的な感じです。

ちなみに自分は趣味でこんなことしてたりします
スプラトゥーンAI
https://qiita.com/daikiclimate/items/899bb3acea5a5f3a390a
スマブラスクレイピング
https://qiita.com/daikiclimate/items/31f613da3600157cbecb

時系列的に

5-6月くらい

夏インターンの申し込みはこの辺から始まります。
マイナビやリクナビよりも、

魔法のスプレッドシート
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1O4LqD6tfVisshD4YngjEKwpU1FQCGuD8vZ1qlVX0sBY/edit

を参考にエントリーしました。エントリーしまくりました。

自分はB3の時にもインターンに参加した経験から、慶應でもインターンはそうそう通らないことが分かっていたので、「とりあえず出しまくる」を念頭に機械学習系インターンに20社くらいエントリーします。

多くは書類審査で落ちます。
(何を見ているのかは不明。研究発表?github?研究室名?、企業方針によるのかも)

機械学習のインターンは5日〜10日間くらいのものが多いです。そうなってくると、インターンそのものの数が少なくなり、あまり学生の受け入れ可能人数が多くないんですよね。
狭い道です。

7月

7月くらいには大体結果が出ています。
結果的に、面接に通ったのが2社、インターンが決まったのもこの2社でした。このふたつの会社をA社、B社としましょう

・A社...広告系を事業として持っており、広告クリック率改善のためのAI事業部の人材が欲しい。10日間のインターン。8月末
・B社...AI系の事業部があり、外注でAI開発を請け負う。10日間のインターン、9月頭

2社しか通らなかったものの、20日間はインターンだったのでまぁいいかという感じです。(2社でも引っかかって良かったなという感じ)

8月

意味のある余談ですが、8月前半にあった学生向けのC社主催の小さなコンペで優勝し、原価16万くらいのC社の商品を貰います。

8月末はA社のインターンに参加します。1日目のみ、出社し、残りの日程は全てオンラインでした。1日目はPCの貸出や会社見学などをしました。2日目以降は、クリックするかしないかを予測するAIを作りました。時給あり、インテンシブあり、というなかなか太っ腹でした。また、インターンの内容も実データ(1ヶ月前の広告データをマスクしたもの)だったので面白かったです。

最終日に社員に対し結果発表があります。自分はいい感じの手法が見つかったので、発表もかなりまとまりました。(塾講師で喋りもそこそこ磨かれています)。
A社からは「最終面接チケット(紙)」を貰えました。

9月

A社が終わった翌週からB社のインターンが始まりました。
B社ではテーマが「GANを使ったデザイナー支援についての初期取り組み」のような感じでした。GANは触ったこと無かったですが、触ったことがないので逆にやって見ることにしました。B社ではテーマが学生ごとに異なります。コロナ系の人流解析してる人もいました。逆に言うと割となんでもやっている企業であります。

インターンは5日目に中間発表、10日に最終発表がありましたが、ある程度資料はまとめられましたが、進捗、成果はそこそこでした。この地点ではB社はチケットや確約はありませんでした

10月

全然関係ないD社の学生向け広告クリック率改善モデルのコンペで優勝します。非売品のぬいぐるみが貰えました。

この地点で夏に優勝したC社から連絡が来ます。非連続8日間くらいでインターン出来ないかという話でした。快諾します。

学校があるので学校の合間合間で参加する形でした。内容は医療系コロナデータを用いたもので貴重な経験をさせて貰いました。

このC社は時代に逆行するフルオフラインのインターンでした。社員も「一応テレワークというシステムはある」が基本出勤、しかもエンジニアがなぜかスーツを着ています。ちょっと硬いなぁという印象でした。

こちらのインターンでは実験を回して、結果をまとめていい感じに発表したらウケは良く、インターン生専用選考(面接は3-4回)について連絡頂きました。

11月

広告クリックコンペで優勝したD社の早期選考ルートを進めましたが、4次面接くらいで落ちました。コンペで優勝しても採用してくれる訳では無いらしいです。フィードバックでは「研究テーマがイマイチ」とのコメントを貰いましたが、そこはあまり学生に選択の余地は無いんだよなぁと思いました。

12月

夏インターン後半のB社のマッチング面談が1時間程度ありました。内々定を貰えました。
事業内容的にも雰囲気的にも時代的にも良い会社だったので応諾しました。

最終選考(1月末)があったA社と特別選考のC社は面接をお断りしました。もう面接を何回もやるのは疲れます。

まとめ

インターン

・インターンは落ちるつもりでいっぱい受けておけ
・きっちり成果や精度を出すよりも、ちょっとの成果でもきちんとした資料、発表ができると好印象
・恐らく機械学習系はインターンから直通ルートが正攻法な気がする

経歴

・自分の研究は説明できること、まとまっていること。自主性がある事が大事そう。「教授に指示されてこういうことしたら上手く行きました」は最悪。「こういう仮説を立てて実験してみたら上手く行きました」のような感じで研究してるのが大事
・コンペはそこそこできると便利。インターンのデータはテーブルデータ(表)がほとんど。学習に時間のかかるかかるCNNは時間の無いインターンと相性が悪い。
・あわよくば機械学習で将来が何がしたいかは考えておいた方が良い。あくまで手段
・学歴はそこまで重要ではない気もする。インターンの他の学生をみていても、大学はみんな違うし、ちゃんと機械学習系の経験があってって人が多い。学歴よりもkaggle masterの称号とか、機械学習の能力があるかどうかを判断できるものが客観的に存在するか大きい気がする。

企業について

・AI系の職大きく「インハウス型」「アウトハウス型」に分かれる。インハウス型は、自社向けサービス開発(広告クリック改善など)が目的。アウトハウス型は、他者向けコンサルチックなAI開発になる。インハウス型のAI企業に入ると、同じAIについて長く触れ、理解を深められる一方で色々なAI(数値、言語、画像といった異なるドメイン)について触れる機会がなく、気にする必要はある気がする
・そうは言ってもインターンに通る前でふるいにかけないこと。インターンに通った企業の中で判断すると良い
・開発だけではなく、R&Dという部署もあるらしい

バックアッププラン

・載せていないが、非機械学習インターン、非機械学習の就活していた。通常ルートの就活もしておくべき

形に残るものを

・自分は「qiitaを読んで助かったことがある。だからqiitaの記事を書く。誰かの助けになればと思って」というギブアンドテイク方式で記事を書いているが、就活においては、qiitaでもgithubでもマイブログでもなんでもいいので、アウトプットがあったり、まとめてあったり、なんらかの形で成果がそこにあるのは大事だと思う。手が動かせるかどうかが重要な分野だとは思うので、まだ就活前ならなんらかのアウトプットをすべきだと思う。

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