増えすぎたグローバル変数が引き起こす問題とその対策
JavaScript でグローバル変数を多用すると、コードの可読性や保守性が低下するとよく言われます。 この記事では、なぜグローバル変数が問題になるのか、そして どのように対策すべきか を解説します。
1. 名前の衝突(Name Collision)のリスク
グローバルスコープは すべてのスクリプトやライブラリと共有 されているため、 同じ名前の変数や関数が意図せず上書きされるリスクがあります。
var config = { theme: "dark" };
// 別のスクリプトで同じ変数名が定義されてしまう
var config = { theme: "light" };
console.log(config.theme); // "light"(意図しない変更)
このように、グローバル変数が多いと、名前の競合による不具合 が発生しやすくなります。
2. 依存関係やスコープの曖昧化
グローバル変数はどこからでもアクセスできるため、 どこで定義され、どこで使われているのかが分かりづらく なります。
var userRole;
function setAdmin() {
userRole = "admin";
}
function checkPermission() {
if (userRole === "admin") {
console.log("Access granted");
}
}
このコードでは userRole の変更が どこで行われるか追跡しにくい ため、 バグの原因特定やデバッグが困難になります。
3. テストやモジュール化が難しくなる
グローバル変数に依存したコードは、単体テストやモジュール化がしにくい です。
// グローバル変数に依存
var apiUrl = "https://example.com/api";
function fetchData() {
return fetch(apiUrl).then(res => res.json());
}
この場合、apiUrl の値を変更しないと、異なる API をテストすることができません。
解決策:引数を使う
function fetchData(apiUrl) {
return fetch(apiUrl).then(res => res.json());
}
✅ こうすれば `` のように変更でき、テストがしやすくなる!
4. 可読性・保守性の低下
グローバル変数を多用すると、どのファイルがどの変数に影響を与えているのか 把握しづらく なります。
var count = 0;
function increment() {
count++;
}
function decrement() {
count--;
}
✅ モジュールスコープを使うと、影響範囲を限定できる!
(function() {
let count = 0;
function increment() { count++; }
function decrement() { count--; }
})();
✅ ES Modules を使うと、より明確に管理可能!
// counter.js
export let count = 0;
export function increment() { count++; }
export function decrement() { count--; }
// main.js
import { count, increment, decrement } from "./counter.js";
increment();
console.log(count); // 1
5. 古い JavaScript の慣習が原因になることも
昔の JavaScript(ES6 以前)は モジュールシステムがなかった ため、 グローバル変数を多用するのが一般的でした。
しかし、現在は ES Modules(** / **) や 即時関数(IIFE) など、 スコープを適切に管理する方法が確立されています。
✅ ES Modules(推奨)
// data.js
export const user = { name: "Alice" };
// main.js
import { user } from "./data.js";
console.log(user.name);
✅ 即時実行関数(IIFE)でスコープを限定
(function() {
var privateData = "Secret";
console.log(privateData); // "Secret"
})();
console.log(privateData); // Error(外部からアクセス不可)
6. まとめ:グローバル変数はできるだけ避ける!
✅ グローバル変数が増えると…
- 名前の衝突(Name Collision)リスクが高まる
- 依存関係が曖昧になり、デバッグが困難
- テストしにくく、モジュール化が難しくなる
- コードの可読性・保守性が低下する
- 昔の JavaScript の古い慣習に縛られがち
✅ 解決策
-
ES Modules(
** / **)を活用する - 即時実行関数(IIFE)でスコープを限定する
- オブジェクトやクラスを活用して変数を管理する
- 依存関係を明示し、グローバルスコープを極力汚さない
小規模なスクリプトで 1〜2 個のグローバル変数を使う程度なら問題ありません が、 成長する可能性のあるプロジェクトでは 最初からスコープ管理を意識する ことで、 保守性の高いコードを維持できる。