NRI OpenStandia (IAM編) Advent Calendar 2024の25日目は、Ping IdentityとForgeRockの最新状況について紹介します。
Ping IdentityとForgeRockの合併
Ping Identityは創業2002年、本社をアメリカ合衆国 コロラド州 デンバーに置く、デジタルアイデンティティ管理、アクセス管理のソリューションを提供するベンダです。北米、ヨーロッパ、アジア、中東、オーストラリアなどグローバルに事業を展開しています。
ForgeRockは創業2010年、本社をアメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンフランシスコに置く、同じく、デジタルアイデンティティ管理、アクセス管理のソリューションを提供するベンダです。元々はオープンソースのOpenAMを開発していたベンダとして広く知られています。ForgeRockについては少し古いですが、こちらのQiita記事でも書いていますので、参考にしてみてください。
両社は2022年、2023年にThoma Bravoの傘下に入り合併しました。今後は両社のプロダクトが統合され、より新しい価値を提供していくことがこちらのページにてアナウンスされています。
また統合に際して、今後どのようなロードマップで製品統合がなされていくか同社のCTOのPeter Parker氏による解説動画がYoutubeで公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=sCNxpajxf0w
第3者評価
こちらのページで紹介されていますが、ForresterのCIAM評価において、Ping Identityはリーダーに選出されています。両者は元々高い評価を得ていましたが、合併によりよりその価値を発揮できるとアナウンスされています。
サイトを歩いてみる
統合されていくことはここかしこに記載されていますが、実際には各々の従来のページ構成で各種ドキュメントなどが公開されている状況です。今後サイトの統合も進みより分かりやすい構成になっていくことが予定されています。ここでは有用なページをピックアップで紹介します。
- Ping Identity、ForgeRockの両者のドキュメント参照のスタートポイントとして有用なのがこちらのページです。
- 今回の統合により基本的には旧ForgeRockの製品名がPingブランドに統合されています。旧ForgeRockのことを知っている人が該当製品を探すのに有用なのがこちらのページです。
- Product単位で該当ドキュメントを参照したい場合に重宝するのがこちらのページです。
新機能
以下の絵はPing Identityの製品コンセプトを表現するにあたりあらゆるところで登場します。
https://www.pingidentity.com/en.html より図を抜粋
一目でわかるように中央にAIを添えています。この製品コンセプトを表現する機能が2024年10月末に「Ping Helix」という名前で発表されました。
https://www.pingidentity.com/en/resources/blog/post/helix-ai-iam.html
筆者はたまたまPing Helixのデモを見る機会があったのですが、管理コンソール上で自然言語で、ある一定期間のログインユーザ数を表示するデモが実施されていました。現在は特定のプロダクトのみにしか提供されていないようですが、今後、Ping Identity製品全体の中核を担う技術として位置付けられているようです。
製品に触れてみる
製品の種類にもよりますが、Ping Identity製品は評価目的で製品を動かすことが可能です。例えば、現在、PingAMの最新版であるPingAM7.5.1の動作を確認したい場合には以下に従ってインストレーションを進めることで動作確認を行うことができます。
ダウンロード・インストールに際しては以下の点に注意してください。
- バイナリダウンロードに際してはアカウントの作成が必要となります。gmailなどのフリーメールアドレスは許可されていないようなので注意してください。
- 各ソフトウェアの前提環境はこちらのページで確認できます。筆者は今回動作を確認するにあたり久々にTomcatをインストールしましたが、10以降にはまだ対応していなかったことに後で気づき、少々はまってしまいました。
無事にインストールが終わるとamAdminユーザで管理コンソールにログインすることができます。こちらがtestレルムを作ったときに見える管理コンソール画面です。
ForgeRock製品の1つの特徴的な機能としてAuthentication Treesがあります。GUIで認証ロジックを組み立てることができます。簡単に試すことができるので興味ある人はぜひ触ってみてください。
最後に
本日はPing IdentityとForgeRockの最新状況と題しまして、非常に簡単ではありますが、その触りを見てみました。両者の合併により、今後より洗練された形で製品統合がなされていくことが期待できます。また機会があればもう少し突っ込んだ機能紹介などできたらと思います。