子どもが寝た1時間だけ。育休パパが1ヶ月でアプリをリリースできた理由

この記事は身の回りの困りごとを楽しく解決！ by Works Human Intelligence Advent Calendar 2025の19日目の記事です。

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「時間さえあれば、自分もアプリを作れるのに」

そう思ったこと、ありませんか？私もずっとそう思っていました。でも育休を取ってわかったんです。時間がないからこそ、本当に大事なことだけに集中できるということを。

子どもが寝た後の1〜2時間。たったそれだけの時間で、1ヶ月後にはApp Storeにアプリが並んでいました。

きっかけは「料理動画のメモが面倒すぎる」問題

YouTubeで料理動画を見るのが好きなんです。でも、いざレシピを保存しようとすると...

• 動画を一時停止しながら材料をメモ
• 調味料の分量を聞き逃して何度も巻き戻し
• メモしたのに、どこに保存したか忘れる

「YouTubeのURL入れたら、AIがレシピを抽出してくれないかな？」

これが、RecipeClipを作ろうと思ったきっかけでした。

「1時間しかない」が最高の制約になった

育休中の開発時間は、子どもが寝た後の1〜2時間だけ。

最初は「こんな短時間で何ができるんだ」と思いました。でも、この制約が結果的に最高の武器になりました。

時間がないからこそ、こうなった

• 機能を絞りに絞った（YouTube対応だけに集中）
• 完璧を目指さず「動くもの」を優先
• 迷ったらシンプルな方を選ぶ
• 「あったらいいな」は全部後回し

普段なら「この機能も欲しいな」「UIをもっと凝りたいな」と寄り道してしまうところ。1時間しかないと、本当に必要なことしかできない。この強制的な集中が、1ヶ月でのリリースを可能にしました。

Claude Codeという「もう一人の開発者」

正直に言います。1ヶ月でリリースできたのは、Claude Codeがいなければ絶対に無理でした。

私がClaude Codeに頼ったこと

• アイデア整理: 「こんなアプリが欲しい」を対話しながら明確化
• 技術選定: Flutter？React Native？最適な選択を相談
• コード生成: 設計した仕様から即座に実装
• バグ修正: エラーを貼り付けると原因と解決策を提示
• App Store申請: 英語の申請画面のスクショを見せて下書き作成

特に助かったのは、「今日は1時間しかないけど、何を進めるべき？」という相談ができたこと。限られた時間で最大の成果を出すための優先順位づけを、毎晩一緒に考えてもらいました。

技術的にやったこと（シンプルに）

ユーザー → YouTubeのURLを入力
    ↓
YouTube Data API → 字幕と概要欄を取得
    ↓
Gemini API → AIがレシピを構造化
    ↓
Flutter → きれいに表示・保存

使った技術はこれだけ

• Flutter: iOS/Android両対応、Hot Reloadで高速開発
• Gemini API: 日本語の料理用語に強い、コストも安い
• YouTube Data API: 字幕と概要欄の取得

「動画の音声を直接文字起こしすれば？」と最初は考えました。でもYouTubeの規約でNG。代わりに字幕と概要欄を活用することで、十分実用的なレシピ抽出ができました。制約があるからこそ、別の道が見つかる。

苦労したこと、正直に

AIの出力が雑すぎた問題

最初のプロンプトでは「1. 鶏肉を切る 2. 揚げる 3. 完成」みたいな出力に。調味料の分量も抜け落ちる。

解決策はプロンプトの徹底改善。「調味料は必ず分量を含める」「時間情報は必ず記載」など、細かいルールを追加していきました。

課金実装が想像以上に大変

iOS（StoreKit）とAndroid（Google Play Billing）で別々の実装が必要。サブスク状態の管理、復元処理、解約フロー...。コードを書くより、この周辺作業の方が大変だったかもしれません。

1ヶ月で学んだ3つのこと

1. 「時間がない」は言い訳じゃなく、武器になる

   • 制約があるから本質に集中できる
   • 毎日1時間の積み重ねが、1ヶ月で形になる

2. AIは魔法じゃないけど、最高のパートナーになる

   • 任せっぱなしはダメ。でも対話しながら使えば開発速度が劇的に上がる
   • 特に「相談相手」としての価値が高い

3. 「自分が欲しいもの」を作るのが一番楽しい

   • 自分の課題を解決するから、モチベーションが続く
   • 使いながら改善できるから、いいものになる

さいごに

「時間さえあれば」と思っているあなたへ。

時間は作るものじゃなく、使い方を変えるものです。

1日1時間でも、30日続ければ30時間。その30時間で、App Storeにアプリを並べることができました。

身の回りの「ちょっと面倒」を見つけてください。それが、あなたの次のプロダクトの種になるかもしれません。