初めに
PostgreSQLでは、特定のデータベース操作を行うための権限を持つ「ロール」が事前に定義されています。これらは「デフォルトロール」または「組み込みロール」と呼ばれ、データベースの管理やセキュリティを効率的に行うための道具となります。
PostgreSQL14では、データベース管理に必要な特権を持ついくつかの事前定義されたロールが提供されています。これらのロールは、データベースの機能や情報へのアクセスを容易にするために存在します。管理者は、これらのロールをユーザーや他のロールに付与することで、特定の機能や情報へのアクセスを許可できます。
デフォルトロール
- pg_read_all_data
すべてのデータ(テーブル、ビュー、シーケンス)を読み取る権限。 - pg_write_all_data
すべてのデータに対してINSERT、UPDATE、DELETE権限。 - pg_read_all_settings
スーパーユーザーのみが通常読み取れる全ての設定変数を読み取る権限。 - pg_read_all_stats
スーパーユーザーのみが通常読み取れるpg_stat_*ビューと統計関連のエクステンションを使用する権限。 - pg_monitor
監視ビューや機能を読み取り/実行する権限。pg_read_all_settings、pg_read_all_stats、pg_stat_scan_tablesのメンバー。 - pg_signal_backend
他のバックエンドに問い合わせのキャンセルやセッションの終了のシグナルを送信する権限。 - pg_read_server_files
サーバ上の任意の場所からファイルを読み取る権限。 - pg_write_server_files
サーバ上の任意の場所にファイルを書き込む権限。 - pg_execute_server_program
サーバ上でプログラムを実行する権限。
ポイント
- ロールの理解
PostgreSQLのロールは、データベース内でのユーザーやグループの権限を管理するための重要な概念です。 - セキュリティの重要性
これらのロールを付与する際は、セキュリティを考慮し、必要な場合にのみ付与することが重要です。 - 管理の容易さ
事前定義されたロールを使用することで、データベースの管理がより簡単かつ効率的になります。