実は今週は4営業日で4度のプレゼンテーションをしています。イベントもあれば、個社向けの場もあります。
この頻度になると、大量にプレゼンテーションの資料を作成するノウハウがある程度溜まってきています。それを皆さんにも共有します。
メモ
- ここに記載のものが、皆さんにとっても役に立つかはわかりません。
- 他にももっといいプレゼンの仕方は書籍・ネットにたくさんあると思います。
- あくまで、私がどうやっているか、というお話です😊
戦略
ChatGPT は、ほぼ使い物になりません😎過度な期待は避けましょうね。単なる道具 ですから。皆さんも早くChatGPTを道具化してくださいね。何が出来ないかを知らないと、その道具に振り回されるだけになりがちです。
- ZEROから作らない
- スライドを作るコトが目的ではありません。参加者にプレゼンの後で、何らかのアクションを取って頂きたいのです。労力をかけるポイントを間違えないようにします
- 学会での発表の類は違うでしょうね。その先進性が大事なわけですからね。
- そのため、既存のスライドは流用します
-
見た目は拘る
- これは、場の設定次第なんですが。私の場合は、学会での論説ではなく、いわゆるイベント登壇が多いんです。文字が多すぎたり、図のあるページで、中央揃えなどがいまいちだったりすると。参加者が余計なコトに気がいってしまう可能性もあります。体裁は時間の許す限り気を払いましょう。
データ
皆さんは社内に、作成した文書を共有していますか?共有していれば、他の同僚がそれを流用できますよね。そして @dahatake のスペシャリティー・得意技・スキルが社内の他の方にも伝わります。
そして、それは会社のデータになります。データになっていれば、会社の方で統計や機械学習で使えるようになります。
一人で仕事をしない、という事にもつながりますよね。
手順
丁度、明日 LLM Apps Design Pattern というセッションをイベントでお話させていただきます。その際に何をしていたのかを例として取り上げますね。
1. 素材集め
主にネタ出しです。
1.1. メモしておく
時間: 1週間以上
いきなりストーリーは考えられないです。私。なので、断片でもいいので話のネタを考えます。
ネタは思いついたら、いつでも書けるようにします。つまり スマホ と PC で使える必要があるんです。
私は Microsoft To-Do のアプリを使っています。階層構造で、ネタを思いついたらかけるんですよね。
これがガチ本のものです!😊
これは、逆引きで、プレゼン作成の時間の直前まで行います。ですので通常だと1週間程度。細切れで行います。Microsoft Build Conference や de:code の様な大型イベントになると、1か月以上、これを行っていますねーーー😊
もっといえば、プレゼンやデモを作っている間に更新がありますし。プレゼンが終わって、自分で気づく点もあるんです。そしたら、またメモをしておきます。次回自分が使えるように😊
1.2. 中のいい同僚に相談する
時間: Chatのみで。1週間以上前に。出来たら。
先の Microsoft To-Do のスクショを取って、Microsoft Teams のチャットに貼り付けて、「他に何かありますー???」と、お気楽モードで相談します。相手の時間を奪うわけですから、メッチャ仲のいい人であれば、聞きやすいですよね。その分の御礼をどうするかーーーーハーゲンダッツだな。
場合によってはプレゼンのネタになりそうなお手持ちのスライドを共有してもらえることもあります! だって、同僚ですから😊
人に相談するのマジで大事ですよ。
1.3. Bing Chat に聞く
これがすんげぇ便利です。
誰かインターネット上に似た話をしているかもしれません。それはスライドの形式じゃなくて、Blog かもしれませんし。
ぶっちゃけ、検索結果の全部を知る必要は無いんです。要点だけでいい。だから、Bing Chat はピッタリなんですよ。ChatGPT はいまいちです。インターネットに検索いけませんからね。
Prompt:
LLMを使ったアプリケーションのデザインのプレゼンテーションを行います。プログラマーが知っておくべき設計上のポイントをリストアップしてください。
結果は、こうでしたね。
ちょっと違う。私の言いたかったデザインって、アプリケーションアーキテクチャなんですよね。
なので聞き返してみます。
Prompt:
LLMを使ったアプリケーションのアプリケーションアーキテクチャのプレゼンテーションを行います。プログラマーが知っておくべき設計上のポイントをリストアップしてください。
うん! だいぶいい感じ。
ChatGPT や Bing Chat に何か質問やタスクをさせて「やりたい事が出来なかった」というコメントを聞くことがあります。殆どの場合は 「聞き方」つまり「Promptのやり方」にもう少し工夫 があればいいのかなーと思いますよ😊
1.4. 社内のプレゼン検索
これ本当にありがたい😊ぶっちゃけ、Microsoft の社内には膨大な量のPowerPointのファイルや Wordのファイルなどがドキュメントとしてあります。これ Wiki や Blog だったら、そこからPowerPointのファイルを作成するのは超絶面倒!
そして、共有されているし、作成者が誰かもわかるし、いつ作成したかもわかるし、そして、秘匿性 (社内だけなのか、NDAがあれば見せてもいいのか、公開可能なのか?) もタグ付けがされています。ファイル単位で。
簡単に、自分のスライドに 「この資料は公開不可」って書いておけばいい んですよ!
どのスライドが社外に出したらダメなのか、わかりますよね!
そもそもプレゼンの作成は自由度が高いから、クリエイティブな仕事ができるわけで。会社のセキュリティポリシーの行間を埋め過ぎず、むしろ社員のサイバーセキュリティの知識を高める事を諦めずに行うコトの方が、ずっと大事な気がしています。Microsoftの社員をしていると特に。
それでも事件・事故は起こるでしょう。
そのためには会社が用意してくれている「監査」の仕組みに載せるコトです。私たちだと Microsoft 365 の OneDrive for Business にファイルを置く事ですね。
で。
ここは検索なんです。ChatGPT は不要。なぜだと思いますか? ファイルそのものを流用したいんです。新しいスライドを作るわけじゃないんです。
なので 検索能力 が問われるわけですよね。
「えー、うちの社内にドキュメント無いし」って思うそこのあなた! 検索の仕方を工夫してみませんか?
こちらが、自社の社内検索サイトで使った検索キーワードです。
| Responsible AI LLM Apps chatgpt transparency note
これは、どこから作られていると思いますか? そう。全てのネタは Microsoft To-Do に集約しているので。そこから単語だけ引っ張ってきて入力しています。MECEになっているわけじゃーないです。そこはサーチエンジンに慣れているかどうか。
因みに、今回も良さげなファイルが10個弱見つかりましたー😊
全てダウンロード😎
ファイルであることの利点が他のにもあります。写真や図が既にあるんです! これは効率という観点だと本当に大きいんですよ! ChatGPT を使っているからこそ、その有難さがわかります。Promptで画像生成も出来ますけど。そのPromptを考えて、修正して、GPUぶん回して、カーボンを排出しているコトなどと比較すれば。こちらのほぐあ圧倒的に生産性が高いです。
1.5. 写真
Microsoft では社員がプレゼンテーションで使っていい写真を社員向けに準備してくれていんです!
なので、私が使っている写真は、それら許諾が得られているので安心して使えるものばかりです。
これ、会社として揃えたほうがいいと思います。
今後はですねー
プレゼンで使う写真はLLMを通じたもので代用できると思います。その場の伝えたい事は、ある程度言葉にできますからね。その文章を少し修飾を繰り返した Prompt にしていくだけなので。
それが商用のプレゼンで使っていいという許諾が得られているアプリ・サービスであればいいだけです。Microsoft 365 に期待してます😊 もしくは Microsoft Designer かなー
2. 自分用の素材更新
一番時間がかかります。1日から数日。
自分で話すことが多いので。
会社として皆で作成しているプレゼンファイルとは別で。自分用のPowerPointファイルを「大全」として持っています。メンテしています。
目的:
- 同じスライドテンプレートに揃えられる
- 自分の好きなフォントなどに揃えられる
- プレゼン作成時間の最小化。1ページ作るのは大変で、長いと2-3時間。削除は一瞬。
マスター:
ほぼ毎回ここからスライドを抽出してます。
見つけた素材をここに追加してきます! ここポイントです😊
それによって:
- 自分で作業をしているので。どのスライドがマスターにあるか、なんとなく覚えている
- スライドの検索はすんげぇ難しい。おそらくVector化しても無理。なぜなら、どんな言葉で検索していいのか、思いつかないから。私が。だから覚えたほうが早い
Basic:
これは、教養としてのソフトウェアエンジニアリングをお話する必要が結構ありまして。そのためです。例えば、皆さんは、データベースのアプリがなぜ独自のファイルフォーマットでデータを管理しているかわかりますか?なぜJSONじゃだめなんですか? こういう事を説明するためにメンテしています。
滅多に更新しません😊
一部分を、以下にBlogを書いている途中ーーー
https://note.com/dahatake/m/m785011f91476
Special:
これは特別な際に使うものです。
3. ストーリー作成
ここでストーリーを作成します。章立てですね。
章立ては、そのまま PowerPoint だと、セクションになります。
今回の章立てはこちら。
4. まとめの作成
プレゼン内容の振り返りと。いわゆる Call to Action。参加者にどんなアクション・行動をとってもらいたいのか?
そのための参考情報とともに提示します。
「今すぐサンプルコードをダウンロードして動かしてみましょうー」
「今すぐ無料トライアルを試しましょうー」
「今すぐハンズオンに参加しましょうー」
このために、プレゼンの全ての時間を費やすわけですからね。
参考情報はその場にいたら要らないかもしれません。でも最近はプレゼン資料はネットに公開しますので。参加できなかった方でも、その参考情報に直ぐにアクセスできるように。ネットのURLを提示します。書籍でもいいんですけどねーーー
ちなみに、今回の参考情報はこれです。URLたくさん😊
5. 時間内に収める
これは如何にスライドを諦めるのかーーーーーーなんですよ。
マジで毎回難しい😭
未だに時間オーバーをしてしまう事がある。本当に難しいですね。
ご自身がスライド1ページで、何分くらい話すのかを、実際にリハしてみてください。頭で話すのはだめなことが多いですよ。思ったよりも時間かかりますよ。
6. アニメーションチェック
F5キーで、最初からプレゼンテーションを全て流します。
これ大事。
たまに忘れちゃうコトがあります。未だに...
7. スライドの事前公開
という事で。参加者がダウンロード出来る状態にします。こちらが、今回の素材をプレゼンテーションに仕上げて公開したものです。
これまで私が外部で話しさせていただいたプレゼンテーションのスライドは、同じ場所で公開しています。最近のものですが。
個社の場合は、ファイルを個別にお渡しするケースもあるので、こちらに無いコトもあります。
ほーーーら。見た目が、殆ど同じですよね😊
でも、同じタイトルでも内容はちょっとずつ更新されているんですよ。プレゼンテーションはその時点での出来るうる最高の情報で実施したいですからね。
まとめ
いかがでした?
これ、過去からの蓄積のPowerPointファイルが社内で共有されているから使えるテクだと思います。一人だとしんどいですし。ネットで共有頂いても「商用利用含めて、どんな目的で使ってもいいですよ」と明確に書かれていないと流用しずらいですよね。しかも、その方にお断りを入れる必要がある。マナーでしょうかね。これマジでメンドクサイ。返事まで数日かかるかもしれませんしね。
何かのお役に立てば幸いです。
以前 Post したこちらも参考に。