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Azure Media Services の移行・お引越し・Migration: MediaKind 編 (1) VoD の基本動作を理解する

Last updated at Posted at 2023-07-26

背景

2013年くらいに登場。その後日本国内でも多くの方にご利用いただいた Azure Media Services が、2024年6月30日をもってサービス停止をすることになりました。本当に残念です。

Azure Media Services の提供終了:
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/media-services/latest/azure-media-services-retirement

ここではよくあるであろうお引越しを試してみます。推奨される引っ越し先のアプリケーションが複数掲載されています。

この Blog Post では、MediaKind さんの IO に引っ越しをしてみます。

シナリオ

VoD (=Video On Demand) のシンプルなものを扱います。

  • vCMS (Video CMS) は別です。
  • Azure Media Services のファイルがそのまま使えるのか?
  • MediaKind IO の Player で再生ができるか?
  • DRM は使用しない

手順

移行の概要はこちらのドキュメントに従います。

以下の3つが主たる対象ですね

  • ファイル (Asset)
  • オリジン (Streaming Endpoint) + CDN

1. MediaKind IO の作成

こちらを適時ご参考ください。

Azure Marketplace から入手します。

"Step 1. Sign up through the Azure Marketplace"ですね。
https://docs.io.mediakind.com/docs/sign-up

Azure Marketplace では、以下の様に MK/IO – Video Streaming at Scale という名称で出ています。

image.png

料金も出ていますね。ほぼ Azure Media Services と同一です。

image.png

画面の [Get it Now] を押すと、連絡先の入力画面が出てきます。こちらに Azure の Subscription 契約時と同じ情報あるいは、MediaKind 関連での連絡先について入力をします。

image.png

その後 Azure の Portal に遷移します。[購読する]を押して、手続きを進めます。

image.png

Azure の他のリソース作成時と同じ画面が出てきます。Japan East も Japan West も選択出来ますね😊

image.png

そのまま作成を進めます。

image.png

作成が終わったら、SaaS としてのアカウント情報が入力できるようになります。[アカウントを今すぐ構成]を押します。

image.png

MediaKind さんのWebサイトに遷移しました。

サインインします。

image.png

MediaKind のサブスクリプションを作成します。

image.png

MediaKind さんのポータルに入れました!!!

注意書きにある通り、ログイン後に MediaKind さんの方でActivation の作業が必要なようです。人が作業すると思いますので、数営業日待ちましょう。

image.png

2. ファイルの移行

ここからは、以下のドキュメントに沿って、Migration を行います。
具体的には、Azure Storage Account のアタッチです。

2.1. ストレージアカウントの紐づけ

既存の Storage Account の紐づけが出来ます。

ダッシュボードの画面中央に [Add storage account]があります。

image.png

この画面はチェックボックスがついています。これは作業が終わった時点でのスクショだからです。気にしないでください😊

画面右上に、[Add Storage Account] があります。選択します。

image.png

以下の画面が出てきます。

image.png

SAS Tokenですが。Azure Portal の Azure Storage Account の [Shared Access Signature] から作成します。コンテナやファイル単位はよくSAS Tokenを作成されていると思いますので、ご注意ください。私も勘違いしました😅

image.png

項目 値の例 メモ
Name dahatakemain Azure の Storage Account と別で大丈夫です
Description (わかりやすい説明文を)
URL https://dahatakemediastorage01.blob.core.windows.net/ Azure Storage Account のURL です
SAS token xxxxx "?sv=2022-xxxx..." の様な書式です

Azure Storage Account の紐づけが終わると、以下の様にリストで表示されます。

image.png

  • ここでは、同じストレージアカウントで、別の名前を付けてみています

2.2. Streaming 用のファイルの紐づけ

Azure Media Services で、Dynamic Packaging 用にエンコードされたファイル達の紐づけを行います。

こちらが、Azure Media Service から見えるファイル達です。4つコンテナがありますが、2つはオリジナルmp4ファイル。2つが、エンコードして Dynamic Packaging 対応した配信用のファイルです。
image.png

こちらが、配信用ですね。このコンテナを MediaKind iO から参照できるようにします。
image.png

MediaKind アプリのダッシュボードに行きます。

画面中央の [Migrate Assets] ボタンを押します。

image.png

画面右上の [Migrate Assets]を押します。

image.png

Asset の登録画面が出てきます。
image.png

以下の情報を入力します。

項目名 メモ
Name (MediaKind IO 内でわかりやすい動画コンテンツ名を)
Description (わかりやすい説明文を)
Storage Container (fMP4 ファイルが入っているコンテナ名) Azure Storage Explorer などを使って、コンテナ名を取得してください
Storage Account (紐づけられた MediaKind IO でのストレージアカウント)

こちらが入力例です。

image.png

この様な形でMediaKind IO から認識がされます。

image.png

3. Streaming Endpoint の作成

オリジンを作成します。MediaKind IO のオリジンも Azure Media Services と同様の Streaming Endpoints になっています。分かりやすくてありがたいです。

こちらが公式ドキュメントです。

ダッシュボード中央の [Create streaming endpoints] を選択します。

image.png

Streaming Endpoints 画面の右上の [Create Streaming Endpoint] を選択します。

image.png

Streaming Endpoint の設定をします。

image.png

項目 メモ
Streaming Endpoint name (MediaKind IOでの識別名ですね)
Description (わかりやすい説明文を)
Streaming endpoint type Shared 動作確認には。本番では Dedicated を強く推奨します
Streaming units (数字)
Start streaming endpoint after creation -
Enable CDN - (執筆時点では、まだ押せないです)
Tags

[Submit] ボタンを押して、作成をします。

image.png

こちらのスクショでは2つの Streaming Endpoint が出来ています。[State] に CreatingRunning がある事に注目してください。
実行をしていないのですが作成とともに開始されています。つまり課金が開始されると思います。

4. Streaming Locator 作成

これでファイルが見えるようになり、オリジンサーバーも立ち上がっているので。次にそれらの紐づけを行います。Azure Media Services と同じオブジェクト名の Locator を作成します。

こちらが公式ドキュメント:
https://docs.io.mediakind.com/docs/set-up-your-streaming-locators

ダッシュボード中央の [Configure Streaming Locator]を押します。

image.png

[Assets] 画面に移動します。配信を開始したいファイルを選択します。

image.png

[Audience View and Settings]で、[Streaming Locator]を選択。[+Add streaming Locator]を選択して、Streaming Locator の作成を行います。

image.png

Streaming Locator の作成画面です。それぞれのパラメーターが Azure Media Services で設定できたものと同じですねー😎

image.png

項目 メモ
Name (Locatorを複数作成する際には、識別できるもので)
Streaming Policy Predefined_ClearStreamingOnly デフォルトの暗号化しない配信設定です
Content Key Policy (今は空白) 暗号化、DRM 設定時のものです
Expiration time (1年後など) 公開の期限があります
Filters (今は空白) Dynamic Filtering の機能がありそうです
Streaming locator ID (空白) Live Streaming でHA構成などを行う際には、2つのLocator で同じIDを使っていた方が実装はFail Over の実装は容易です。

設定できたら [Apply] ボタンを押します。

image.png

組み込みの MediaKind さんの Player で確認が出来ますね!

image.png

一応、公式ドキュメント:
https://docs.io.mediakind.com/docs/playback-your-migrated-assets

執筆時点では、まだ、Azure Media Player 互換の Player についてはドキュメントが提供されていません。
https://docs.io.mediakind.com/docs/player-sdk

まとめ

まだプロダクションで使うには MediaKind IO の機能やドキュメントの整備が不足しています。ただ、今後拡充されていく予定だそうです。

私の感想ではないですが。Azure Media Service と同じオブジェクトモデルなので、APIやPlayerの使い方なども、ある程度なれしたしんだものです。既存のファイルをそのまま使えるコトもやっぱり便利ですね。料金体系も一緒ですし。

今後ですが、以下、書いていく予定です😊

  • Playerの実装

  • CDN 設定
  • 大量ファイルの移行
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