これは MIERUNE AdventCalendar 2023…20日目の記事です。
昨日は @yuskesuzki@github さんによる アナログカードゲーム aws BuilderCards の遊び方 でした。
来年から神奈川県民になるMIERUNEのユエンです。
引越し先はすでに見つかっているんですが、前回公開した記事に引き続き、オープンデータを使って理想の家を探す方法を紹介していきます。
一人暮らしの独身男性として、今回は下にリストアップした条件に当てはまる家がどこにあるか探す時に使った処理について紹介します。
- 駅から300m以内
- 日高屋から500m以内
- 大手コンビニ(セブン・ローソン・ファミリーマート)から150m以内
なお、個人的な理由でやはり横浜に住みたいと思っているので、今回も横浜のデータを使って家を探していきます。
まずは国土数値情報から駅のデータと市区町村のデータをダウンロードして、神奈川県の駅を抽出します。
やり方としては、QGISに駅のデータと神奈川県のデータを追加して、ベクター→空間演算ツール→交差で駅のデータを抽出します。
「入力レイヤ」は神奈川県のデータ、「オーバーレイレイヤ」は駅のデータにしてください。
処理を始めると、「交差」という名前で神奈川県の駅が全て抽出されます。
次は駅から300mのバッファを作って、駅から300mの場所を抽出したいんですが、このままだとバッファを実行できないんで、「交差」を右クリックして、「エクスポート」→「新規ファイルに地物を保存」で一回神奈川の駅のデータを出力します。
出力する際には投影法をEPSG:6677にしてください。
そして、バッファ処理で300mのバッファを作ると、駅から300mの範囲を全て抽出できます。
次はGeofabrikというサイトからOpenStreetMapのデータをダウンロードします。
GeofabrikではOpenStreetMapに登録されているデータがシェープ形式で公開されており、国土数値情報や基盤地図情報で記載されていない店舗や商業施設等のデータが公開されています。
なお、注意点としては、OpenStreetMapのデータは有志の方によってウェブ上で作成されているので、必ずしも全てのデータが登録されているわけではありません。
一つの例として、GeoFabrikのデータでは名前に「日高屋」を含めた地点が212地点ありますが、日高屋のホームページを見ると実際のところ関東には415店舗もあるみたいですので、GeoFabrikのデータを分析する際には国土数値情報のような正確な情報が提供されていないことにお気をつけください。
また、OpenStreetMapでは、誰でもデータを登録することができます。
Geofabrikデータの中には店舗や商業施設などのPOIデータが載っていて、今回は店舗のデータから牛丼屋、コンビニと日高屋のデータを抽出します。
なお、今回はQGISに追加しやすいようにshp形式のデータをダウンロードしています。
ダウンロードが終わりましたら、中に含まれている「gis_osm_pois_free_1.shp」をQGISに追加して、まずは日高屋の場所を抽出します。
属性テーブルを開いて、フィルターでnameの欄に「日高屋」と入力して、日高屋を含める項目を抽出して、「地物を選択」ボタンで選択します。
そして、編集→地物をコピー、編集→貼り付け→一時レイヤに貼り付けで新しいレイヤーに日高屋の位置を出力していきます。
終わりましたら、また「エクスポート」→「新規ファイルに地物を保存」で投影法を「EPSG:6677」にします。
そして、さっきと同じ操作で、日高屋から500m範囲内のバッファを作って、日高屋から500m以内の場所を抽出します。
終わりましたら、「交差」で日高屋から500m以内と駅から300m以内の場所を抽出します。
そうしますと、選択肢がだいぶ狭められているのがわかります。
その上で、OpenStreetMapの背景地図を追加してみますと、条件に合ったエリアが神奈川県東部にあることがわかります。
次は最後の処理として、大手コンビニから150m以内の場所を日高屋の際と同じような処理で抽出します。
なお、今回は複数の条件を組み合わせて地物を抽出したいので、「QGIS式による選択」の機能を使います。
「QGIS式による選択」で以下の式を入力して名前に「ローソン」、「ファミリーマート」か「セブン-イレブン」が含まれている地物を選択します。
"name" ILIKE '%ローソン%' OR "name" ILIKE '%セブン-イレブン%' OR "name" ILIKE '%ファミリーマート%'
その後は、「編集」→「地物をコピー」、と「編集」→「新規レイヤに地物を貼り付け」→「一時スクラッチレイヤ」で選択したコンビニのデータを出力します。
このままでは処理の元データが関東全域のコンビニになってしまうので、神奈川県のポリゴンと「交差」処理を行なって神奈川県のコンビニのデータを作成します。
その後は一旦抽出したコンビニのデータをEPSG:6677でエクスポートします。
最後は日高屋のデータを作成した時と同じように、コンビニのデータで「150m」範囲のバッファを作成して、交差処理でコンビニから150m範囲のバッファと日高屋・駅の交差エリアの交差範囲を取得します。
出来上がったデータを確認してみますと、武蔵小杉、相模大野や川崎など、大きな駅がたくさん抽出されているのがわかります。
しかし、もうちょっと細かく確認すると、東横線沿線の元住吉や白楽、相鉄線の鶴ヶ峰、二俣川、希望ヶ丘、横浜線の十日市場、鴨居や中山など、若干穴場に感じる駅も抽出されているのも確認できます。
実際私がどこに引っ越すか、実際今回GISデータを分析した結果を生かして一人暮らしに便利な引越し先を見つけられたかは個人情報なので、あまり詳しく述べられないんですが、GISデータやオープンデータを活用すると、意外と便利な駅が見つかるので、皆さんも引越しで部屋探しをする際には参考にしてみてください。
明日は@bordorayさんによるQField cloudを使ってみたです!お楽しみにー