OTNを理解する:フレーム構造・多重収容・監視・プロテクション
はじめに
光伝送ネットワークの中核技術であるOTN(Optical Transport Network、ITU-T G.709)について、フレーム構造から運用に必要な監視・保護機能までを体系的に整理する。
本記事の目標は以下のとおり。
- OTNのフレーム構造(OTU・ODU・OPU)を理解する
- ODUの多重収容関係(AMP/GMP)を理解する
- 監視機能(BIP-8・BDI・BEI・PM・TCM)の仕組みを理解する
- プロテクション(1+1・SNC/P)とアラーム伝播を理解する
目次
- 前提:SDHとSTMの基礎
- OTNとは
- OTNフレーム構造とフレーム周期
- ODU/OTUの速度と収容関係
- AMPとGMP(多重収容の仕組み)
- オーバーヘッドの監視機能
- BIP-8による誤り検出
- TCMによる区間監視
- プロテクション(1+1・SNC/P)
- アラームの伝播
- まとめ
1. 前提:SDHとSTMの基礎
OTNを理解する前提として、その前身であるSDHを整理する。
SDHとは
SDH(Synchronous Digital Hierarchy:同期デジタルハイアラーキ)は、デジタル信号を階層的に多重化して光ファイバで運ぶための国際標準(ITU-T)である。
位置づけ:
物理層(光)の上、データリンク層の下
「伝送路上でビット列を運ぶ箱」を標準化したもの
北米のSONETに相当する国際版
最大の特徴は「同期」にある。ネットワーク全体が1つの基準クロックに同期しているため、大きな多重信号の中から目的の小信号の位置が常に分かり、全体を展開せずに特定チャネルだけを抜き差し(Add/Drop)できる。前身のPDHではこれが難しかった。
STMとは
STM(Synchronous Transport Module)はSDHで運ばれる信号フレームの単位である。SDHが「方式・規格全体」、STMが「その方式で運ばれる信号の単位」という関係になる。
STM-1 = 155.52 Mbps(基本単位)
STM-4 = STM-1 × 4 = 622 Mbps
STM-16 = STM-1 × 16 = 2.5 Gbps
STM-64 = STM-1 × 64 = 10 Gbps
STM-256 = STM-1 × 256 = 40 Gbps
注意点として、STM自体は「信号フレームの単位」であり「光インタフェース規格」ではない。STM信号を光に乗せる物理仕様(波長・パワー等)は別途、光インタフェース規格として定められている(STM-1〜16はG.957、STM-64はG.691)。
VC連結とは
VC(Virtual Container:仮想コンテナ)はSDHが信号を入れる箱である。VC連結はこの箱を複数つなげて大きな信号を運ぶ技術を指す。
箱のサイズ:
VC-12 :2 Mbps相当
VC-3 :50 Mbps相当
VC-4 :150 Mbps相当
例:Ethernet 1Gbpsを運ぶには
VC-4(150Mbps)を7個束ねる(VC-4-7c)必要がある
連続連結(Contiguous)は連続した帯域が必要で柔軟性が低く、仮想連結(VCAT)は柔軟だが遅延差吸収(LCAS)など装置処理が複雑になる。いずれにせよEthernetのような可変・大容量信号をSDHの固定サイズの箱に詰めるのは手間がかかる。後述するOTNはクライアント信号を透過的に収容できるため、この点が大きく改善されている。
2. OTNとは
OTN(Optical Transport Network)はITU-T G.709で規定されたデジタル伝送の多重化・監視フレームワークである。SDHの後継として設計され、光伝送路の上でクライアント信号をどう運ぶかを定義している。
階層構造
クライアント信号(Ethernet・SDH・FC等)
↓ マッピング
OPU(Optical Payload Unit) ← 実データを入れる箱
↓ オーバーヘッド追加
ODU(Optical Data Unit) ← 監視・保護情報を付加
↓ フレーム化+FEC
OTU(Optical Transport Unit) ← 光回線に乗せる最終形
↓
光ファイバ伝送
SDHとの違い
| 項目 | SDH | OTN |
|---|---|---|
| 多重化の基本 | 64kbps単位のTDM | クライアント信号を透過的に収容 |
| Ethernet収容 | 苦手(VC連結が必要) | 得意(透過的に収容) |
| FEC | オプション | 標準装備(G.975準拠) |
| 区間監視 | エンドツーエンドのみ | TCMで区間ごとに監視可能 |
OTNの最大の特徴は、クライアント信号を透過的に運べる点とFECが標準装備されている点である。
3. OTNフレーム構造とフレーム周期
OTUフレームは4行 × 4080列の固定構造を持つ。全OTU(OTU1〜OTU4)で構造は共通で、異なるのはビットレートである。
- OTU OH(行1・列1〜7):FAS・BIP-8など、回線全体の管理
- ODU OH(行2〜4・列1〜7):PM・TCM・APSなど、監視と保護
- OPU OH(列8):PSI・ジャスティフィケーション制御
- OPUペイロード(列9〜3824):クライアント信号本体
- FEC(列3825〜4080):誤り訂正符号(256バイト/行)
フレームサイズは4 × 4080 = 16320バイトで全OTU共通である。
フレーム周期とは
フレーム周期は「1つのフレームを送り終えるのにかかる時間」である。ITU-T G.709 Table 7-4で規定されている。
| 階層 | ビットレート | フレーム周期 |
|---|---|---|
| ODU0 | 1.244 Gbps | 98.354 μs |
| ODU1 | 2.498 Gbps | 48.971 μs |
| ODU2 | 10.037 Gbps | 12.191 μs |
| ODU2e | 10.399 Gbps | 11.767 μs |
| ODU3 | 40.319 Gbps | 3.035 μs |
| ODU4 | 104.794 Gbps | 1.168 μs |
フレーム周期が変わる理由(収容数とは無関係)
フレーム周期を決めるのは次の2つだけであり、多重収容数は一切関係しない。
フレーム周期 = フレームのビット数 ÷ ビットレート
① フレームのビット数 → 全ODUで一定(4×4080=16320バイト)
② そのODUのビットレート → kによって変わる
フレームサイズは全ODU共通なので、ビットレートが速いODUほど同じ大きさのフレームを早く送り終える。結果としてフレーム周期が短くなる。ODU0(98.354μs)とODU4(1.168μs)では速度が約84倍違い、周期は約1/84になる。
ここで注意すべきは、「多重収容数」と「フレーム周期」は別の話であり、結びつけてはいけない点である。
多重収容数:大きいODUほど多くの小ODUを収容できる
(ODU4は最大80本のODU0を収容)
→ これは「容量が大きいから多く詰められる」という話
フレーム周期:そのODU自身のビットレートで決まる
(速いODUほど周期が短い)
→ これは「同じ箱を速く流し切る時間」という話
両者はどちらも「速度」と関係するが、互いに直接の因果関係はない
参考としてSDHとの対比を挙げる。SDHはフレーム周期を125μsに固定し、フレームサイズを拡大して高速化する。一方OTNはフレームサイズ(4行×4080列)を固定し、フレーム周期を短縮して高速化する。OTNは「同じ大きさの箱をどんどん速く流す」方式であるため、速いODUほどフレーム周期が短くなる。
監視用OH(BIP-8等)はフレームごとに送られるため、フレーム周期が短いほど監視の更新頻度が高くなる。
4. ODU/OTUの速度と収容関係
速度一覧
| 階層 | ビットレート | 主な収容クライアント |
|---|---|---|
| ODU0 | 1.244 Gbps | GbE(1G Ethernet) |
| ODU1 | 2.498 Gbps | STM-16(2.5G SDH) |
| ODU2 | 10.037 Gbps | 10GbE・STM-64 |
| ODU2e | 10.399 Gbps | 10GbE LAN PHY |
| ODU3 | 40.319 Gbps | 40GbE・STM-256 |
| ODU4 | 104.794 Gbps | 100GbE |
| OTU1 | 2.666 Gbps | ODU1×1(FEC込み回線速度) |
| OTU2 | 10.709 Gbps | ODU2×1(FEC込み回線速度) |
| OTU3 | 43.018 Gbps | ODU3×1(FEC込み回線速度) |
| OTU4 | 111.809 Gbps | ODU4×1(FEC込み回線速度) |
ODUとOTUの速度差
OTUのビットレートがODUより大きいのは、OTU OHとFECが加わるためである。
OTU4の内訳:
ODU4 :104.794 Gbps(ペイロード+ODU OH)
OTU OH+FEC:約7 Gbps相当
合計 :111.809 Gbps
FEC冗長度 ≈ 6.7%(255,239 Reed-Solomon符号)
多重収容マッピング
小さいODUを大きいODUに多重収容できる。主な収容関係は以下のとおり。
大きいODUを小さいODUに収容することはできない。
5. AMPとGMP(多重収容の仕組み)
ODUを多重収容する際、クライアント側とOTN側のクロック差を吸収する必要がある。この方式にAMPとGMPの2種類がある。
AMP(Asynchronous Mapping Procedure)
AMPはOPUペイロードに固定位置の調整用スロット(NJO・PJO)を設け、JC(Justification Control)でその有効/無効を判定する。
弁当箱に例えると、「ごはん」「おかず」「調整用の空きマス」が最初から仕切りで決まっている方式である。空きマスは決まった位置に決まった数だけあり、データが少なければ空きマスとして残し、多ければ空きマスにもデータを詰める。
PJO(Positive Justification Opportunity):
クライアントデータが足りないとき → ダミーとして扱う
NJO(Negative Justification Opportunity):
クライアントデータが多いとき → データとして使う
AMPの制約は、この空きマス(スタッフバイト)の位置と数がフレームの設計図で固定されている点にある。つまりODU0をODU4に入れるような収容パターンでは、その専用の空きマスがフレーム構造に用意されていないため詰められない。これが「スタッフバイト位置が定義されていない」の意味である。
GMP(Generic Mapping Procedure)
GMPはスタッフバイトの位置ではなく「何バイト送るか」をCmカウンタで動的に通知する。
弁当箱に例えると、仕切りがなく「今回は何粒入れたか」をフタにメモする方式である。どんな量・組み合わせでもメモ(Cm)を見れば取り出せるため、想定外の収容にも対応できる。
→ 任意の速度比・収容数に対応できる
→ ODUflex(可変レート)にも対応
なぜAMPを残すのか(GMPだけにしない理由)
GMPが万能に見えるが、AMPには明確なメリットがある。
| 項目 | AMP | GMP |
|---|---|---|
| 処理の複雑さ | 単純(固定位置の判定のみ) | 複雑(Cm計算が必要) |
| ハードウェア負荷 | 低い | 高い |
| 登場時期 | G.709初期から | 後から追加 |
| 適した用途 | 規格固定の収容 | 任意・可変の収容 |
AMPは固定位置のスタッフバイトを見るだけなので回路がシンプルで低消費電力・低遅延であり、古い装置との互換性もある。ODU1→ODU2(4本)のように速度比が固定で決まっている収容ではGMPの柔軟性は不要なため、わざわざ重いGMPを使う理由がない。結果として「伝統的な収容はAMP、想定外の収容(ODU0絡み・100GbE等)はGMP」という使い分けになっている。
使い分け
| 方式 | 対象 | 典型用途 |
|---|---|---|
| AMP | 規格固定の収容数 | ODU1→ODU2(4本)、ODU1→ODU3(16本)、ODU2→ODU3(4本) |
| GMP | 任意の速度比 | ODU0→ODU1/2/3/4、ODU2e→ODU3/4、100GbE収容、ODUflex全般 |
6. オーバーヘッドの監視機能
OTNの監視機能の根幹はオーバーヘッド(OH)にある。主要フィールドは以下のとおり。
| フィールド | 層 | 役割 |
|---|---|---|
| FAS | OTU | フレーム同期の確立 |
| TTI | OTU/ODU | 接続の識別(誰から誰への信号か) |
| BIP-8 | OTU/ODU | ビット誤り検出 |
| BEI | OTU/ODU | 対向へのビット誤り数の通知 |
| BDI | ODU | 対向への障害発生の通知 |
| PM | ODU | エンドツーエンドの品質監視 |
| TCM | ODU | 区間ごとの品質監視(最大6階層) |
| APS | ODU | プロテクション切替信号 |
| GCC | OTU/ODU | 管理通信チャネル |
| PSI | OPU | 収容クライアント信号の種別 |
TTIとPSIの違い
TTI:「誰から誰への信号か」(接続の識別、SAPI/DAPI)
PSI:「何が入っているか」(ペイロードの種別)
BDIとBEIの違い
BDIとBEIはいずれも受信側が検出して送信元方向(後ろ向き)に通知する。
7. BIP-8による誤り検出
BIP-8(Bit Interleaved Parity 8)はフレームのビット誤りを検出する仕組みである。
計算対象と「縦に並べる」の意味
計算対象は監視領域の全バイトである。「縦に並べる」とはフレームの行のことではなく、全バイトを1本のバイト列として扱い、各バイトの同じビット位置(bit7同士、bit6同士…)を縦方向としてXORすることを指す。
全バイトを1列に並べる:
bit7 bit6 bit5 bit4 bit3 bit2 bit1 bit0
バイト1: 1 0 1 1 0 0 1 0
バイト2: 0 1 1 0 1 0 0 1
バイト3: 1 1 0 0 1 1 0 0
バイト4: 0 0 1 1 0 1 1 1
─────────────────────────────────────── XOR(縦)
BIP-8 : 0 0 1 0 0 0 0 0
bit7の列:1⊕0⊕1⊕0 = 0(1が偶数個)
bit5の列:1⊕1⊕0⊕1 = 1(1が奇数個)
行をまたいでフレーム全体を1本のバイト列として扱い、そのバイト列の各ビット位置でパリティを取る。
検出の流れ
送信側:
フレームNのBIP-8を計算
→ フレームN+1のOHのBIP-8フィールドに格納
受信側:
受信フレームのBIP-8を自分で計算
→ OHのBIP-8と比較
→ 不一致のビット位置 = 誤り発生
→ 不一致の数(0〜8)をBEIで対向に通知
インターリーブとバースト誤り耐性
「インターリーブ」とは、8つのパリティビットがバイトをまたいで同じビット位置を担当する(飛び飛びに監視する)ことを指す。
bit7のパリティ → 全バイトのbit7だけを監視
bit6のパリティ → 全バイトのbit6だけを監視
これによりバースト誤り(連続ビットがまとめて化ける)に強くなる。
例:4ビット連続誤り
bit7 bit6 bit5 bit4 bit3 bit2 bit1 bit0
バイト1: 1 0 1 1 0 [X] [X] [X] ← bit2,1,0誤り
バイト2: [X] 1 1 0 1 0 0 1 ← bit7誤り
影響を受けるパリティ:bit2・bit1・bit0・bit7の4つ
→ 連続誤りが複数のパリティに分散されるので検出されやすい
単純な全ビット1つのパリティだと偶数個の誤りは打ち消し合って検出できないが、BIP-8は8つに分散するため偶数個の誤りでも別々のパリティに分かれて検出できる。
8. TCMによる区間監視
TCM(Tandem Connection Monitoring)はSDHにないOTN固有の機能で、区間ごとの品質監視を可能にする。
PMとTCMの違い
実現方法
TCMはODU OHの中に独立した6つのフィールド(TCM1〜TCM6)を持つ。各フィールドはPMと同じ構造(TTI・BIP-8・BEI・BDI・STAT)を持つ。
中間ノード(B局)の動作:
OTUレイヤ:FEC訂正・フレーム同期 → 処理する(全ノード)
PMフィールド:透過(B局は終端局でない)
TCM1フィールド:終端・検証(B局がTCM1終端局)
ペイロード:透過(クライアント信号はそのまま通過)
OTUは全ノードで処理されるが、ODUのPM/TCMは担当区間の局だけが処理する。
実務での活用:事業者間の責任分界
A〜B区間 = 事業者X → TCM1で監視
C〜D区間 = 事業者Y → TCM2で監視
障害時:TCM1かTCM2のどちらでBDI/BEIが上がるかで
責任区間を即座に特定できる
9. プロテクション(1+1・SNC/P)
1+1プロテクション
SNC/P(Sub-Network Connection Protection)
SNC/Pは現用パスと予備パスで物理的に異なるルートを通る区間保護である。
1:Nプロテクション(補足)
1+1:両系ACT(予備回線を専有)→ 高速・確実だが帯域非効率
1:N:N本の現用がACT、1本の予備がSBY(待機)
→ 帯域効率は良いが同時複数障害には非対応
1+1とSNC/Pの本質的な違い
両者とも別ルートを取るため混同しやすいが、本質的な違いは「何を監視して切り替えるか(監視のレイヤと範囲)」にある。
| 項目 | 1+1(パス保護) | SNC/P |
|---|---|---|
| 監視に使うOH | PM(Path Monitoring) | TCM(Tandem Connection Monitoring) |
| 監視範囲 | パス全体(端から端) | 指定した区間(サブネットワーク) |
| 保護できる範囲 | エンドツーエンド全体 | ネットワークの一部区間だけ |
| ネスト(入れ子) | できない | できる(区間ごとに独立保護) |
具体例:A — B — C — D — E の5局経路
1+1:A〜E全体を1つの保護単位とする
→ 途中の一部区間だけの保護はできない
SNC/P:B〜D区間だけを保護対象にできる
(例:B〜D間が他社管理で信頼性が低い場合
その区間だけTCMで監視して別ルートに切替)
→ TCMが6階層あるため区間の入れ子保護も可能
つまり「別ルートを取るか」ではなく、「保護の単位をネットワークのどの範囲に設定できるか」「PMで見るかTCMで見るか」が本質的な違いである。1+1はパス全体が単位、SNC/Pは任意区間を単位にできる。
10. アラームの伝播
OTNの障害切り分けでは、アラームがどう伝播するかの理解が重要である。
主要アラーム
| アラーム | 正式名称 | 原因 | 通知方向 |
|---|---|---|---|
| AIS | Alarm Indication Signal | 上流で障害(壊れた) | 下流(前向き) |
| OCI | Open Connection Indication | クロスコネクト未接続(繋いでいない) | 下流(前向き) |
| LCK | Locked | 管理者が意図的に閉塞(止めた) | 下流(前向き) |
通知方向の整理(AIS と BDI/RF の違い)
通知方向はAISとBDI(RF相当)で逆向きになる。
後ろ向き通知(上流=送信元へ):
BDI(OTN)≈ RF(Ethernet)
受信障害(LF)を検知 → 「あなたから私への信号が来ない」と上流へ通知
前向き通知(下流=受信先へ):
AIS(OTN)
上流障害を検知 → 「私より上流が壊れたので以降データは無効」と下流へ通知
AISの役割
上流で信号断(LOS)発生
↓
その局が下流へ ODUk-AIS を送出(全1パターン)
↓
下流の各局はAISを受けて「上流障害」と認識
↓
不要なアラームの連鎖を防ぐ(根本原因を上流1箇所に特定)
AISの役割は「私より上流で問題が起きたので私自身は故障ではない」と下流に伝えることである。これにより障害箇所を1点に特定でき、各局が一斉にアラームを上げる事態を防ぐ。
OCIの正確な意味
OCIは物理的なインタフェースの場所の問題ではなく、装置内部のクロスコネクト設定の問題である。
ROADMやOTN装置の内部には入力ポートと出力ポートを結ぶ
クロスコネクト(マトリクス)がある
本来:入力A → クロスコネクト → 出力B
未設定:入力A → クロスコネクト → 行き先が設定されていない
→ OCIを下流に送出
AIS(壊れた)・OCI(繋いでいない)・LCK(人為的に止めた)は
いずれも下流への前向き通知だが、原因が異なる
11. まとめ
| 機能 | 役割 | 実務での使い所 |
|---|---|---|
| SDH/STM | 同期多重化の前提知識 | OTNとの対比理解 |
| フレーム構造・周期 | クライアント信号の収容 | 帯域設計・監視頻度の理解 |
| AMP/GMP | クロック差吸収・多重収容 | 多重収容の方式選択 |
| BIP-8 | ビット誤り検出 | 品質監視 |
| BDI/BEI | 対向への障害・誤り通知 | 障害検知 |
| PM/TCM | E2E・区間の品質監視 | 責任分界・障害切り分け |
| 1+1/SNC/P | 障害時の自動切替 | 可用性設計(パス全体 vs 区間) |
| AIS/OCI/LCK | アラーム伝播 | 障害箇所の特定 |
OTNの本質は「クライアント信号を透過的に運びながら、各区間で独立した監視・保護を実現する」点にある。特にTCMによる区間監視と、それを利用したSNC/Pは、多事業者にまたがる回線の責任分界を明確にする重要な機能である。
参考規格
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| ITU-T G.709 | OTNインタフェース(フレーム構造・収容・AMP/GMP) |
| ITU-T G.798 | OTN装置の機能ブロック(アラーム伝播) |
| ITU-T G.873.1 | OTNプロテクション(1+1・SNC/P・切替時間) |
| ITU-T G.707 | SDH(STM・VC) |
| ITU-T G.975 | OTNのFEC |







