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AIに「お役所の課長の悩み」を理解させたら、提案書が3時間で完成した。人間が3ヶ月かかる仕事を100倍速にする方法

Last updated at Posted at 2026-01-25

はじめに:AIの速度に震えた日

「データ分析は準備が8割」
前回までの記事でそう書きました。
前回:【e-Stat×AI】「同じ人口・同じ地域」で所得格差83倍。データが暴いた「過疎でも勝つ自治体」の勝ちパターン

前々回:e-statの魔境にAIと挑んだら、データ準備の『だるさ』をpipeline・並列処理でねじ伏せられた話

今回は、その先の話です。
「分析結果をどう提案に落とし込むか」

ここで、AIの真価を見せつけられました。


衝撃の結論から言います

先に結論を言います。
この表を見て、絶望してください。あるいは、歓喜してください。

工程 人間がやった場合 AIと協働した場合 速度差
データ取得・整形 2週間 30分 28倍
統計的妥当性検証 1週間 15分 56倍
成功事例の調査 2週間 1時間 28倍
提案書作成 1週間 2時間 28倍
合計 約6週間 約4時間 約100倍

100倍です。
10倍じゃない。100倍。
人間の「3ヶ月(営業日ベース)」が、AIなら「半日」で終わります。

しかも、人間が見落としがちな「やらなかった場合のリスク」まで勝手に提案してきた。


Part 0:この記事で伝えたいこと

AIは「考える時間」を圧倒的に増やしてくれる

AI駆動開発では:

AIがデータ処理 → 人間が考える → AIが提案書作成 → 人間が判断
              ↑\_\_人間は考えることに集中\_\_↑

「作業」から「思考」へ。
これがAI駆動開発の本質です。

従来のデータ分析は、いわば「地獄の苦行」でこれだけで人間は力尽きる。
AI駆動開発では、景色が一変します。
人間は「考えること」に全てのMPを注ぎ込める!


Part 1:統計的妥当性の検証が「15分」で終わった戦慄

分析結果の「それ、本当?」問題

データ分析あるある:

「空き家率と経済成果に相関がある」

と言っても、

「たまたまじゃない?」
「サンプル数少なくない?」
「他の要因が影響してるんじゃ?」

と突っ込まれる。

人間がやると1週間かかる検証

統計的に「偶然ではない」ことを証明するには:

  1. 相関係数の算出
  2. p値の計算
  3. 有意水準の判定
  4. 擬似相関の検証
  5. サンプルサイズの妥当性確認

これを1つの指標ペアでやるだけでも大変なのに、複数指標の組み合わせを検証するとなると...

AIに投げたら15分で完了

# AIが自動生成した検証コード
def validate\_correlation(df, x\_col, y\_col):
    """相関の統計的妥当性を検証"""

    # 1. Pearson相関検定
    r, p\_value = stats.pearsonr(df\[x\_col], df\[y\_col])

    # 2. 有意性判定
    significance = "有意" if p\_value < 0.05 else "有意でない"

    # 3. 偏相関分析(人口規模を統制)
    partial\_r = calculate\_partial\_correlation(df, x\_col, y\_col, control='population')

    # 4. サンプルサイズの妥当性
    n = len(df)
    power = calculate\_statistical\_power(r, n, alpha=0.05)

    return {
        'correlation': r,
        'p\_value': p\_value,
        'significance': significance,
        'partial\_correlation': partial\_r,
        'sample\_size': n,
        'statistical\_power': power
    }

結果:

分析項目 相関係数 p値 判定
空き家率→所得 -0.265 0.0046 有意(1%水準)
労働力率→所得 +0.498 <0.0001 有意(0.1%水準)
財政力→所得 +0.576 <0.0001 有意(0.1%水準)

擬似相関の検証まで自動でやってくれた

「人口規模の影響で見かけ上の相関になってるだけでは?」
という疑問に対して、AIが勝手に偏相関分析を実行。

人口規模を統制した偏相関分析:
  空き家率 ⇔ 所得: r = -0.258(p = 0.006)
  → 人口規模を考慮しても関係は維持

「偶然ではない」ことを数値で証明できる。

これを論破するために、人間は通常1週間かけてExcelを叩き、統計ソフトと格闘します。

AIは「人口規模の影響で見かけ上の相関になってるだけでは?」という、上司がドヤ顔で言いそうなツッコミに対しても、先回りして「偏相関分析」で黙らせるデータを用意してくれましたwww


Part 2:経営学を「自治体語」に翻訳するAIの変幻自在

従来のやり方

  1. Google検索で「自治体 成功事例」を探す
  2. 記事を読み込む
  3. 成功要因を分析する
  4. 自分の提案先に適用できるか検討する

これを数十の成功事例でやると、最低2週間。

AIに「成功パターンを分類して」と頼んだら

【成功パターン分類】

パターンA:製造業集積型(18都市)
├── 代表例:刈谷市(トヨタ)、日立市(日立製作所)
├── 成功要因:大企業誘致(60%)、関連産業集積(25%)、人材教育(15%)
└── 再現可能性:低(条件依存)

パターンB:首都圏ベッドタウン型(12都市)
├── 代表例:流山市、印西市、守谷市
├── 成功要因:立地(50%)、子育て施策(30%)、ブランディング(20%)
└── 再現可能性:中〜高

パターンC:観光・リゾート型(7都市)
├── 代表例:熱海市、軽井沢町、草津町
├── 成功要因:観光資源(40%)、ブランド確立(35%)、サービス品質(25%)
└── 再現可能性:高

パターンD:公的機関・研究機関型(4都市)
├── 代表例:つくば市、東海村
├── 成功要因:国策(80%)
└── 再現可能性:極低

1時間で「再現可能性」まで分類してくれた。

私が驚愕したのは、AIに
「1カ所で頑張るより、広く展開したほうがいいよね」
「1か所で10%改善するより、50か所で5%改善する方が効果的という観点も入れたい」
と伝えた時です。
AIは即座に 「規模の経済」 という概念を、自治体の文脈へ完璧にローカライズしました。

【スライド:規模の経済 ~横展開で効果を最大化する~】

■ 「1か所で10%改善」 vs 「50か所で5%改善」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| アプローチ   | 対象              | 改善率     | 総効果         | 投資効率 |
|-------------|-------------------|-----------|---------------|---------|
| 集中投資型   | 1商店街に1億円     | +30%売上  | 3,000万円/年   | 3倍     |
| 横展開型     | 10商店街に各1,000万円| 各+10%売上| 1億円/年       | 10倍 ★  |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ なぜ横展開が効くのか(規模の経済)

【① 固定費の分散】
  • 企画・調査コストは1回で済む
  • マニュアル・ノウハウは使い回せる
  • 研修コストが1/N になる

【② 学習効果】
  • 1か所目の失敗を2か所目で活かせる
  • 成功パターンが蓄積される
  • PDCAが高速で回る

【③ 相乗効果】
  • 「堺市全体」としてのブランド認知
  • メディア露出の増加
  • 住民の「自分ごと化」が進む

【スライド:規模の経済 ~横展開で効果を最大化する~】
■ なぜ横展開が効くのか
① 固定費の分散:企画・調査コストを1/Nに
② 学習効果:1か所目の失敗を2か所目で活かす
③ 相乗効果:市全体のブランド認知を「自分ごと化」させる

さらに、行動経済学の「損失回避バイアス」すら使いこなしてきました。
AIの提案:
「この施策で1,000人増えます」と言うより、「何もしないと5年で1.2万人減り、近隣都市に全て奪われます」 と言いましょう。

人間は「得」より「損」に2倍反応する。

この心理を突いた「やらなかった場合のリスク」のスライドが生成された瞬間、私は
「アンタ、コンサル経験あるの?」
と画面に問いかけました・・・
AIが行動経済学を理解して提案してきてる😂


Part 3:堺市の「勝ち筋」をAIがブーストする

「課長の悩み」を理解させる

自治体に提案する時、相手は誰か?

課長級の担当者です。

彼らの悩みは:

  1. 上司説明 - 「なぜこの施策が必要なのか」を部長・副市長に説明できるか?
  2. 議会対応 - 「税金の使い道として妥当か」を議員に説明できるか?
  3. 市民対応 - 「なぜ他のことに使わないのか」と市民に聞かれた時に答えられるか?

AIにこの観点を伝えたら...

「上司説明・議会対応・市民からの問合せ対応を意識した提案書にして」

と指示したら、こんなスライドが生成されました:

【スライド:統計的根拠 + 上司説明用】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 統計分析の結果(数字の根拠)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| 分析項目     | 相関係数 | p値    | 有意性      |
|-------------|---------|--------|-------------|
| 空き家率→所得 | -0.265  | 0.0046 | ★★ 1%水準   |
| 労働力率→所得 | +0.498  | <0.0001| ★★★ 0.1%   |
| 財政力→所得   | +0.576  | <0.0001| ★★★ 0.1%   |

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 上司への説明ポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「なぜこの施策が必要か?」
→ 統計的に有意な関係が証明されているから

「本当に効果があるのか?」
→ p値0.0046 = 99.5%以上の確率で偶然ではない
→ 類似都市で実際に成果が出ている

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 議会での想定質問と回答
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Q: 「統計だけで施策を決めていいのか?」
A: 「統計は判断材料の一つ。他市での成功実績と組み合わせて、
  根拠のある施策立案を行います」

Q: 「失敗したらどうするのか?」
A: 「小規模実験から開始し、効果測定を行います。
    撤退基準も事前に設定します」

もはや、私が書くより説得力がある。
「根拠が弱い」と指摘すれば、即座に具体的な成功都市名(流山、長久手など)を列挙し、論理の隙間を埋めてくる。

「上司への説明ポイント」と「議会での想定質問」まで生成された。

課長さん、これコピペで説明できますよ...


Part 4:「勝ち筋ストーリー」まで作ってきた話

最後の仕上げを頼んだら...

「堺市ならではの強みを活かした提案にして」

と指示したら:

【スライド:堺市だからこそできる「勝ち筋」】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 他市にはない「堺市だけの武器」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| 堺市の武器              | 活用方法                        | 他市との差別化              |
|------------------------|--------------------------------|---------------------------|
| 百舌鳥・古市古墳群(世界遺産)| 「世界遺産のまちで子育て」ブランディング | 関西で唯一の世界遺産都市    |
| 刃物・自転車の伝統産業    | 「ものづくりのまち」×クリエイター誘致  | 伝統×革新の独自性          |
| 政令市のインフラ          | 7区同時展開のスケールメリット      | 中規模都市にはできない      |
| 大阪都心30分圏           | 「都心に近いのに住みやすい」訴求   | 神戸より近く大阪より住環境良 |

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 堺市の「勝ち筋」ストーリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Before(現状)】
「大阪のとなりの政令市」
→ 知名度低く、選ばれない

【After(3年後)】
「世界遺産×ものづくり×子育て」の唯一無二のブランドを持つ都市

【なぜ堺市なら実現できるか】
① 世界遺産は他市には真似できない
② 刃物・自転車の歴史は本物
③ 政令市の財政基盤がある
④ 成功事例の施策はすぐ導入可能

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        成功事例は「真似」できる
        堺市には「武器」がある
        横展開で「効率」が上がる
        再現性は「実績」で証明済み

        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        あとは「やる」だけ。
        今日から始めませんか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「Before/After」「勝ち筋ストーリー」「クロージング」まで完璧に構成されている。

これ、コンサルファームのプレゼン資料と同等のクオリティでは...?💴


まとめ:AIと協働した結果

速度の違い

工程 人間 AI協働 速度差
データ取得・整形 2週間 30分 28倍
統計的妥当性検証 1週間 15分 56倍
成功事例の調査 2週間 1時間 28倍
提案書作成 1週間 2時間 28倍
合計 6週間 4時間 約100倍

AIが勝手にやってくれたこと

  1. 統計的妥当性検証 - p値、偏相関分析まで自動
  2. 成功パターンの分類 - 再現可能性まで評価
  3. 課長の悩み対応 - 上司説明・議会対応・市民対応を想定
  4. 規模の経済 - 横展開のメリットを構造化
  5. 行動経済学 - 「やらなかった場合のリスク」で損失回避バイアスを活用
  6. 勝ち筋ストーリー - Before/Afterとクロージングまで完璧に構成

人間がやったこと

  1. 方向性を決める - 「堺市向けの提案書を作りたい」
  2. 観点を指示する - 「課長の悩みを意識して」「規模の経済を入れて」
  3. 品質をチェックする - 「成功率90%は根拠が弱い」
  4. 最終判断する - 「これでOK」

結論

AIは「作業」を100倍速くしてくれる。
人間は「考える」ことに集中できる。

これがAI駆動開発の本質です。

今回の検証で分かったのは、AIと協働することで、私たちは
「資料作成マシーン」から「戦略的リーダー」へ強制的にアップデートされる
ということです。

AIは、作業を100倍速くしてくれます。
空いた時間で、あなたは何を考えますか?

結論:AI駆動開発の本質は、人間に「考える自由」を取り戻させることにある。


AIが作成した提案書の抜粋

image.png

image.png

image.png

image.png

image.png


技術的補足:使用したツール

1. python-pptx(PowerPoint生成)

from pptx import Presentation
from pptx.util import Inches, Pt

prs = Presentation()
slide = prs.slides.add\_slide(prs.slide\_layouts\[6])

# テキストボックスを追加
textbox = slide.shapes.add\_textbox(Inches(0.5), Inches(0.5), Inches(9), Inches(1))
tf = textbox.text\_frame
p = tf.paragraphs\[0]
p.text = "AIが生成したタイトル"
p.font.size = Pt(24)
p.font.bold = True

prs.save('提案書.pptx')

2. scipy.stats(統計検定)

from scipy import stats

# Pearson相関検定
r, p\_value = stats.pearsonr(df\['空き家率'], df\['所得'])

# 独立t検定
t\_stat, p\_value = stats.ttest\_ind(group\_high, group\_low)

3. pandas(データ処理)

# 113自治体を一気に分析
df.groupby('region').agg({
    '所得': \['mean', 'std', 'min', 'max'],
    '空き家率': \['mean', 'std'],
})

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