13
14

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

TypeScript+Gulp+jQueryで開発環境を構築

Last updated at Posted at 2016-07-03

やること

TypeScript, Gulp, jQueryを組み合わせて、簡単なWebアプリケーションを作ってみます。

前に、TypeScript+Gulp+WebPack+jQueryで開発環境を構築という記事を書きましたが、今回はWebPackを使わずにやってみました。
それによってTypeScriptの書き方が少し変わっています。

TypeScriptは型が書けたりクラスが書けたりするAltJS(コンパイルしてjsにして使用する物)です。
TypeScriptはコンパイルしてjsにすることで、ブラウザで使用できるようになります。

入門書としては以下がオススメです。
TypeScriptリファレンス Ver.1.0対応

少し古い内容になっているので、以下も合わせてご覧ください。
TypeScript早わかりチートシート【1.5.3対応】

今回使う他のツールです。

  • Gulp: タスクランナーです。Gruntよりも最近は人気があります。
  • jQuery: 説明不要かと思いますが、楽にjsが書けるライブラリです。

開発環境

  • Windows 7
  • TypeScript 1.8
  • コマンドプロンプト(以下コマンドはコマンドプロンプトで入力します)

Node.jsをインストール

TypeScriptはnpm(Node Package manager)でインストールが出来ます。
まずはNode.jsをインストールします。

これでnpmが使えるようになります。

プロジェクトの作成

まずは任意のディレクトリを作成し、その中で以下コマンドでプロジェクトを作成します。
-yオプションをつけないと、各種項目について都度聞かれます。
-yを付けずにそのままEnterを連打してもかまいません。

npm init -y

実行するとpackage.jsonが出来上がります。
後述しますが、このファイルに記載されたライブラリ全てをnpm install
インストールできるようになりますので、他の人に配布時に環境構築が簡単にできます。

ディレクトリ構成

今回は以下のようなディレクトリ構成を実現します。
TypeScriptファイルはtsディレクトリに置き、コンパイルしたjsはdist/jsに置きます。

dist
└── js
    └── app.js
node_modules
└── gulp-webpack
├── jquery
└── typings など
ts
├── app.ts
├── model.ts
└── config.ts
typings
├── globals
└── index.d.ts
gulpfile.js
index.html
package.json
tsconfig.json
typings.json

各種モジュールのインストール

npmで必要な各種モジュールのインストールをします。

以下はグローバルにインストールします。
-gがグローバルにインストールするオプションです。

npm i -g typescript typings gulp 

以下はローカルにインストールします。

npm i -D gulp gulp-typescript gulp-sourcemaps gulp-rename gulp-uglify del jquery

これでnode_modulesディレクトリが出来ます。
各モジュールの説明です。

  • typescript: TypeScriptです。
  • typings: TypeScriptの型定義ファイルを管理します。
  • gulp: Gulpです。
  • gulp-typescript: GulpにおいてTypeScriptを使用するためのものです。
  • gulp-sourcemaps: Gulpにおいてソースマップを作成するために使用するものです。
  • gulp-rename: ファイルをリネームするためのものです。
  • gulp-uglify: jsを圧縮するためのものです。
  • del: ファイルの削除を行うためのものです。
  • jquery: jQueryです。

--save-devを付けるとpackage.jsonのdevDependenciesに記載されます。
npm installを実行すると、devDependenciesに書かれたライブラリがnode_modulesにインストールされます。
そのためgit管理からはnode_modulesディレクトリは外して問題ありません。

i -Dinstall --save-devの省略形ですので、このように書くことも出来ます。

--saveを付けるとdependenciesに記載されます。
--save-dev--saveの違いですが、はっきりと理解できていないのですが、
プロジェクトをgit cloneしてnpm installして使う場合はどちらでも同じように動くようです。
詳しく知りたい場合は以下をご参照ください。

msakamoto-sfのはてなブログ

なお、インストールされたモジュールはnpm lsで確認が可能です。
ただ、依存モジュールも全て表示されてしまいますので、
npm ls --depth=0と実行すると依存モジュールが除外され見やすいと思います。

不要なモジュールはnpm remove モジュール名でアンインストールが出来ます。

jQueryの型定義ファイルのインストール

TypeScriptでjQueryを使う場合、型定義ファイルというものを使います。
先ほどインストールしたtypingsを使って、jQueryの型定義ファイルをインストールします。

typings install dt~jquery --save --global

少し古い記事だと--ambientを使うよう書いているものもありますが、今は--globalを使います。

これでtypingsディレクトリtypings.jsonが出来ます。
使用する際は、typingsディレクトリのindex.d.tsを使います。

tsconfig.jsonの作成

以下のコマンドで、TypeScriptのコンパイル情報を記載する、tsconfig.jsonを作成します。

tsc --init

以下のように作成されます。

{
    "compilerOptions": {
        "module": "commonjs",
        "target": "es5",
        "noImplicitAny": false,
        "sourceMap": false
    },
    "exclude": [
        "node_modules"
    ]
}

outFilefilesを追加し、以下のようにします。

{
    "compilerOptions": {
        "module": "commonjs",
        "target": "es5",
        "outFile": "app.js",
        "noImplicitAny": false,
        "sourceMap": false
    },
    "files": [
        "ts/app.ts",
        "ts/model.ts",
        "ts/config.ts",
        "typings/index.d.ts"
    ]
}

なお、tscでコンパイルすると、以下のようなエラーが出ます。
moduleをamdにすれば解決しますが、以下エラーが出てもファイル出力自体はされているようですので、このまま進めます。

error TS6082: Only 'amd' and 'system' modules are supported alongside --outFile.

filesはデフォルト通りexcludeで指定する方法もありますが、
今回はfilesにコンパイルするファイルを指定してみました。
なお、これらは組み合わせは出来ません。
atom-typescriptを使うと、filesGlobを使ってパターンマッチで書くことが出来るようです。

filesGlobについて

各設定項目の説明です。

  • module: 外部モジュールのコンパイル方法を指定します。commonjs,amdなどを指定できます。
  • target: jsのバージョンを指定します。
  • outFile: jsを1つにまとめて出力するときに使用します。
  • noImplicitAny: trueにすると暗黙的なanyの使用を禁止します。
  • sourceMap: ソースマップファイルを作成します。

tsconfigの詳細はこちらをご覧ください。
TypeScript公式

tsファイルの作成

tsディレクトリを作り、その中にtsファイルを作っていきます。
config.ts, model.ts, app.tsの3つのファイルを作っていきます。

config.ts

Configというネームスペースを使用します。
ENVという定数をexportして、ネームスペースの外から参照できるようにします。

'use strict';
namespace Config {
    export const ENV = "dev";

}

model.ts

reference pathを書くことで、config.ts`を取り込み、Configというネームスペースが参照できます。

Modelというネームスペースを使用し、Personクラスをexportしてネームスペースの外から参照できるようにします。

/// <reference path="config.ts"/>

'use strict';

namespace Model {
    export class Person {
        constructor(private name:string = 'dummy') {
        }

        public getName():string {
            if (Config.ENV != 'production') {
                return this.name
            } else {
                return this.name + 'さん';
            }
        }
    }
}
export default Model;

app.ts

このファイルにメインの挙動を記載します。
こちらもreference pathを記載します。

/// <reference path="model.ts"/>
/// <reference path="../typings/globals/jquery/index.d.ts"/>

'use strict';

var user = new Model.Person("Mike");
$(() => {
    $("#name").html(user.getName());

});

gulpfile.jsの作成

プロジェクトルートに、Gulpの実行ファイルである、gulpfile.jsを作ります。

var gulp = require('gulp');
var ts = require('gulp-typescript');
var sourceMaps = require('gulp-sourcemaps');
var tsProject = ts.createProject('tsconfig.json');
var uglify = require('gulp-uglify');
var rename = require('gulp-rename');
var del = require('del');

var TS_SRC = './ts/**/*.ts';
var JS_DEST = './dist/js/';

var env = process.env.NODE_ENV;

gulp.task('clean', function() {
    del([JS_DEST]);
});

gulp.task('ts-compile', function() {
    if (env === 'production') {
        return tsProject.src()
            .pipe(ts(tsProject))
            .pipe(uglify())
            .pipe(rename({
                extname: '.min.js'
            }))
            .pipe(gulp.dest(JS_DEST));
    } else {
        return tsProject.src()
            .pipe(sourceMaps.init())
            .pipe(ts(tsProject))
            .js.pipe(sourceMaps.write('./'))
            .pipe(gulp.dest(JS_DEST));
    }
});

gulp.task('cp-lib', function() {
    gulp.src('node_modules/jquery/dist/jquery.min.js')
        .pipe(gulp.dest(JS_DEST))
});

gulp.task("watch", function(){
    var watcher = gulp.watch(TS_SRC, ['ts-compile']);
    watcher.on('change', function(event) {
        console.log('File ' + event.path + ' was ' + event.type + ', running tasks...');
    });
});

gulp.task('default', ['ts-compile', 'cp-lib']);

gulpは実行時に引数を与えることが可能で、上記taskの第一引数に相当します。
gulp webpackと実行した場合は、上記のtask('webpack'~が実行されます。
gulpと実行した場合は、defaultと見なされます。

今回は以下のようなタスクを定義しました。

  • clean: delを使って、jsファイルを削除します。引数は配列形式で複数のディレクトリの指定が可能です。
  • ts-compile: tsファイルをコンパイルします。
  • cp-lib: jQueryをdistにコピーします。
  • watch: tsファイルを監視し、変更されたら、webpackコマンドを実行します。

NODE_ENVの値がproductionであれば、gulp-uglifyを使ってjsを圧縮し、
gulp-renameを使って、ファイル名をapp.min.jsにします。

それ以外なら、ソースマップを出力します。
Windowsの場合、コマンドプロンプトで set NODE_ENV=production と打つことで設定出来ます。
tsconfig.json"sourceMap": falseと記載しましたが、こちらの方が優先されるようです。

ここでは設定せず進めます。一番最後まで終わった後に試してみます。

index.htmlの作成

プロジェクトルートに、ブラウザでアクセスするファイルを作成します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="utf-8">
    <title>TypeScriptのテスト</title>
    <script src="dist/js/jquery.min.js"></script>
    <script src="dist/js/app.js"></script>
</head>
<body>
<div id="name"></div>
</body>
</html>

なお、NODE_ENV = productionを設定して実行した場合には、app.min.jsが作成されますので、
読み込みを変更します。

動作確認

Gulpの動作確認

プロジェクトルートで、gulpを実行します。
distディレクトリが作成され、その中にjs/app.jsが作成されれば成功です。

ブラウザで動作確認

Mikeと表示されれば成功です。

NODE_ENV=productionで試してみる。

以下を実行します。

SET NODE_ENV=production

index.htmlのapp.jsの参照をapp.min.jsに変更します。

gulpを実行します。

index.htmlを表示し、同様に表示されればOKです。

13
14
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
13
14

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?