Rancher2.2の新機能としてMulti-Cluster App機能が追加されます。これまでRancherでは、管理下にある各kubernetesクラスタごとにカタログ機能からアプリケーションをデプロイすることができました。このMulti-Cluster App機能は、管理下にある各kubernetesクラスタに対して一括でカタログ機能からアプリケーションをできるようになります。
2019年2月現在、Rancher2.2 Tech Previewとして試すことができます。
RancherUIからAKS,EKS,GKEと連携して、kubernetesクラスタを構築してカタログ機能からWordPressをMulti-Cluster App機能を利用して一括デプロイを試してみます。
検証構成図
Rancher Version:v2.2.0-alpha6
Multi-Cluster App
RancherでAKS,EKS,GKEにkubernetesクラスタを構築したところから説明していきます。
上部メニュー「Catalogs」を選択して、Helm Stableを「Enabled」に変更します。
上部メニュー「Multi-CLuster Apps」を選択して、「Launch」ボタンを押下します。
検索フィールドで「word」と入力して、wordpress(from Library)の「View Details」ボタンを押下します。
以下の設定を行って、最後に「Launch」ボタンを押下します。
Name:wordpress
Add Targetボタン:2回押下
aks-kubernetes-cluster:Default
eks-kubernetes-cluster:Default
gke-kubernetes-cluster:Default
WordPress Password:wordpress
MariaDB Password:mariadb
Expose app using Layer 7 Load Balancer:False
WordPress Service Type:L4 Balancer
プルダウンによるAKS,EKS,GKEのkubernetesクラスタとNamespaceを選択することで、一括デプロイを実現しています。
しばらくすると「Active」と表示されて、AKS,EKS,GKEのkubernetesクラスタ上にWordPressのデプロイが完了となります。
以下、443/tcpまたは80/tcpをクリックするとWordPressにアクセスできます。
以下管理画面のログインページでUsername:user、Password:wordpressと入力することでログインできます。
https://グローバルIPアドレス/wp-login.php
http://グローバルIPアドレス/wp-login.php
RancherでAKS,EKS,GKEと連携して、RancherUIから各マネージドkubernetesクラスタに対して、カタログ機能からWordPressをデプロイしてみました。Rancherのカタログ機能はHelmベースなのでオリジナルに作成したHelm ChartをRancherにオリジナルカタログとして登録することで、オリジナルアプリケーションも一括でマルチkubernetesクラスタにデプロイできることになります。
また、Rancher2.2からEKS東京リージョンも利用できます。今回のalpha版でも東京リージョンを利用してみました。
マルチクラウドからマルチkubernetes、クラウドネイティブからkubernetesネイティブな未来があるとするならば、Rancherで一括管理というのも一つ選択枠かもしれません。