他にも画像付きだったりしてわかりやすい記事はあるのですが、リリースしようと思い立ってから実際にストア公開まで手順が1箇所にまとまっているエントリが無いのでまとめてみました。
無料アプリですが、実際にこの手順でストアの審査を通っています。
環境: Unity 2018.1.5f1 (64-bit) Personal / OculusUtilities(1.26.0 2018/06/20)
概要
リリースの種類
Oculus公式からアプリを公開する手段は、大きく分けて3種類ある。
ここでは「Oculusストア」のリリース手順を書く。
- Oculusストア:公式ストアで配布。ストアから選択するだけで、誰でもダウンロードできる。
- Oculusキー:開発者は「Oculusキー」という25文字のキーを発行できるようになる。この発行したキーを公式サイトに打ち込んだ人だけが、アプリをダウンロードできる。即売会で配布する場合などに便利(このキーを有料で販売しても問題ない)。審査が少しゆるい。
- リリースチャンネル:開発版を特定ユーザに評価してもらうための公開方法。開発者の指定したメールアドレスのユーザに対してのみ配布する。審査は無くapkのアップロードさえ成功させれば、配布が行える。
リリース流れ
-
リリースビルド(申請用のapk)を作成する。
-
デベロッパーサイトへ、アプリapkと必要なメタデータ(説明画像など)をアップロード
-
デベロッパーサイトでレビュー申請
-
審査待ち
以下のそれぞれが完了した段階でメールが来る。
- テクニカルレビュー:技術的ガイドラインを満たしているか審査
- コンテンツレビュー:アプリの洗練度、有用性の審査
- パブリッシングレビュー:リリース日、価格の調整
- リリース (ストア公開)
※一度審査を通って公開された後は、apkのアップデートに関しては再審査なしで行える。メタデータ(バナー画像、説明文、トレイラー動画等)に関しては更新時に審査が必要。
ストア申請手順
リリースビルドの設定 (初回のみ)
https://developer.oculus.com/ にログイン
Manage→新しいアプリを作成
「VR」および未所有商標の追加を避ける
「Oculus」という言葉は使わない
アプリの名前がすべてのロゴや視覚的なアセットに一致するようにする
Unityを起動
Tools>Oculus>Create store-compatible AndroidManifest.xml
Assets/Plugins/Android/AndroidManifest.xml が作成される
Assets/Plugins/Android/AndroidManifest.xmlをテキストエディタで開く
manifestの行を以下のように書き換え
<manifest xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
package="(1)"
android:versionCode="(2)"
android:versionName="(3)"
android:installLocation="auto"
>
(1)~(3)は、Edit→ProjectSetting→Player
OtherSetting の Identification の上3つと同じ値に書き換え
Edit > ProjectSetting > Player > Publishing Settings
Creae a new keystore ... : ON
Browse Keystore : 保存先を選択
Keystore password/comfirm : パスワードを決める(●2回目以降のリリースビルドに必要なので、控えておくこと!
Alias : Create a new key ……以下を入力後、あらためて作成したものを選択し、パスワードを入力
Alias -> Keyの名前
Password -> Keyのパスワードを入力
Confirm -> パスワードの確認
Validity (years) -> Keystoreの使用する年数を記入(50など長い年数を入れておけば問題ない)
First and Last Name -> 作者名
Organizational Unit -> 部署名(個人の場合は空欄で大丈夫)
Organization -> 企業名
City or Locality -> 会社の所在地を入力します。
State or Province -> 会社の市町村名を入力します。
Country Code (XX) -> 国のコードを入力します(日本の場合は、アルファベットで「jp」と記入します)
ビルド・アップロード (毎回)
File > Build Settings > Build
ビルド物を作成
https://dashboard.oculus.com/ へログイン
Manage > 自分のユーザ名 > アプリ名 > ビルドの管理
ビルドをアップロード
STORE→「...」→新しいバイナリをアップロード
アップロード後しばらくして、テストのステータスが「完了」になれば成功。
STOREではなくアルファ版やベータ版にアップロードすると、「リリースチャンネル」でのアプリ配布が行える。
申請情報の登録
https://dashboard.oculus.com/ へログイン
Manage > 自分のユーザ名 > アプリ名 > アプリを送信
※ここで「!」になっているセクションを入力していく。
-
要件
適当に登録 -
このアプリについて
適当に登録 -
コンテンツ評価
外部サイトのレーティング評価質問に回答する。「暴力的な内容を含むか」などの質問に答えて対象年齢を決める。 -
翻訳
アプリの説明を入力 -
アセット
以下のpng画像を用意する。
基本的に特別なソフトで作る必要はなく、Windowsペイントで作った画像でも審査は通った。
……が、ロゴについてだけは背景透過の必要があったので https://www.peko-step.com/tool/alphachannel.html で透過pngを作成した。
種類 | 英語名 | サイズ・備考 |
---|---|---|
ロゴ | LogoTransparent | 360~9000 x 1440 px(※背景は透過させる) |
アイコン | Icon | 512x512 px(※背景は透過せず、角丸にしない=正方形のみ) |
ストアカバーアート | - | ストアカバーアートは以下3種類を用意 |
横型 | CoverLandscape | 2560x1440 px(※下360px がストアのオーバーレイ範囲なので、ロゴを置かない) |
正方形 | CoverSquare | 1440x1440 px(※下360px がストアのオーバーレイ範囲なので、ロゴを置かない) |
縦型 | CoverPortrait | 1008x1440 px(※下360px がストアのオーバーレイ範囲なので、ロゴを置かない) |
VR画像(横型) | Small | 1080x360 px |
ヒーローアート | HeroArt | 3000x900 px (※幅:540+1920+540=3000 px, ロゴを置くときは中央に置く) |
スクリーンショット(5枚) | ScreenShots | 2560x1440 px |
-
価格設定と配信
無料の場合は不要。 -
アプリコンテンツのシェア
保存をクリック。
「審査を申請する」ボタンを押す。
ストア公開はしたくない場合(Oculusキーのみがほしい場合)は、「Oculusキーのみにしてください」と書いて送信。
以上。
ストア申請完了後から、リリースまでの流れ
審査を申請
↓
TechnicalReview テクニカルレビュー
1~2日。技術的ガイドラインを満たしているか。
機械的に判定されるアプリケーション要件を満たすかの確認。
機能、FPS確保テスト?
これを通過すると(次以降のレビューでリジェクトされても)「Oculusキーの配信」が得られる。
↓
ContentReview コンテンツレビュー
1~2日。アプリの洗練度、有用性の審査。
OculusStoreに並べられる品質かの確認
↓
PublishingReview パブリッシングレビュー
約2週間。
価格、スクリーンショット、メタデータ、Sotreガイドライン要件の確認
↓
リリース
PublishingReviewを通過すると、Oculus公式ストアにリリースされる
ストア公開後 更新版のリリースビルド作成方法
unityで以下設定を行ってビルドすると、更新版としてリリースできるapkが作成できる。
Edit > ProjectSetting > Player > Publishing Settings
Keystore password:控えておいたパスワードを入力
key > password: 控えておいたパスワードを入力
以下のバージョン情報を更新する必要あり。
AndroidManifest.xml
android:versionCode
android:versionName
Edit→ProjectSetting→Player
Version
BundleVersionCode
ストア公開後 デバッグ用のビルド作成方法
上記のストア公開用のビルド設定をしてしまったものをはunityからBuild&Runで実行することができなくなっている。
再びBuild&Runで動かせるようにするには以下を行う。
公式ストアからインストールしたアプリが入っている場合、
adb uninstall 《パッケージ名》
……でいったんアプリをアンインストール。
unityを開く
Assets/Plugins/Android/AndroidManifest.xml
……を削除
Edit > ProjectSetting > Player > Publishing Settings
Key: Unsigned(debug)
……に設定
File > Build&Run
……でunityからBuild&Runで実行できるようになる。
参考にしたURL
公式日本語ガイド
https://developer.oculus.com/blog/oculus-distribution-channel-guide/
https://developer.oculus.com/blog/app-submission-review-process-guide/
【Unity】GearVR アプリを Oculus Store に申請する(要件・仕様の概要)
http://fantom1x.blog130.fc2.com/blog-entry-258.html
OculusGoアプリのリリース用APK作成手順まとめ #OculusGoDev
https://qiita.com/m0a/items/126dd0186a3192ffd70c