請負や企業内利用を想定した、コードを外部に出さない設計の AI コーディングエージェント IDE「Teaspoon IDE」を作りました。
Teaspoon IDE とは
ファイルエクスプローラー、Monaco エディター、AI チャット、Git 操作、真の TTY 対応ターミナルが一体になった Electron 製アプリです。VS Code フォークでも拡張機能でもない、単体で動く独立アプリです。
AI がファイルの一覧取得・読み込み・検索・編集を複数ステップで自律実行するエージェントループを持ち、書き込み・差分編集・コマンド実行はすべて承認ダイアログ経由。チェックポイント/ロールバックで AI の変更だけを安全に取り消せます。
なぜ作ったか
実務で AI コーディングツールを使おうとして感じた不満がきっかけです。
- 守秘義務情報を外部サーバーに送りたくない — 請負業務での成果物作成など、企業内での利用を考えると、コードやエンジニアリングの知見がベンダーのサーバーを経由する設計は避けたかった
- VS Code 拡張の呪縛 — 拡張機能は他の拡張と組み合わせられて便利な反面、GitHub Copilot との干渉・競合に悩まされます
- 入門者に分かりやすい UI が欲しい — AI エンジニアリングの入門者には、エクスプローラー・エディター・コンソール・AI チャットが独立したペインとして見えている方が圧倒的に分かりやすい
- 承認なしの書き換えは認知負荷が高い — AI が勝手にソースを書き換えると、レビュアーである人間の負担がとんでもないことになる。だから承認ダイアログとロールバックを必須にしました
- DinD 前提のツールは導入ハードルが高い — Docker-in-Docker で動く便利な OSS エージェントもありますが、入門者には辛い。単一 exe で動くものが欲しかった
- 高い課金ができない組織もある — 人月ビジネス脳から抜け出せない経営層の組織では、月額サブスクの AI IDE の導入自体が難しいのが現実です
ないものは作ってしまえ、ということで AI を使って 3 日以内で作りました。
特徴
- アプリ自体は無料(BYOK) — Gemini API キーを自分で持ち込む方式。月額サブスクリプションも API 料金へのマージン上乗せもありません。使った分だけ Google に直接支払います
- 完全オフライン動作 — Ollama + Gemma などのローカル LLM を選べば、通信先は localhost のみ。コードが外部に出ません
- テレメトリーなし — 外部通信は自分が設定した LLM エンドポイントへのリクエストのみ。ソース公開なので「何が送られるか」を自分で検証できます
- 低コスト — Gemini の安価な Flash 系モデルにフォーカス。2026年末まで Gemini 3.8 Flash は通常価格の半額の導入価格で提供中です
- 安全な書き込み制御 — 書き込みはプロジェクト内に限定。作成・差分編集・コマンド実行はすべて承認制
- LiteLLM プロキシ対応 — 本物の API キーをクライアントに置かない運用も可能
- トークン節約設計 — ファイルツリーだけを先に送り、中身は AI が GREP/READ_FILE で必要分だけ取得します
技術スタック
Electron / React / TypeScript / Monaco Editor / Gemini API・Ollama / Vite
ライセンスについて
FSL-1.1-MIT(ソース公開型)です。MIT とは少し違いますが、通常の利用は無料で自由です。
- できる: ダウンロード・利用(個人・業務問わず)、改造・カスタマイズ、社内ツールとしての導入、ライセンス条文と著作権表示を残した上でのフォーク・再配布
- できない: Forger と競合する商用製品・サービスとしての利用(例: リネームしたクローンの販売)
- 各リリースは公開から 2 年後に自動的に MIT ライセンスへ移行します
今後の予定
PDF・画像認識、ローカル LLM 利用時の安定性向上、チャット機能の強化などを考えています。
設定方法(Gemini API キー、Ollama、OpenAI 互換 API など)はサイトのガイドにまとめています。
https://cuculhart.com/teaspoon-howto.html
フィードバック・不具合報告は GitHub Issues でお願いします。
https://github.com/cuculhart/teaspoon-ide/issues