FreeCADとは何か
― 設計をコードで記述するためのCAD
前回の記事では、
GUI CADから脱却し、設計をコードとして記述・再利用する
という考え方について述べました。
では、その考え方を実際に試すには
どのCADを使えばよいのか?
本記事では、その答えの一つとして FreeCAD を紹介します。
なぜFreeCADなのか
FreeCADを選ぶ理由は「無料だから」ではありません。
本質的な理由は以下です。
- Pythonが 第一級言語 として組み込まれている
- GUI操作が Pythonコードとして記録・再現できる
- パラメトリック設計を前提にしている
- 内部構造が比較的オープンで、設計意図を追いやすい
つまりFreeCADは、
「形を描くCAD」ではなく
「形を生成するルールを記述できるCAD」
という性格を持っています。
GUI操作とコードの関係
FreeCADでは、GUIで行った操作の多くが
Pythonマクロとして再生可能です。
これは非常に重要なポイントです。
- GUI操作 = ブラックボックス
- Pythonコード = 設計意図が明示された記述
という関係が自然に成立します。
GUIで形を作り、
それを コードに落とし、再利用・一般化する
という流れが取りやすいのです。
実際の画面例
以下は、FreeCAD上で
Pythonコードから生成されたモデルの例です。
この形状自体は単純ですが、重要なのはそこではありません。
- この形は「操作の結果」ではない
- パラメータとコードの実行結果として生成されている
- 数値を変えれば、同じルールで別形状が得られる
という点に価値があります。
商用CADとの関係
FreeCADは、商用CADを否定するものではありません。
- 最終成果物は商用CADで仕上げる
- 量産図面・公差管理は商用CADに任せる
- 設計検討・形状生成・試行錯誤をコードで行う
という住み分けも十分に現実的です。
FreeCADは「置き換え」ではなく、
設計プロセスの前段を変える道具と捉えるのが適切です。
次回予告:コードで形を作る
次の記事では、
- FreeCAD上で
- GUIを極力使わず
- Pythonコードだけで形状を生成する
という具体例を示します。
そこでは、
- 寸法変更=再設計ではなく「再実行」になること
- 設計が“操作”から“記述”へ変わる感覚
を、実例として確認していきます。
まとめ
- FreeCADは「コード設計」と相性が良い
- Pythonが設計言語として自然に使える
- GUI操作とコードが地続きになっている
- 設計を再利用可能な資産として扱える
FreeCADは万能ではありませんが、
設計をコード化するという考え方を試すには、非常に適したCADです。
補足
本記事は、設計をコード化する流れを理解するための
前提知識として FreeCAD を紹介しています。
ライセンスや具体的な利用条件については、
公式ドキュメントおよび本家ページをご参照ください。
※ 本記事は特定の製品・ライセンスの利用を制限するものではありません。
