売上(単価)を増やしたい!
お待たせしました、売上をどうやって増やしていくかという記事です。
自分が会社員時代にフリーランスを採用していたのを思い出して実経験中心に書いています。
この記事を先に読みたい方、できるだけ「2.現状把握と生活防衛費」を先に読んでからこの記事を読んでください。
家計管理をしっかりしていない状況で収入が増えると「パーキンソン効果」「ラチェット効果」により経済的自由が遠のいてしまいます。
目次
1.直営業かエージェント経由か
- 直営業なら中抜きなし!いっぱい売上伸ばせるぞ!なのか?
2.単価と仕事の難易度は一致するとは限らない
3.安易な妥協は生涯年収を大幅に下げる
4.一方で空白期間は案件獲得にマイナス
5.空白期間を避けて希望単価で受注するには
6.単価交渉は事前の準備が大事 エージェント任せにしない
・予算策定期間を考慮した交渉を
・単価交渉をスムーズに進めるには
7.経済的自由に必要な単価はどれぐらいか
1.直営業かエージェント経由か
よく議論になる項目ですね。Xあたりでは「エージェントだと中抜きが~」というポストをよく見てます。
確かに何もしてないのにお金を抜き取られていると思うとツラいよね。
(本当に何もしてないのかの考察はあとで)
直営業なら中抜きなし!いっぱい売上伸ばせるぞ!なのか?
そもそも論として、少なくとも会社でPM,PLやってたころの私は、基本的に元社員or社員からの紹介でなければ直接発注することはなかったです(直契約は業務委託より新卒や中途採用で雇用)。
発注側(PLやPM)の立場だと、正直フリーランスの採用に時間を余り掛けたくないんですよね。エージェント経由だとそこまで外さない(外した人も来ますが)のと、スキルシートのフォーマットが揃っている点、個別に発注可否を連絡しなくてもよい点などエージェントを使うメリットがかなり大きいです。
発注側の立場で考えると直営業って紹介を中心に、よっぽど飛びぬけてないと成り立たないのかなと思います。直営業でフリーランスやっている友人もいますが、結局元居た会社に業務委託で雇用しなおしという形になっていますね。
受注側(フリーランス)の立場で考えても、直営業の場合は相手企業の需要とスキルと単価が一致しているか確認する必要があります。
今募集があるのか、使っている技術はマッチしているのか…1つ1つ探すのは現実的には難しい。
この現実的に難しいことを実現してくれるのがエージェントということになります。
あと、単価交渉とか人間関係に影響する内容を穏便に進められるのがかなりデカいメリットだとも感じています。
そんな訳で、直営業かエージェントかというと、僕は「良いエージェントを見つけて売り上げを増やす」方針にしています。昔は直営業したい!と正直思っていましたが現実を見て調子乗っていたことを理解しました…
もちろん、エージェント経由でも経済的自由を目指せる収入は得ることが可能です。
あと、中抜き云々は会社とフリーランスの間の話で、目の前にしているエージェントは1人のサラリーマンです。どこのエージェントでも結構過酷な仕事をされているようなので、暴言は吐かず労わってあげてください…
2.単価と仕事の難易度は一致するとは限らない
自分が発注側だったころは、会社の方針で、相場より低めの金額で募集していました(すまぬ)。エージェントに伝えて「なるほど…(沈黙)」と言われてたり。
でも、そんな金額でも優秀な人が集まるんですよね。
発注する側からすると、発注金額と人の優秀さは一致しないと感じていました。
確かに経験1~2年の人より15年の人の方が優秀です。が、それほど発注額が変わらなかったりするんですよね。
こんな金額で働かせて申し訳ない、と思いつつ利益を出さないといけないのでそのままの金額で最後まで働いてもらったこともありました。
なので、発注側の予算が単価決定の基準となります。いくら優秀でも発注側の予算が低いと希望額には届かないことがおきます。
なので単価が安いから楽な仕事とは限らないので(むしろ予算がない会社でこき使われるリスクもあり)中途半場に妥協するよりも、希望額を出してくれる現場に入ることが大事です。
希望額や受注額はエージェントに言われるのではなく、自分で決める意識が大事です。
3.安易な妥協は生涯年収を大幅に下げる
案件契約時の単価は本当に大事です。
60万円と70万円で半年案件をこなして、次の案件でステップアップするとしましょう。その際、10万円アップで受注できたとすると次の案件は70万円と80万円になります。つまり、最初の10万円の差がずっと続いてしまうのです。
転職でも同じですが、前回の案件が次回の受注額に影響がでます。
単価10万円の差が20年続くとすると、2,400万円の差になります。
単価10万円が将来の数千万円の差に繋がると考えると、安易な妥協はすべきでないという考えが伝わるかと思います。
長期案件で単価交渉がある場合も最初の案件から〇円アップとなり、同じことが言えます。
実績に見合わない高単価にこだわる必要はありませんが、安易な妥協はその後にも影響が出ることはしっかり認識したほうが良いかと思います。
4.一方で空白期間は案件獲得にマイナス
案件の空白期間は気にする発注先さんが多いようです。「誰も雇ってくれなかったんじゃないか」と思われるとか…
このことを考えると、希望単価で受注できることも大事ですが、断り続けて案件の空白期間を作ることも避けないといけません。(この点は自分でサービス開発していたとか何かしら言える気もしますが)
5.空白期間を避けて希望単価で受注するには
・エージェントを複数契約する
相見積で一番希望額に近いエージェントの案件を中心に受けます。
私の実例では、想定単価で20万円/月の差がありました。
もちろん一番単価の高いエージェントを利用し、ほぼ同額で受注しました。
(これは自己評価と同じ単価でした)
・既に契約済みなら、エージェントとのホウレンソウをこちらから行い、早い時点で次の仕事を紹介できるようにする
今のエージェントが受注後のケアにも力を入れているタイプのエージェント(同じ会社でも人の差も大きい)なら、他のエージェントには相場を聞く程度に留め、今のエージェントから継続して受注することを考えていきましょう。
・追加人員の話があるなど、営業に繋がる話があれば報告しておく
エージェントと自分のWIN-WINを目指すことが単価アップにおいては大事だと考えます。GIVE&TAKEの考えですね。
6.単価交渉は事前の準備が大事-エージェント任せにしない
複数年にわたる長期案件の場合、単価交渉を行う場合もあります。
業務委託は年間で見ると高額なため、上位者の承認が必要な契約になりがちです。なので、最終的に判断するのは結構偉い人(発注元のPMの上にあたる本部長など)になることもあります。
また、2次3次請の場合、クライアントまでいかずに商流の途中で吸収する場合もあります。
・予算策定期間を考慮した交渉を
単価を増やす場合、予算を確保する為にPLやPMが稟議や予算計画で発注予算を組むことになります。この際、次の予算案策定のタイミングで単価を増やすのが現実的です。
私が見てきた会社だと、決算月の半年前ぐらいに予算策定が始まり、3~5か月ぐらい前に予算が決まることが多かったです。
4月はじまりだと12月に予算案、1月に予算確定という感じでしょうか。この新しい年度で単価アップ分をねじ込む形になります。
来月からとか、急な単価アップの要求は稟議がかなり大変なのでPMが泣きそうになります。この仕事を別途頼む必要が出てきたとか喫緊の理由を通す必要が出てきます。
そこまでするのは中々辛いので、せめて次の修正予算まで待って、みたいなことを言い出します。
なので半年ぐらい前から「次の年度からお願い」、とか「下期からお願い」、みたいに交渉すると「わかってる人」だと思われます。
・単価交渉をスムーズに進めるには
この辺りは営業力がモノをいいます。PM,PLとの人間関係など発注権者と仲良くできるかが大事です。(正直相性や案件の利益状況もあるので運の要素も大きい)
大前提として成果を出し、貢献を認めてもらうことは大事です。時間下限ギリギリしか働かないというポリシーの人はまず単価アップは見込めません。
具体的には十分成果を出している状態で、飲み会などで褒めてもらったときに「来季の予算で少しでも色をつけてくれれば~」とか冗談で軽く言ったり、「実は交渉入っているのですみませんが何卒~」とか言えるぐらいなら、なんだかんだ言って結構スムーズに通るような気がします。(もちろん交渉はエージェントを通すのが大前提)
エージェントに任せるだけだと相手も心の準備ができてなかったりするので難易度が上がる気がします。
一旦ここまでが売上を増やす方法になります。
どの職種やスキルが良い、みたいな話は他のメディアでよく書かれているので割愛しますが、スキルより仕事に対する姿勢や柔軟性の方が私は単価への影響が多いと思います。
出来る人は必死で足りないスキルをキャッチアップしますからね。
7.経済的自由に必要な単価はどれぐらいか
サイドFIREに必要な金額を6,000万円として、そこまで資産を増やすのに何年必要か、単価別に計算してみました。
ざっくりの想定手取りの70%で生活、年利7%で投資するとして6,000万円を目標とする場合
単価(税込) | 年収(税込) | 手取り | 毎年の投資額(万) | FIREまでの年数 |
---|---|---|---|---|
60 | 720 | 510 | 153 | 20 |
70 | 840 | 590 | 177 | 18 |
80 | 960 | 670 | 201 | 17 |
100 | 1200 | 820 | 246 | 15 |
手取りはざっくりと下記で計算(39歳以下、独身で計算)。
もちろん人によって上下あり。
https://www.mmea.biz/simulation/solo_calculation/
具体的な投資の福利効果は年金終価係数で計算できます。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1428890934
上記の表から、20年掛けれるのであれば60万/月以上あればFIREは可能といえます。
と言っても中々20年は時間が掛かりすぎて厳しいと思います。
一方で単価60万の70%で月30万円ぐらいの生活を維持したまま、単価80まであげると
毎年313万円の投資が可能です。これだと13年になります。13年なら現実的に夢を持てる人も多いのではないでしょうか。(ちなみに単価100まで上げて月30万生活なら10年でFIRE可能)
ネットでは単価120万とか150万という情報がありますが、正直単価100万以上は結構大変な気がします。(超過勤務しまくりなら可能かもしれません)
少し古いですが、2019年のフリーランス白書によると、年収1,000万を超えるフリーランスエンジニアは10%程度という結果も出ています。単価が上昇傾向とは言え、やはり単価80万over≒1,000万が一つの目標になるかと思います。
大体4,000~6,000万程貯めると、不労所得4%ルールで月13万円~月20万円が理論上は手に入ることになります。(実際は貯金全額を投資に回せないのでもう少し少なくはなる)
これをベースに週3や好きかどうかを優先に必要な年収を補うという生活になります。老後が近づけば少ないながらも年金があるので、その分を見越して少し取り崩していってもよいと思います。
以上が売上に関する内容となります。
フリーランスは会社員より老後の年金や安定性で不利な一方、今の手取りが増えるという傾向があります。その傾向を最大限生かして、老後より前の段階で経済的自由を実現してしまいましょう!
次は、会社員と比べたフリーランスのデメリットをどう対策するかを書いていきたいと思います。では、皆さん良いエンジニアライフを!!