生成したBGMをアプリや動画に組み込むとき、曲単体を聴いて「良い感じ」だけで採用すると、実際の画面では問題が出ることがあります。ナレーションが聞き取りにくい、ループの継ぎ目が目立つ、通知音を隠す、といった問題です。
ここでは、AIで作ったBGM候補を利用場面に合わせて判定するためのテスト項目を整理します。特定モデルの品質比較や実測結果ではありません。私は Creatune AI のチームメンバーですが、手順は音源の作成サービスを問わず使えます。
生成前に受け入れ条件を書く
まず「採用できる音」の条件を、試聴前に決めます。例はナレーション付きの短い説明動画です。
| 項目 | 今回の条件例 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 声 | 歌や話し声が入らない | 全編を聴く。設定だけで判定しない |
| 冒頭 | 説明の最初の一文を妨げない | 映像・ナレーションと重ねて再生 |
| 尺 | 編集する動画の長さに足りる | 実ファイルの再生時間を確認 |
| 終端 | 切り出しやフェードで自然に終えられる | 動画の終端に合わせて確認 |
| 使用条件 | 想定する公開・商用用途に合う | 生成時点のプランと利用規約を確認 |
「指定した秒数で必ず生成される」「インスト設定なら絶対に声が混ざらない」といった前提は置きません。合否は出力ファイルと利用条件で判断します。
曲単体ではなく、画面と一緒に試す
候補ごとに同じテストを行います。
- 通常の再生環境:スマートフォンのスピーカーとイヤホンで、同じ映像を再生します。低音だけで成立している曲は、小さなスピーカーでは印象が変わることがあります。
- ナレーションとの重なり:声が入る箇所を流し、言葉が聞き取れるか確認します。聞きづらい場合は、生成し直す前にBGMの音量やダッキングも試します。
- 通知・操作音との重なり:アプリで効果音を使うなら、その瞬間に効果音が埋もれないかを確かめます。
- ループと終端:繰り返し再生する用途なら、継ぎ目でクリック音や急な音量変化がないかを聴きます。短い動画なら、終端のフェードが不自然でないかを確認します。
ピーク値やラウドネスの数値は比較の助けになりますが、数値だけでは声との相性は決まりません。最終的には実際の再生場面で判定します。
比較の記録を残す
候補を「Aの方が良い」で終わらせず、次のように記録すると、別の担当者も判断を追えます。
| 候補 | 入力で変えた点 | ナレーション | ループ/終端 | 判断 |
|---|---|---|---|---|
| A | 基準の入力 | 実際に聴いて記入 | 実際に聴いて記入 | 保留/採用/修正 |
| B | 楽器だけ変更 | 実際に聴いて記入 | 実際に聴いて記入 | 保留/採用/修正 |
この表は記入例の空欄テンプレートで、実験結果ではありません。生成日時、モデルや設定、ファイルの識別子、利用規約を確認した日も併記すると、後から「どの音を、どの条件で選んだか」が分かります。
音源を作る入口
候補の作成にはどのツールを使っても構いません。私たちのCreatune 日本語AI音楽生成ページには、プロンプト入力、インストゥルメンタル設定、複数候補の試聴があります。この記事で紹介したのは生成後の採用判断であり、Creatuneで作れば上の条件を自動で満たすという主張ではありません。