はじめに
Web アプリケーションにおける store という概念の説明、Gemini の回答がわかりやすかったので掲載します。
以降、Google Gemini 2.5 Flash の回答です。
Storeとは?
Storeは、アプリケーション全体の共有されるデータ(状態:State)を一元的に管理する場所です。
例えるなら、アプリケーション全体でアクセスできる「中央のデータ倉庫」や「共有のメモ帳」のようなものです。
なぜStoreが必要なの?
Vue.jsのようなコンポーネントベースのフレームワークでは、データは通常、親コンポーネントから子コンポーネントへprops
を使って渡されます。しかし、アプリケーションが大きくなり、コンポーネント間の階層が深くなったり、遠く離れたコンポーネント同士で同じデータを共有したりする必要が出てくると、データの受け渡しが非常に複雑になります。
例えば、以下のような問題が発生します。
- プロップスバケツリレー (Prop Drilling): 親から子、さらにその孫へと、何層ものコンポーネントを介してデータを手渡ししていく必要があり、コードが読みにくく、メンテナンスしづらくなる。
- 状態の同期の困難さ: 複数のコンポーネントが同じデータを個別に持っていると、あるコンポーネントでデータを変更したときに、他のコンポーネントのデータも更新されていることを保証するのが難しくなる。
- デバッグの複雑さ: どのコンポーネントがいつデータを変更したのかを追跡するのが困難になる。
Storeは、これらの問題を解決するために登場しました。
Storeの主な要素
Storeは通常、以下の3つの主要な概念で構成されます。
-
State(ステート):
- Storeの中心となる部分で、アプリケーション全体の共有データそのものです。
- 例:ログイン中のユーザー情報、カートに入っている商品のリスト、テーマ設定(ダークモード/ライトモード)など。
-
Mutations(ミューテーション):
- Stateを変更するための唯一の方法です。Stateを直接変更することはできません。
- 同期的な操作のみを行い、Stateの変更履歴を追跡しやすくします。
- 例:
SET_USER_INFO
(ユーザー情報を設定する)、ADD_TO_CART
(カートに商品を追加する)など。
-
Actions(アクション):
- Mutationsをコミットするためのロジックや、非同期処理(API呼び出しなど)を行います。
- Stateを直接変更することはなく、必ずMutationsを呼び出してStateを更新します。
- 例:
loginUser
(ログインAPIを呼び出し、成功したらSET_USER_INFO
をコミットする)、fetchProducts
(商品APIを呼び出し、取得したデータをStateに反映する)など。
また、必要に応じて以下の要素も使われます。
-
Getters(ゲッター):
- Stateからデータを取得し、加工してコンポーネントに提供するためのものです。
- Stateを直接参照するのではなく、Gettersを介することで、データの再利用性やパフォーマンスが向上します。
- 例:
totalCartItems
(カート内の合計商品数を計算して返す)、isLoggedIn
(ユーザー情報からログイン状態を返す)など。
Storeを理解し活用することで、大規模なアプリケーションでもデータの流れが明確になり、開発効率とメンテナンス性が格段に向上します。