Claude CodeでExcel 35ファイルを一括処理したら、手作業6時間が30分になった話
はじめに
約1年前からClaude(Web版)でExcel関連の業務をいろいろやってきました。設計書の作成・更新、テストケース、顧客レポートなど。
複数シート・複数ブック間で数式を同期させるような、けっこう面倒なケースでも「まあまあ使えるな」という感覚でした。
ただ、先週やったタスクはちょっと次元が違ったので、共有させてください。
やりたかったこと
顧客のクラウド設計書に対するIAMロールのレビュー作業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象ファイル | Excelファイル 35個 |
| 各ファイルのシート数 | 5〜6シート |
| 各シートの行数 | 約120行 |
| 作業内容 | IAMロールの完全一致/部分一致検索、ロールのswap、不足ロールの検出 |
| アウトプット | 4ファイル |
要するに、35ファイルを横断的に検索・比較して、設計上のIAMロールの整合性をチェックする仕事です。
まず手作業でやってみた
最初の1ファイルを手動で処理しました。
かかった時間:2時間。
ひたすらCtrl+Fです。
残り3ファイルは構造がわかったので、たぶん4時間くらいで終わるだろうと。
合計 約6時間 の見積もり。
ここで思いました。
Claude Codeで試してみるか。
Claude Codeに投げた方法
プロンプト設計(所要時間:5分)
フォルダに35ファイル+手動で作った出力サンプル1ファイルを置いて、以下の3ステップで指示しました。
Step 1 — ルール定義:
IAMロールのnaming convention、出力フォーマット、検索ルール(完全一致 vs 部分一致)を明示。
Step 2 — コンテキスト説明:
各シートの構造(どの列がロール、どの列がリソース、どの列をswapするか)と、出力サンプルファイルを参照させて「このフォーマットで出して」と伝達。
Step 3 — タスク指示:
「35ファイル全体をスキャンして、ルールに従ってIAMロールをswap、不足分をflag、残り3ファイルをサンプルと同じ形式で出力して。」
ここで重要なのが、出力サンプルを渡した こと。「こういう形で出して」を言葉で説明するより、実物を1つ見せた方がはるかに伝わります。
驚いたのは「止まって聞いてくる」こと
Claude Codeは35ファイルを読み込んで、Pythonスクリプトを自動生成してバッチ処理を始めました。
ここまでは想定内。
想定外だったのは、不明点があると止まって確認してくる ことです。
ケース1:
12番目のファイルでヘッダーが1行ズレていた。
→ Claude Code:「このファイルは他と構造が異なります。処理方法を2つ提示しますが、どちらにしますか?」
ケース2:
27番目のファイルにconventionと完全一致しないロール名があった。
→ Claude Code:「このロールは部分一致です。swapしますか?それともレビュー対象としてflagしますか?」
いわゆる「エージェント的な検索」ですね。闇雲に処理するのではなく、uncertainなケースで判断を仰いでくる。
処理完了:15分。
検証プロセス
正直、15分で出てきた結果を信用できませんでした。
まず1/3だけ検証。1時間かけて1行ずつ確認。
全部合ってた。
運が良かっただけかもしれない。
残り2/3も検証。さらに2時間。
間違いなし。
厳密に言うと、2〜3箇所フォーマットが微妙に違っていました(フォント、罫線のスタイルなど)。ただロジックは完全に正しい。フォーマット調整は手動で10分程度。
時間比較
| 方法 | 所要時間 |
|---|---|
| 手作業 | 約6時間 |
| Claude Code(プロンプト5分 + 処理15分 + フォーマット修正10分) | 30分 |
| Claude Code + 全件検証 | 3.5時間 |
全件検証込みでも手作業の約半分。検証をスポットチェックに切り替えれば 12倍速 です。
そして精度の面でも、Ctrl+Fの手動検索はどうしても見落としが発生しますが、スクリプトによるセル単位のスキャンは漏れがない。速さだけでなく正確さも上。
Web版ではなくClaude Codeを使う理由
これ、けっこう大事なポイントです。
Claude Web版やデスクトップアプリでもExcel処理はできます。自分も1年間そうやってきました。
でもClaude Codeは根本的に違います。
| 観点 | Web版 | Claude Code |
|---|---|---|
| ファイル操作 | アップロード→結果受け取り | ローカルフォルダを直接操作 |
| ルール適用 | 毎回プロンプトで説明 | convention fileを読み込ませて永続化 |
| 処理フロー | 単発のやりとり | スクリプト生成→実行→検証→修正のループ |
| 複数ファイル連携 | 困難 | フォルダごと読み込み、cross-reference可能 |
Web版は「先生に答案を提出して採点してもらう」感覚。もらった結果を受け取るだけ。
Claude Codeは「コードが書けるインターンが隣に座っている」感覚。ブリーフすれば自分でスクリプト書いて、実行して、おかしいところは聞いてくる。
あと、AnthropicがGitHubで公開しているxlsx用のSKILLファイルを設定しておくと、Excelのベストプラクティスを最初から理解した状態で作業してくれます。ゼロから教える必要がない。
補足:Opus 4.6の所感
今回はOpus 4.6で実行しました。
2ヶ月前にSonnetで似たようなタスクを試したことがありますが、Sonnetだとファイル12番目のヘッダーズレのようなエッジケースをそのままスルーして処理を続けてしまう傾向がありました。Opusは「ここ、おかしくないですか?」と止まってくれる。
この差は、特に大量ファイルの一括処理では大きいです。
まとめ
今回の経験を通じて強く感じたこと:
Excel × 大量ファイル × ルールベースの検索・変換は、Claude Codeと極めて相性が良い。
開発者だけのツールではないです。日常的にExcelで複数ファイルのcross-reference、ルールに基づくチェック、レポート生成をやっている人なら、Claude Codeで作業が劇的に変わると思います。
同じようにExcelの大量処理をClaude Codeで試した方がいたら、ぜひコメントで共有してください。どんなケースでどのくらい効果があったか、気になります。