はじめに
6DSを商材として成立させるには、説明の順番と値付けの根拠を揃える必要があります。本稿では、提案書の型と価格設計の軸を整理し、再現性のある提案に落とし込みます。
1. 提案書の型を決める
判断材料の順番を揃えると合意形成が進みます。提案書は次の流れで構成します。
| セクション | 目的 | 成果物の例 |
|---|---|---|
| 背景と課題 | Whyの明確化 | 現状のリスク整理 |
| 6DSの提示 | 共通言語の形成 | 6ダイヤルの構造図 |
| アセスメント | As-Isの可視化 | ティア評価とギャップ |
| 目指す姿 | To-Beの合意 | 松竹梅の到達像 |
| ロードマップ | Howの具体化 | フェーズ別成果物 |
| 体制 | Whoの合意 | 役割分担と責任範囲 |
| 価格 | How muchの整理 | フェーズ別見積もり |
ポイントは、製品名を先に出さず、構造と判断軸を先に提示することです。
2. 価格設計の考え方
価格は「作業量×責任範囲」で説明できる形にします。6DSでは三層で設計すると整理が楽になります。
| 層 | 位置づけ | 価格の考え方 |
|---|---|---|
| アセスメント | 導入前診断 | 工数と説明資料の価値 |
| 導入・設計 | 変革の実行 | 対象ダイヤル数と運用設計の深さ |
| 運用・改善 | 継続の定着 | 月次レビューと改善頻度 |
価格帯の例は次の通りです。
| 規模 | アセスメント | 導入・設計 | 運用・改善 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 50〜100万円 | 300〜800万円 | 10〜30万円/月 |
| 中規模 | 100〜300万円 | 800〜2000万円 | 30〜80万円/月 |
| 大規模 | 300〜500万円 | 2000万円〜 | 80万円/月〜 |
無料PoCで判断を遅らせるより、有料アセスメントで判断軸を揃える方が次に進みやすくなります。
3. 契約形態の組み合わせ例
契約形態は目的に合わせて組み合わせます。
| パターン | アセスメント | 導入・設計 | 運用・改善 |
|---|---|---|---|
| SI型 | 成果物請負 | 成果物請負 | 月額型 |
| コンサル型 | 時間給型 | 成果物請負 | 月額型 |
| SES連携型 | 時間給型 | 時間給型 | 月額型 |
判断基準は次の通りです。
- 成果物が明確に決まるか:成果物請負が向く
- 伴走して一緒にやるか:時間給型が向く
- 長く付き合うか:月額型が向く
用語注釈
- 請負(成果物請負):完成品を約束する契約。成果物が決まっているとき向く
- 準委任(時間給型):やるべきことを説明するが、成果は保証しない。試行錯誤が必要なときに向く
- サブスク(月額型):毎月決まった額を支払う。長期関係向け
4. 価格交渉の論点整理
価格交渉で詰まりやすい論点を整理します。
| 論点 | 伝えるべき観点 |
|---|---|
| 高いと言われる | 何をやらないかを決める価値 |
| PoC希望が出る | 目的と判断基準の明確化 |
| 価格比較される | 構造と責任範囲の違い |
売る対象は製品ではなく判断軸です。この姿勢が信頼につながります。
おわりに
提案書の型と価格の軸が揃うと、6DSは再現性のある商材になります。次回はついに総集編。実践ガイドをご紹介します。