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現場で知った、OracleライセンスのAAR(サポート年次調整率)8%とTermライセンス20%の話

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はじめに

Oracleライセンスの契約更新や新規購入の際に、気をつけたいポイントがあります。
業務上での備忘録的な記事ですが、最近話題になっている以下の2点についてお伝えします。

  • AAR(サポート年次調整率)が8%に引き上げられた
  • Termライセンスが定価の20%で購入できる

本記事では、これらの変更がライセンスコストや運用に与える影響について、ビジネス寄りの視点で情報共有します。
正式な契約条件や適用範囲は、必ずOracleの営業さんに確認してください


AAR(サポート年次調整率)とは?

AAR(Annual Adjustment Rate)は、Oracleのサポート費用に毎年適用される調整率のことです。
以前は4%程度だったのですが、2023年6月以降、8%に引き上げられました

例えば、サポート費用が 100万円 の場合、AAR8%が適用されると翌年は108万円になります。
さらにその翌年は、108万円の8%増し=116.6万円 というように、複利で増加していきます。

年度 サポート費用(AAR 8%適用)
初年度 1,000,000円
2年目 1,080,000円
3年目 1,166,400円
4年目 1,259,712円
5年目 1,360,489円

投資などで福利の強さをご存じの方はピンとくると思いますが、約9年でサポート費用がほぼ倍増する計算になります。
長期的なIT予算を考える際には、この増加分を織り込んでおくことが重要です。

AARの注意点

  • 更新時に想定以上のコスト増になる可能性がある
    → 例年の増加率を前提に予算計画を組むと、突然の値上げで予算超過するリスクあり
  • AARの変更はOracle側で決定される
    → 企業側でコントロールできないため、契約前に最新のAARを確認する必要がある
  • 契約更新時にOracleの営業さんと交渉する余地がある場合も
    → 交渉によっては条件調整ができるケースもあるため、事前相談は必須

参考:Oracle年次保守料金値上げのお知らせ(2024年)


Termライセンスの価格について

Termライセンス は、一定期間のみ利用できるOracleライセンスです。
最近、Termライセンスは永久ライセンスの20%で購入できるケースがあるとの話を聞きました。

例えば、永久ライセンスが 1,000万円 のソフトウェアなら、
1年のTermライセンスは 200万円程度 で購入できます(ただし、別途サポート費用が発生)。

Termライセンスのメリット

  • 初期費用が安い(永久ライセンスの20%で導入可能)
  • 短期間の利用に適している(一時的なプロジェクトやシステム移行時の並行稼働など)
  • 長期契約を避けられる(契約終了後に不要なら、そのまま終了できる)

Termライセンスの注意点

  • 保守サポート費用も発生する
    → Termライセンスでも通常のサポート費用がかかるため、トータルコストを試算すべき
  • 長期間利用すると割高になる
    → 3~5年以上利用するなら、永久ライセンスの方が安くなる場合がある
  • 利用可能な製品や条件に制限がある
    → Oracle営業に事前確認し、適用対象かどうかをチェック

参考:システム更改におけるOracle Databaseライセンスの考慮点


実際の経験談

AAR適用で想定以上のコスト増

ある企業でサポート契約の更新時、「サポート費用が想定以上に高い」と問題になりました。
理由を確認すると、AARが4% → 8%に変更されていたためでした。
この結果、予算超過が発生し、追加承認を取ることに…

対策としては以下が重要
契約更新時にOracleの営業さんへ最新のAARを確認する
年間の増加額を考慮し、予算計画を立てる


Termライセンスの活用例

あるプロジェクトでは、旧システムと新システムの並行稼働のためにOracleライセンスが必要でした。
しかし、1年間のみの利用だったため、永久ライセンスを買うと無駄に。

そこで1年Termライセンス(20%価格)を活用し、コストを80%削減できました。
ただし、Termライセンスでも保守費用は別途かかるため、契約時にトータルコストを試算することが重要です。


まとめ

Oracleライセンスの契約更新や新規購入時には、以下の点をチェックしましょう。

AAR(サポート年次調整率)が8%に変更されているので、更新時の費用増加に注意
Termライセンスが20%の価格で購入可能なケースがあるので、短期利用には有利
契約前にOracleの営業さんと詳細を確認し、交渉の余地があるか相談する

本記事は「こんなことがあったよ」という情報共有です。2025年2月28日時点の内容です。
具体的な契約内容については、必ずOracleの営業さんに確認してください!

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