はじめに
今週は「Claude Codeのコンテキストをどう扱うか」「git worktreeは実務で本当に使えるのか」「46リポジトリを静的解析でつなぐとはどういうことか」という3テーマが気になって手を動かした。Rust製の軽量カーネル「maestro」も話題に出ていたので合わせて触れる。
Claude Code × tmux:役割ごとにセッションを分ける
Zennに「tmuxのタブごとにClaude Codeを立ち上げてコンテキストを分割する」という記事が出ていた。読んで「そうそうこれ」と思ったのが、実装・レビュー・調査を1セッションに全部詰め込むと /compact が走った瞬間に直前の方針が吹っ飛ぶ問題だ。自分も何度かこれで痛い目を見ていた。
試しにtmuxのウィンドウを役割ごとに分けて、それぞれ独立した claude セッションを立ち上げる構成にした。
# ウィンドウを役割ごとに作る
tmux new-window -n "impl"
tmux new-window -n "review"
tmux new-window -n "research"
各ウィンドウで claude を起動し、そのセッション専用の役割だけを渡す。結果、実装セッションの応答精度が目に見えて上がった。「さっき決めた設計方針が中盤で消える」現象がほぼなくなった。弱点はウィンドウ間で共有したいコンテキストを手動でコピーしないといけない点で、ここはまだ運用でカバーしている。
git worktreeを実務に組み込んだ
GitHub Blogで「git worktreeとは何か、なぜ今注目されているのか」という記事が出た。2015年からある機能なのに急に話題になっているのは、Claude Codeで複数タスクを並列処理する流れが一因だと思う。
実際に使ったのは、feature/auth を触りながら緊急のバグ修正も入ってきた場面だった。
# 作業中のブランチとは別に修正用worktreeを追加
git worktree add ../myproject-hotfix hotfix/critical-bug
# 状態確認
git worktree list
# /Users/user/myproject abc1234 [feature/auth]
# /Users/user/myproject-hotfix def5678 [hotfix/critical-bug]
stash も checkout もなしに2ブランチを同時編集できる。上のtmux構成と組み合わせると「ウィンドウ=worktree=役割」で完全に分離した環境が作れる。特にClaude Codeのセッションが完全に独立するのが大きく、もう以前の運用には戻れない気がしている。
46リポジトリを静的解析でナレッジグラフ化した話
Zennに「本番システム46リポジトリを静的解析で1つのナレッジグラフにした」という記事が出ていた。エアークローゼットのCTOが書いたもので、AIにコードを読ませるだけでは補えない「サービス間の依存関係の把握」を静的解析で解決したという内容だ。
自分のチームは5リポジトリ程度だが、「どのサービスがどのAPIを呼んでいるか」を毎回手動でgrepしているのが地味に辛かった。記事を参考に、まず2リポジトリ間の依存関係だけASTで可視化する実験をした。TypeScriptのimport文を解析してグラフ構造に落とし込む形で実装してみたが、「影響範囲の見積もりが言語化しやすくなった」という実感はすぐ得られた。46リポジトリ規模になったとき、このアプローチの価値が本当に効いてくるんだろうと思う。前編しか出ていないので後編が楽しみだ。
Rust製の軽量Linuxカーネル「maestro」
Lobste.rsとThis Week in Rust 656でRust製の軽量カーネル「maestro」が話題になっていた。Linux互換を目指しつつRustのメモリ安全性を活かした設計で、ファイルシステムやプロセス管理などの基本機能が実装されている。
リポジトリをざっと眺めると、カーネルコードをRustで書くとどうなるかがよくわかる構成になっていた。実用レベルにはまだ距離があるが、「unsafe を極力減らしながらカーネルのデータ構造をどう表現するか」を読むだけでも学びがある。Rustコミュニティでの活動量はThis Week in Rust 653〜656と4号連続で追いかけていて、エコシステム全体の盛り上がりは衰えていない。
まとめ
今週一番ワークフローが変わったのはClaude Code × tmux × git worktreeの組み合わせで、コンテキストを役割で分離する運用に移行した。大規模コードベースの静的解析によるナレッジグラフ化も、チーム規模が増えるほど効いてくるアプローチで自分のプロジェクトにも横展開したい。Rustはカーネルレベルの挑戦が出てくるほど成熟してきていて、週次で追いかける価値がある。来週はworktree運用をもう少し磨く予定。