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学習データ作成ツールCVATによるオートアノテーションとトラッキング

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概要

物体検出モデルの学習データを作成するツール「CVAT」について、その機能であるTensorFlowモデルによるオートアノテーションと、OpenVINOのRe-IDモデルによるトラッキングデータの作成について述べる。

あらまし

ディープ・ラーニングモデルを用いた物体検出等の精度は年々向上しており、各種アプリケーションでの利用が期待されている。
一方で、各タスクに応じてモデルの学習データを作成する必要があり人的コストを要する。
(ABEJA等の学習データの作成を行うビジネスがあるほど。)

本稿では物体検出向け学習データの作成を支援するツール「CVAT」について、その機能の一つであるTensorFlow連携によるオートアノテーションとOpenVINOのRe-IDモデルによるトラッキングデータの作成について述べる。

やること

CVATのインストールから基本的な使い方はこちらの記事に詳しい。
本稿ではオートアノテーションとRe-ID機能に焦点を当てて述べる。

環境

項目 内容
OS Ubuntu 16.04 64ビット
プロセッサ Intel Core i7-7700HQ CPU @ 2.8GHz 2.81GHz
RAM 16GB
GPU GTX1060 (6GB)

OpenVINOの準備

こちらの事前準備にしたがって、OpenVINOツールキットをダウンロードし、
CVATのディレクトリ内にあるcomponents/openvinoに格納する。(圧縮したままで良い)
※ 現在のOpenVINOのバージョンは上記記事の内容と異なっているため、適宜選択してダウンロードする。

CVATの起動

今回はGPU(CUDA)、OpenVINO、TensorFlowを使用するため、以下のオプションを使用する。

ビルド

docker-compose -f docker-compose.yml -f components/cuda/docker-compose.cuda.yml -f components/openvino/docker-compose.openvino.yml -f components/tf_annotation/docker-compose.tf_annotation.yml build

起動

docker-compose -f docker-compose.yml -f components/cuda/docker-compose.cuda.yml -f components/openvino/docker-compose.openvino.yml -f components/tf_annotation/docker-compose.tf_annotation.yml up -d --build

CVATの利用

Chromiumブラウザでhttp://localhost:8080にアクセスする。

本稿ではサンプルデータとしてCAVIARデータセットから動画を拝借した。

なお、CVATは画像または動画ファイルを読み込むことができ、
動画ファイルを読み込んだ場合はアノテーション結果をトラッキングデータとして保存することができる。

オートアノテーションの実行と結果

大まかな流れは動画の通り。
Create Taskからタスクを作成画面がポップアップし、タスク名とラベル等を設定、Select Filesからアノテーションしたいデータを読み込ませSubmit
Run TF annotationからauto annotationが始まる。

私の環境ではGPUが貧弱なため短い動画の入力であったがそれなりに時間を要した。  

auto annotation終了後、jobsのURLからjobページに移動することでアノテーションの結果を見ることができる。

アノテーションの結果を以下に示す。

Screenshot from CVAT.mp4 - 1.png

見たところ高精度で人の位置に枠を付けている。 
一方で、人が重なっているところでは精度が悪い。

Screenshot from CVAT.mp4 - 2.png

Re-IDの実行と結果

次に、さきほどアノテーションした結果に対して、同一人物のIDをを統合するRe-IDを行う。
Open MenuからRun ReID Mergeを実行する。

Re-IDの結果を示す。

無題 1.jpg

ゆっくり歩いている人については同一の人物としてIDをが振られている。
一方で、人が重なるところや、振り向いた瞬間にIDの割り振りが変わっている。

このような誤ったアノテーションはパラメータを調整して再度Re-IDを行うか、手動で修正する必要がある。

おわりに

アノテーション作業の低減を目指し、CVATによるオートアノテーションとトラッキング紹介した。
現状では有効な場合と手作業による修正のいる場合があり、
データの状況を見て判断する必要がある。

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