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回路図エディタ「BSch3V」の利用メモ

Last updated at Posted at 2020-11-16

概要

軽量の回路図エディタ「BSch3V」の利用メモです。サクッと回路図を描きたいときに、とても便利です(本格的な回路設計から基板レイアウト検討までしたい場合は、KiCad がおすすめらしいですが・・・)。

さて、BSch3Vでは、EMF形式(ベクター画像)で回路図をエクスポート可能で、それをワードやパワーポイントに貼り付けることができるため、レポート作成などの場面で非常に役立ちます(印刷出力したときに、ボケたり、曲線部がギザギザにならない)。

  • BSchは「びーすけ」とよみます。「ばすちゃん」とよんでいる人もいるようです。

  • 以下、Windows10 環境を想定した説明になります。MacOS 環境では「クロスプラットフォーム 回路図エディタ Qt-BSch」が、ほぼ同じように利用できるそうです。

インストールと起動

インストールといっても、単に圧縮ファイルを展開するだけです。

  • 公式HP「水魚堂の回路図エディタ」にアクセスして「BSch3Vパッケージ160504版 ランタイムライブラリ付き bs3vp160504rtl.zip」をPCにダウンロードします。

  • ダウンロードした ZIPファイル を展開(解凍)します。標準環境であれば、ファイルを右クリックして「すべて展開」で、解凍処理ができます。

  • 展開されたフォルダにある「bsch3v.exe」をダブルクリックするとBSch3Vが起動します(環境設定によっては、拡張子 .exe は表示されません)。
    2020-11-16_09h11_00.png

    • 注意:解凍せずに「bsch3v.exe」を実行しようとすると、以下のような警告がでます。その場合は「すべて展開」を実行して、その展開されたフォルダから「bsch3v.exe」をダブルクリックしてください。
      2020-11-16_09h13_04.png
  • 問題なく起動できれば、次のような画面が表示されるはずです。
    2020-11-16_09h18_28.png

基本操作:パーツの配置

  • メニューのパーツアイコンをクリックすると、「パーツ配置モード」になります。この状態で、図面上をクリックすると「パーツの選択」というダイアログが表示されます。
    2020-11-16_09h26_27.png
  • パーツの選択」というダイアログから「LED」を選択して「OK」をクリックします。
    2020-11-16_09h29_11.png
  • 図面上に部品が配置されます。このようにパーツアイコンがONの状態で図面上をクリックするとパーツが配置ができます。
    2020-11-16_09h37_41.png
  • デフォルトでたくさんのパーツが用意されています。目的のパーツを効率よく見つけるためには、キーボードの [↓]キー で順送りしながら探してください。
    2020-11-16_17h48_29.png

基本操作:パーツの移動、回転、削除

  • メニューのセレクタアイコンをクリックすると、「セレクタモード(選択・編集モード)」になります。
    2020-11-16_09h40_47.png
  • この状態で、配置済みのパーツを選択して、以下の操作ができます。特に、回転反転(ミラー)は頻繁に使用するので、ショートカットを覚えておきましょう。
    • 移動:マウスドラッグ
    • 回転:[Ctrl]+[R]キー
    • 反転:[Ctrl]+[M]キー
    • 削除:[Delete]キー
    • コピー:[Ctrl]+[C]キー
    • 貼付け:[Ctrl]+[V]キー
  • 画面の拡大縮小は、次のようにします。
    • 拡大縮小:[Ctrl]+[マウスホイール]

基本操作:配線

  • パーツ同士の配線は、ワイヤーモードに切り替えて行ないます。
    2020-11-16_17h45_46.png
  • ワイヤーモードのときは、ドラッグ操作で配線できます。操作を間違ったときは、[Ctrl]+[Z]やり直してください。
    2020-11-16_17h57_29.png
  • ダブルクリックで結合点を打つことができます。
    2020-11-16_18h01_16.png

  • 線を削除したい場合は、一旦、セレクタアイコンをクリックして、選択・編集モードに切り替えてから、線を選択して、[Delete] キーで削除します。

基本操作:編集・調整

  • パーツや配線の位置を調整したい場合は、「セレクタアイコン」をクリックして、セレクタモード(選択・編集モード)に切り替えてから、対象物を選択、ドラッグ操作します。
  • 接続状態(配線関係)を維持したまま、対象物を移動したい場合は、「ドラッグアイコン」をクリックして、ドラッグモードに切り替えて、対象物を選択、ドラッグ操作します。
    2020-11-16_18h10_38.png
  • 編集・調整では「セレクタモード」と「ドラッグモード」の使い分けができるかどうかで作業効率が大きく変わります。各モードの動作の違いを理解しましょう。
    2020-11-16_18h20_58.png

基本操作:パーツのアトリビュート設定

  • 各パーツの横に表示されている文字の編集や表示/非表示は、パーツのアトリビュート設定(プロパティ)から変更します。
    2020-11-16_18h23_37.png
  • アトリビュート設定画面は、セレクタモードのときに、パーツをダブルクリックして開くことができます。必要に応じて、書き換えたり、非表示にチェックを入れたりします。
    2020-11-16_18h28_01.png
  • パーツ横の文字は、セレクタモードで、一旦、パーツを選択状態にしてから、文字部をドラッグすることで移動できます。また、[Ctrl]+[R]で 回転 もできます。
    2020-11-16_18h31_00.png

基本操作:テキストの追加

  • 回路図にテキストを追加したい場合は、コメントアイコンをクリックして、図面上のテキストを追加したい位置をクリックします。
    2020-11-16_18h33_17.png
  • ダイアログが表示されるので、文字を入力して「OK」ボタンを押すと、テキストが配置されます。
    2020-11-16_18h35_49.png
    2020-11-16_18h38_28.png
  • テキストの内容を再編集したい場合は、テキストをダブルクリックすれば、再度、コメント設定のダイアログが表示されます。
  • 配置されたテキストは、セレクタモードに切り替えて移動することができますが、グリッドスナップがかかっているため、微妙な位置調整ができません(カクカクにしか動きません)。微調整をおこないたいときは、[Ctrl]+[G] でスナップをオフにします。再度、スナップを有効にする場合は、もう一度、[Ctrl]+[G] を押します。
    • グリッドスナップの有効化/無効化:[Ctrl]+[G]キー
    • テキストの移動時以外は、基本的にグリッドスナップを有効化しておきましょう。
  • テキストのフォントサイズを「パーツ横の文字と同じ(ぐらいの)大きさにしたい場合」は、フォント設定から、フォントサイズを「4」または「5」に設定してください。
    2020-11-16_18h45_31.png
    2020-11-16_18h50_04.png
  • パーツ横の大きさと完全には一致しませんが、ほぼ同じ大きさに設定できます。2020-11-16_18h55_03.png
  • コメントでは、HTML風タグを使って、下付き文字、上付き文字などの修飾設定ができます。
  • 例えば、「$R_{1}$」は、次のように「タグによる修飾を有効にする」にチェックを入れて「R<SUB>1</SUB>」とすればよいです。なお、タグは必ず大文字にする必要があります。
    2020-11-16_19h03_13.png
    2020-11-16_19h03_27.png

EMF形式でワードに貼り付け

  • ワードに貼り付けたい範囲をマウスでドラッグして選択します。
    2020-11-16_10h12_51.png
  • メニューの「編集」から「EMFコピー」を選択します
    2020-11-16_10h15_16.png
  • ワードやパワーポイントに切り替えて「貼付け」の「形式を選択して貼り付け」を選択します。
    2020-11-16_10h18_09.png
  • 貼り付ける形式が「図(拡張メタファイル)」になっていることを確認して「OK」をします。この際、形式の候補に「図(PNG)」「ビットマップ」「ビットマップ(BID)」「テキスト」「Unicodeテキスト」などしかなければ、もう一度、BSchから「EMFコピー」を行なってください。
    2020-11-16_10h19_45.png
  • ワード画面上で図を拡大表示してみて、図がボケたり、ギザギザにならないことを確認してください。
    2020-11-16_10h32_48.png

参考

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