BS12で劇場版『ガンダム』シリーズを放送しているので、ガンダム熱がめちゃくちゃ上がっている翔太です。Qiita記事書きたい、書きたいと思っていたがなかなか書けず、やっと書いています(会社でのプレッシャーもあり…)。
クラウドをまたいだデータ転送の料金って、気づいたら請求書の中でじわじわ膨らんでいる項目の代表格じゃないでしょうか。そもそも「クラウド同士を専用線でつなぐ」サービス自体、普段あまり意識する機会がない方も多いかもしれません。今回はそのあたりで動きがあったので、共有させてください。
AWSは2026年7月29日、マルチクラウド接続サービス「AWS Interconnect - multicloud」のOracle Cloud Infrastructure(OCI)対応を一般提供(GA)として発表しました。Google Cloudとの接続はすでに2026年4月にGA済みで、Microsoft Azureへの対応も2026年内に予定されているとのことです。複数のクラウドを併用する企業が増えている今、こうした「クラウド間を専用線でつなぐ」サービスの拡充は、地味な発表に見えて実はコスト構造そのものに効いてくる話だったりします。今回は発表の中身と、FinOps目線で押さえておきたいポイントを整理してみます。
発表の概要
AWS公式のアナウンス(AWS announces AWS Interconnect - multicloud connectivity with Oracle Cloud Infrastructure in GA)を読んでいくと、今回のポイントは大きく3つありました。
- 対象:AWSと他クラウドプロバイダーの間に、パブリックインターネットを経由しない専用のプライベート接続を、コンソール・CLI・APIから短時間で構築できるサービス。2026年5月にプレビュー提供が始まったOCI対応が、今回GA(一般提供)に移行しました。
- リージョン:現時点でのAWS側対応リージョンは米国東部(バージニア北部)のみです。他リージョンへの拡大時期は明言されていないため、東京リージョンでの利用を検討する場合はAWS公式の最新情報を確認してください。
- 接続方式:AWSのグローバルバックボーンとパートナークラウドのプライベートネットワークを経由するため、公衆インターネットを経由する通常の接続と比べて、経路の可視性・安定性の面でメリットがあるとされています。
料金体系:GB単位の転送課金ではなく「時間課金+無料枠」
正直に言うと、この発表を最初に見たときは「時間課金?帯域幅ベース?」となって、GB課金の感覚に慣れていると少しピンとこない部分がありました(今の会社に来てまだ半年なので、こういう料金体系の細かい違いは自分もその都度調べながら向き合っています)。ただ実際に料金表を並べて計算してみると、輪郭が見えてきたので、順番に整理します。AWS公式の料金ページ(AWS Interconnect - multicloud Pricing)によると、以下のような仕組みになっています。
- データ転送量に応じたGB単位の課金はなし。帯域幅(Mbps/Gbps)と、接続元・接続先リージョン間の距離に応じて自動的に割り当てられる「Tier(階層)」の組み合わせで、1時間単位の従量課金(1時間未満は切り上げ)となります。
- 無料枠あり:クラウドサービスプロバイダー(CSP)ごと・リージョンごとに、500Mbpsまでの接続を1本無料で利用できます(ガンプラで言うところの「ランナーに1個だけ付いてくる特別パーツ」みたいなイメージ、と言うと伝わる方には伝わるでしょうか)。
- 料金例として、Tier 1(近距離)の10Gbps接続は1時間あたり12.33ドル(730時間換算で月額約9,000.90ドル)、Tier 4(遠距離)の同帯域は1時間あたり51.78ドル(月額約37,799.40ドル)と、距離によって数倍の差が出る点も確認しておきたいポイントです。
ここが重要:多くのクラウド間データ転送で悩みの種になりやすいのが「想定外に膨らむGB単位の転送(Egress)料金」です。AWS Interconnect - multicloudは、この転送量ベースの課金を、帯域幅ベースの時間課金に置き換えるモデルを採用しています。マルチクラウド構成での転送コストが読みにくいと感じている場合、既存のVPN・専用線構成と比較検討する価値があります。
なぜFinOps担当者にとって重要か
AWS・Google Cloud・OCIなど複数のクラウドを併用する企業にとって、クラウド間のデータ転送は「気づいたら請求額が膨らんでいた」の代表例のひとつです。GB課金から時間課金+無料枠というモデルへの選択肢が広がったことで、少なくとも以下の3点は検討・棚卸しの価値があります。
1. 既存のマルチクラウド接続コストの棚卸し
そもそも今、クラウド間のデータ転送にいくら使っているか、パッと即答できる方は意外と少ないのではないでしょうか。すでにVPNやDirect Connect、専用線などでクラウド間を接続している場合、現在の月間データ転送量・帯域幅を洗い出し、時間課金モデルに置き換えた場合の概算コストと比較してみる価値があります。転送量が多く帯域が読みやすいワークロードほど、恩恵を受けやすい料金体系です。
2. 無料枠(500Mbps/CSP・リージョンごと)の活用余地を確認
小〜中規模のマルチクラウド連携(例:GCPで機械学習基盤を動かしつつAWSで基幹システムを運用、といった構成)であれば、無料枠の範囲内に収まる可能性もあります。まずは無料枠だけで検証してみるのも一案です。
3. リージョン制約を踏まえたアーキテクチャ検討
現時点でAWS側は米国東部(バージニア北部)のみの対応のため、日本国内リージョンを中心に構成している場合はすぐには使えません。将来的なリージョン拡大を見込んだロードマップに組み込むか、当面は既存の接続方式を継続するかの判断材料として押さえておくとよいでしょう。
よくある質問
Q. AWS Interconnect - multicloudはどのクラウドプロバイダーに対応していますか?
A. 2026年8月時点でGoogle Cloud(2026年4月GA)とOracle Cloud Infrastructure(2026年7月29日GA)に対応しています。Microsoft Azureへの対応は2026年内に予定されています。
Q. データ転送量(GB)に応じた課金はありますか?
A. AWS公式の料金ページによれば、GB単位の転送課金はなく、帯域幅とリージョン間の距離に応じたTier(階層)に基づく1時間単位の課金モデルです。CSP・リージョンごとに500Mbpsまでの無料枠もあります。
Q. 日本国内リージョンでも使えますか?
A. 現時点(2026年8月)でのAWS側対応リージョンは米国東部(バージニア北部)のみです。他リージョンへの拡大については、AWS公式の最新情報をご確認ください。
今回は料金モデルの変化にフォーカスしましたが、当然ながら実際の移行判断には、既存構成の解約条件やネットワーク設計の見直しコストも絡んできます。そのあたりはまた別の機会に整理できればと思います。
やっと記事にしましたが、あんまり自信がないです。コメントとか書いてくれると励みになります。何か、フィードバックがあればお願いします。少しでもお役にたったのであればうれしいです。