AWS はサービス数が非常に多く、初めて触れると「どこから理解すればいいのか」が分かりにくいことがあります。
しかし、個々のサービスを覚える前に “俯瞰して構造化する” ことで、AWS の理解は一気に進みます。
この記事では、クラウドプラクティショナー(CLF)レベルで押さえておきたい
AWS の全体像(俯瞰) と サービスの役割(構造化) をまとめます。
🗺️ AWSを俯瞰する:まずは“地図”を持つ
AWS には数百のサービスがありますが、システムとしての役割で見ると実はシンプルです。
- アプリケーションを動かす
- データを保存する
- ネットワークでつなぐ
- ログを集めて監視する
- サービス同士を連携させる
AWS は「サービスの一覧」ではなく、“仕組みを作るための部品” として理解すると全体像がつかみやすくなります。
🧩 AWSを構造化する:6つの役割で整理する
AWS のサービスは、次の6つの役割に分類すると理解しやすくなります。
これはクラウドプラクティショナー試験でも重要な視点です。
1. Compute(動かす)
アプリケーションを実行する場所。
- EC2:仮想サーバー
- Lambda:サーバーレスでコード実行
- ECS / EKS:コンテナ実行基盤
役割: 処理を動かすエンジン。
2. Storage(置く)
データを保存する場所。
- S3:オブジェクトストレージ(CLF最重要)
- EBS:EC2にアタッチするディスク
- EFS:複数サーバーで共有できるファイルストレージ
- Glacier:アーカイブ
役割: データの保管・バックアップ。
3. Database(扱う)
データを整理して検索できる仕組み。
- RDS:リレーショナルDB
- DynamoDB:NoSQL
- Aurora:高性能DB
- Redshift:分析用DWH
役割: データの管理・検索。
4. Network(つなぐ)
通信・ルーティング・境界を作る。
- VPC:仮想ネットワーク
- Route53:DNS
- CloudFront:CDN
- API Gateway:APIの入り口
役割: 接続・セキュリティ・トラフィック制御。
5. Monitoring & Management(見守る)
システム全体を監視・管理する。
- CloudWatch:メトリクス・ログ
- CloudTrail:操作履歴
- Config:設定変更の追跡
- Systems Manager:運用自動化
役割: 監視・ログ・運用。
6. Integration(流す)
サービス同士を連携させる。
- SQS:キュー
- SNS:通知
- EventBridge:イベント連携
- Step Functions:ワークフロー
役割: 非同期処理・イベント駆動。
AWS 6分類の俯瞰図
🧭 レイヤー構造で理解するAWS
AWS をレイヤーで整理すると、システム全体の動きがさらに理解しやすくなります。
- L1:基盤レイヤー(VPC / IAM)
- L2:実行レイヤー(EC2 / Lambda / S3 / RDS)
- L3:連携レイヤー(SQS / SNS / EventBridge)
- L4:可視化レイヤー(CloudWatch / CloudTrail)
- L5:運用レイヤー(Systems Manager / Config)
この構造は、アーキテクチャ図にもそのまま使える整理方法です。
💡 クラウドの価値(CLFで最重要の3つ)
AWS の価値は次の3つに集約できます。
1. スピード(俊敏性)
サーバーやネットワークをすぐに構築できる。
2. コスト最適化
使った分だけ支払うモデル(従量課金)。
3. 柔軟性
サービスを組み合わせて仕組みを作れる。
📝 まとめ
- AWS はサービス数が多いが、まずは 俯瞰 → 構造化 の順で理解すると迷わない
- 6つの役割で整理すると、サービス同士の関係が見えてくる
- クラウドプラクティショナー試験でも、この“全体像の理解”が最重要
次の記事では、アーキテクトアソシエイト(SAA)レベルとして、
設計判断・可用性・ネットワーク・セキュリティ を中心に深掘りしていきます。
📚 用語集(クラウドプラクティショナー編)
AWS を俯瞰・構造化するうえで、クラウドプラクティショナー(CLF)レベルで押さえておきたい用語を、記事内の6つの役割に対応させて整理します。
1. Compute(動かす)
● EC2(Elastic Compute Cloud)
仮想サーバー。アプリケーションを動かすための計算リソース。
● Lambda
サーバー管理不要でコードを実行できるサービス(サーバーレス)。
● ECS / EKS
コンテナを動かすための基盤。ECS は AWS 独自、EKS は Kubernetes。
2. Storage(置く)
● S3(Simple Storage Service)
オブジェクトストレージ。CLFで最重要。耐久性が高く、あらゆるデータを保存できる。
● EBS(Elastic Block Store)
EC2 にアタッチするディスク。ブロックストレージ。
● EFS(Elastic File System)
複数の EC2 から同時にアクセスできるファイルストレージ。
● Glacier
アーカイブ用の低コストストレージ。
3. Database(扱う)
● RDS(Relational Database Service)
リレーショナルデータベースのマネージドサービス。
● DynamoDB
フルマネージドの NoSQL データベース。高速でスケーラブル。
● Aurora
高性能なリレーショナルデータベース。MySQL/PostgreSQL互換。
● Redshift
データ分析用のデータウェアハウス。
4. Network(つなぐ)
● VPC(Virtual Private Cloud)
AWS 上に作る仮想ネットワーク。サブネット・ルートテーブルなどを含む。
● Route53
DNS サービス。ドメイン管理やルーティングを行う。
● CloudFront
CDN(コンテンツ配信ネットワーク)。高速配信を実現。
● API Gateway
API の入り口となるサービス。
5. Monitoring & Management(見守る)
● CloudWatch
メトリクス・ログ・アラームを扱う監視サービス。
● CloudTrail
AWS アカウント内の操作履歴を記録する監査サービス。
● Config
リソースの設定変更を追跡するサービス。
● Systems Manager
運用管理のための統合サービス(パッチ適用、Session Manager など)。
6. Integration(流す)
● SQS(Simple Queue Service)
メッセージキュー。非同期処理を実現。
● SNS(Simple Notification Service)
通知サービス。Pub/Sub モデルで配信。
● EventBridge
イベントをルーティングするサービス。サービス間連携の中心。
● Step Functions
ワークフローを構築するサービス。