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教育アプリで AdMob を使うために決めたこと — App Store の Kids Category と Families ポリシーは別々に効く

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Last updated at Posted at 2026-09-20

はじめに

📝 この記事は note ・ Zenn にも投稿しています。

さんすうおじさん は、小学生が倍数を覚えるための算数の教育アプリだ。無料で配信し、画面の一部に広告を出している。

2026-06-21、このアプリから AdMob を丸ごと外したことがある。依存パッケージ、JS からの参照、AndroidManifest の設定まで全部。記録に残した理由はこの一行だった。

子供向けアプリ×広告の審査リスク回避

外した時点で、どの規則が何を禁じているのかを確かめていなかった。「子ども向け」と「広告」が並ぶと危ない、という感触だけで全部外していた。

Kids Category は別枠の制度

8月に申請の準備を始めて、規則の場所を読み直した。

App Store の Kids Category は、子ども向けのアプリが自動的に入る分類ではない。申請時に開発者が選ぶ枠で、選ぶと審査ガイドライン 1.3 が適用される。

Apps in the Kids Category should not include third-party analytics or third-party advertising.

サードパーティの広告と解析は原則禁止。例外は1つだけある。

Third-party contextual advertising may also be permitted in limited cases provided that the services have publicly documented practices and policies for Kids Category apps that include human review of ad creatives for age appropriateness.

ほどくと、条件は3つ重なっている。

条件 中身
contextual 広告であること 利用者の行動履歴で出し分けない広告
広告事業者が方針を公開文書にしていること Kids Category アプリ向けの取り扱いを明記したもの
その方針に人の目による審査が含まれること 広告クリエイティブが年齢に合うかを人が確認する

Apple Developer Forums には、AdMob を入れた子ども向けアプリがこの条件で差し戻された投稿がある。届いた文面はこうだった。

We noticed that you have not provided any publicly documented practices and policies for third-party contextual advertising in your Kids Category app.

求められたのはアプリの修正ではなく、広告事業者が公開している方針文書の提示だった。実装をいくら整えても、事業者の文書が条件を満たしていなければ、出せるものが無い。

この枠は、子どもに見せる広告を人が1つずつ確認できる体制を作った事業者だけが通れるようにできている。 条件を満たせないなら、その枠には入らない。

選んだのは「教育」カテゴリ

さんすうおじさんは、Kids Category に入れず、カテゴリを「教育」にして申請した。2026-08-15 の決定で、収益の形も「無料アプリ+AdMob バナー広告」に戻している。

ここで書き方を間違えないようにしたい。カテゴリを選び直すと子ども向けの制限が消える、という話ではない。 Kids Category の条件は、あの枠に入るアプリに課されるもので、広告の中身と配信の仕方についての責任は、枠に入らなくても残る。

残る側の規則は、Apple ではなく広告の事業者から来る。

年齢の扱いは、カテゴリと別に要る

AdMob の公開文書は、子どもに配信される広告リクエストについてこう書いている。

  • 子どもに配信するリクエストでは setTagForChildDirectedTreatment() を呼ぶこと
  • 子ども、または年齢が分からない利用者に配信するリクエストでは max_ad_content_rating を G にすること
  • サードパーティの広告ネットワークが Families ポリシーに沿った広告を配信することを確かめるのは、開発者の責任である

App Store のカテゴリは、この文書のどこにも出てこない。アプリが誰に向けて作られているかで決まる話で、ストアでどの棚に置いたかとは別々に効く。

さんすうおじさんは、この2つを実装に入れている。

{
  tagForChildDirectedTreatment: true,  // 実装では ageRestrictedTreatment: CHILD
  maxAdContentRating: 'G',
}

パーソナライズ広告が制限されるので、広告の単価は下がる。それでも入れた。入れないまま配信すると、AdMob アカウントの停止につながりうる。単価より、アカウントを残すほうを取った。

広告を出す場所も決めた。ゲームのプレイ中には出さない。 出すのはタイトル、ステージ選択、クリア、エンディングの画面だけ。プレイ中のバナーは、AdMob のポリシー上「操作への干渉」と見なされうるうえ、ドラッグ操作との誤タップを招く。誤タップは、広告主から見れば無効なトラフィックで、子どもから見れば押した覚えのない画面が開くことになる。

実装より先に決める

あとから作った 時計を学ぼう では、プロジェクトの発足時点でこの項目を決めた。

決めること 決めないとどうなるか
無料+広告か、買い切りか 広告なら AdMob の設定・SKAdNetwork・プライバシー申告が丸ごと増える
Kids Category に入れるか 入るなら、広告事業者の公開文書と人による審査の条件を満たす必要がある
子ども向けの年齢設定をどうするか カテゴリと無関係に要る。後から入れると配信の実績に穴が残る

さんすうおじさんでは、これが実装の終わったあとに判明した。決まっていなかったぶんを、6月に全部外して、8月に戻している。


「子ども向け」と「広告」が並んだ時点で手を引いた。どの規則が、どこまでを禁じているのかを読む前に。
読んでみると、守るべきものは減っていなかった。減ったのは、確かめずに怖がっていた部分だけだった。


記事に登場したアプリ:

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