Raspberry Pi 3BへVolumio2とKODI pluginを構築
背景
以前から、Volumio2+KODI pluginを愛用していました。
Volumio2の音声出力はDACとし、とても良い音で音楽を楽しんでいました。
また、動画再生はKODI pluginを利用し、HDMIで映像も音声も出力というような棲み分けとしていました。
この環境は愛車に搭載し、音声はAUXで取り込み、BOSEスピーカーに出力、動画の映像はHDMIからアナログに変換しビデオ入力で再生しています。
ところがこの環境が少々不安定になり、特に音楽がところどころ停まってしまう現象に悩まされていました。
そして、不用意にVolumio2をVolumio3にバージョンアップしてしまった結果、KODI pluginがVolumio3に対応しておらず、動画再生の環境がなくなってしまいました。
なんとかVolumio2の媒体を入手できたので、ここで改めて環境構築の手順を整理しておこうと思います。
Volumio2の媒体について
今回の環境構築にあたり、苦戦したのが媒体の入手です。
Volumioのサイトに旧バージョンのダウンロードリンクがなく、最新バージョンしか入手できませんでした。
かなり検索して、ようやくこちらのコミュニティで発言されているものを発見できました。
https://community.volumio.org/t/volumio-version-2-915/52697
以前使用したVolumioの媒体を削除してしまっていたのでこんな羽目になりました。
今回ゲットしたファイルは大事に保存しておくことにします...
手順
MicroSDの作成
手前味噌ですが、先日使用したRaspberry Pi Imagerで作成しました。
Raspberry Pi Imagerを使ってみた
詳細な手順は割愛しますが、OSの選択で「Use custom」から、Volumio2のimgファイル(volumio-2.917-2021-10-06-pi.img)を選択して構築しています。
初期設定
構築後、ラズパイにMicroSDをセットし起動。
HDMIで画面出力、USBキーボード・マウスも接続しておきます。
初期設定はブラウザより「volumio.local」へアクセスして行います。
アクセスすると以下のような画面が表示されます。
手順に沿って初期設定を進めていきます。
日本語化
日本語が選択されていることを確認し、「Next」をクリック
ホスト名
DAC出力設定
ここ重要です。
「I have an I2S DAC」を「yes」にし、「Select your i2s DAC」に自分のモデルを指定します。
私が使用しているのは、「Raspberry Pi 2,3 Model B/B+対応 ES9023 I2S DAC」なので、今回は「HiFiBerry DAC」としました。
オプション設定
今回は「I want a simplifred set of options」のまま、「Next」をクリック
WiFi設定
今回はホットスポット機能を有効にしたいので、WiFiは接続しません。
何も選択せずに「Next」をクリック
Musicライブラリの設定
このあたりは後で設定できるので今回はスキップ
なにも選択せずに「Next」をクリック
寄付
以上で初期設定が完了ですが、最後に寄付を問われます。
このあたりはご自由にどうそ...
Sign Up To MyVolumio
サインアップを求められます。
アカウントがない場合は新規登録(Sign-UP)、すでにアカウントがある場合はLoginします。
(このSign upは、おそらく必須ではないと思います)
KODI pluginの導入
左側のメニューより「プラグイン」をクリックし、
さらに「Miscellanea」をクリック
下の方にスクロールすると、お目当ての「Kodi Krypton」がありますので、「インストール」をクリック
インストールが完了したら有効化、「Enable Plugin」をクリック
別途、kodi remote というアプリを使用するのですが、認証パスワードの設定を行っておく必要があります。
kodi Kryptonの「設定」をクリック
「Kodi Webserver Password」を設定し、最後に「Save」をクリック
ホットスポットの設定
特別な設定は不要です。
インストール直後でホットスポットは有効になっています。
デフォルトの接続情報は以下です
key | value |
---|---|
SSID | volumio |
PASSWORD | volumio2 |
試しに、iPhoneでホットスポットに接続してみます。
接続すると自動的にこのような画面が表示されます。
まだ音楽ライブラリ等何もしてませんのでデータは空です。
kodiの設定
ここまでの作業で、ブラウザでVolumioを操作してきましたが、HDMI出力にはKODIが表示されるようになります。
ここからはKODIの設定を行いますので、用意しておいたUSBキーボード・マウスを使用します。
System
└Interface settings
└Regional
└Language -> Japanese
ここでフォントが大きく崩れますが、大丈夫です、もう慣れています、落ち着いて設定を続けます。
-Fontsに「Arial」を指定すれば、ちゃんと日本語で表示されるようになします。
設定/インターフェース
├地域
│ └タイムゾーン(国) -> Japan
└スクリーンセーバー -> 無し
最低でもこれぐらい設定しておけばOKです。
動作検証
Kodiとしての動作検証
操作には「kodi remote」というアプリを使用します。
認証が必要なので、事前に設定したID/PWを入力して接続完了。
接続が完了するとこのようなメニューが表示されます。
「REMOTE CONTROL」をタップすると、このような画面に切り替わり、KODIの画面を見ながらリモコン操作が可能になります。
愛車に搭載し、電源を投入するとこのような状態に。
ナビのモニターと、追加で取り付けているサブモニターに同じ画面が写ります。
もちろんボタン操作でそれぞれのモニターに違う画面を表示することも可能です。
KODI Remoteから操作し、動画を再生するとちゃんとモニターには映像、車載スピーカーから音声が出力されています。
Volumioとしての動作検証
次に、音楽再生の動作確認。
愛車のオーディオ設定はAUXにチェンジ。
スマホ側もVolumioに変更。
サブモニターは相変わらずKODIの状態です。
この状態で音楽を再生すると、ちゃんと音がDAC経由でAUXを通じて車載スピーカーから流れます。
ただ、最初に設定を誤っていて、音が割れまくっていました。
音声出力の設定自体は間違っていなかったのですが、
音量の設定にミスがありました。
Mixer Typeが設定されておらず、音量が100の状態でした。
そこで、Mixer TypeをSoftwareに設定し、起動時に既定の音量を50に変更したところ、音割れもなく、きれいに音声が聞こえるようになりました。
終わりに
過去、何度も構築していたのである程度体が覚えていたので設定などは大きく苦労することはありませんでした。
冒頭にもありますが、とにかくVolumio2の媒体を入手するところが一番困難でした。
これで、以前と同じようなVolumioの音声出力はDAC経由でBOSEスピーカーから、Kodiの映像はナビの画面とサブモニター両方煮表示され、音声はHDMI -> アナログ変換されてBOSEスピーカーから出せました。
今回は環境構築から実際に愛車に搭載して再生して映像や音声の確認までの手順を記録として残してみました。
媒体も保存したし、この記事で手順も残せたので再構築も次回以降は楽勝でできます。
私は愛車に搭載していますが、これは普通に宅内に設置し、NASにある音楽を再生するとか、そういう使い方ももちろんできます。
いろいろな情報を検索すると、宅内でネットワークオーディオシステムとして利用されている方が多いようです。
音とかDACに詳しくないのですが、記事によると、お値段の割にはかなり良い音が出ると評判のようです。
IoTが注目されていた流れで大注目を浴びだラズパイ。
一時期は入手困難な時期もありました。
今回使用したRaspberryPi 3Bもよいのですが、更にサイズが小さいRaspberryPi Zero WHは素晴らしいサイズ感にもかかわらず、十分な機能を兼ね備えています。
ZeroでもVolumio環境は構築したことがありますが全く問題なく動作しました。
その頃に比べて今はあまり話題になることも少なくなりましたが、まだまだ十分楽しめるガジェットで、遊ぶには丁度よく、おすすめです。
高性能なRaspberry Pi 4シリーズは持ってませんけど...