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AgileJapan 2021 に参加しました

Last updated at Posted at 2021-11-22

AgileJapan 2021 に参加したので感想を書きます。

Day1

The Heart of Agile and the Future of Work アジャイルの心と未来の働き方

アリスター・コーバーン博士

講演資料

言葉選びが素晴らしく、また、ソフトウェア開発にとどまらないお話でした。

何回も動画を見直したい。

ぐっときたところ

Agileの誤解について

「半分の時間で2倍の成果」と誰かが言っていたら言ったら止めろ

という話はそうだなあ、と。
変化に適応する話であって、量を追い求めようとする誤解はこれからも解き続けていきたいです。

アジャイル宣言の背後にある原則にも、「量」に関する記述があるのですが、

シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です。

この原文は、

Simplicity--the art of maximizing the amount of work not done--is essential.

なので、「小さく学ぶ」文脈としての理解の方がよさそうです。

報酬・評価制度

Collaboration を重視せよというお話でした。

これって、わりと日本の文化的には普通にそうなんじゃないのかな...と思っていたら、Discord のチャットでも

逆に欧米ではCollaborateがびっくりするほど斬新なんだろうなとも思う

アジャイルは文化の相対化なんですよねぇ。日本であたりまえのことが他国では斬新。他国の人が気づいて、自分たちのやってることがわかってきた。

といったやりとりがあって、はっとさせられました。

Reflect

常日頃、ちゃんと立ち止まる、というのは大事だな、と思っているので、そうだそうだ!という気持ちで聞いていました。

  • 一度完全に止まる
    • 止まれていない現場が多い
  • 皆で集まり、話し合う
    • Check Data
      • 過去もしっかり把握
    • Check Emotion
      • 感情を整理する
      • 本当に望んでいることは何なのか

静かにふりかえりができる場づくりについて考えて行こうと思います。

Deliver

なぜ Deliver が大事かというと、世界は変化し続けているので、常に「世界に触れる」ことで学びを得るということでした。

  • Internal Flow
  • Deliver for value
  • Deliver for learn

特に Internal Flow (内部の流れ) についての話が興味深かったです。 Deliver を目指すことで、流れの悪いところを知り、改善につなげていく。例として、上位管理職の多忙さがボトルネックになって決定が遅れること等が挙げられました。

delta delta technique

小さく改善することこそ、要諦だ、という言葉が印象的でした。

  • What are your best hopes?
  • Where are you now?
  • What's already working? (your "assets")
  • How can you get a tiny bit further

上手くいっていることを「資産」として考えるのは前向きになれそうな言葉づかいで素晴らしいと思いました。

また、「何が今機能していて、改善を必要としているところはどこなのかを共有して進んでいこう」ということでしたが、「機能している」ということをどう測定するのかについては具体的な説明がありませんでした。個人的には、難しいよね、できそうなことは、投票とかかな~と思って聞いていました。

Brilliance in the basics

いろいろあってどれから取り組んだらいいんだ...という問いに対して、まず、基本事項に完璧に精通してもらう、というのはいろんな分野に通じる話だなと思いました。

頭脳労働のマネジメント

Theory X / Theory Y
労働者は根本的に怠け者で愚か

  • Push model / Force model / Control model

  • " Faster! Faster! "

    • 頭脳労働では、こんなことを言われたら止まってしまう
  • マネージャーは方向性を、労働者は洞察を共有

特に、X理論の共生と支配を上から受けることは避けられないとし、中間層であるマネジメントが盾となり、Y理論の環境をつくるという話が、確かに上手くいっているところはそうなっているなあ、と納得でした。

その他

”チーム” の範囲を広げよう

中佐藤 麻記子 さん

講演資料

中佐藤さんのお話を聞くと、いつも背筋がのびるんです。

今回は、中佐藤さんが体験した、「チームの範囲が広がった!」と感じた瞬間の紹介から。その様子が生き生きと思い起こされるような語り口に引き込まれました。

そして、チームの範囲を広げる鍵は環境づくりだとし、

  • マネジメントは立場という権力を持っている
  • 現場の人は情報や知識という権力を持っている

故に、言葉ではなく行動で示しなさい!となり、ああ、やっぱり背筋のびたわ~ってなりました。

大事なことは、気持ちとともに伝わっていく〜タウンワーク有識者育成ファームの取り組みから〜

高橋 陽太郎 さん

講演資料

社内の「超能力(的な能力を発揮する)有識者」がサービスの成長のボトルネックになる問題に対する取り組みのお話でした。

高橋さんは、徒弟制度をベースにした施策(有識者育成ファーム)を企画運営していった事例を丁寧に紹介してくださいます。

  • IAを構築する(表出化)だけではダメで、体験を通じて自分なりのインデックスを持つ(内面化)ということの重要性に気づいた
  • そもそもトップランナーに追いつくこと自体が不可能に近く、弟子を作って共同化でなんとかついて行きながら、弟子個人個人の良さを伸ばして違う強さを身に着けてもらう
  • 有識者の考え方や、態度は弟子に伝染していく

など、非常に興味深かったです。

アジャイルなカルチャーとビジネスネットワークの拡大方法

リンクトイン日本代表 村上 臣 さん

講演資料

非プロダクトの人達の生活や仕事にこそ、改善のポイントが沢山ありそうだ、と村上さんは語ります。

リンクトイン社自体が、コロナ禍において、全社で一斉に1週間の休みをとったり、エンゲージメント調査を通じて、社員の状況の把握に努めているとのこと。

変化の激しい状況の中で、「失敗は学びであり、全ては学びという文化」を大事にし、またコロナ禍で産まれたフラットなコミュニケーションのスタイルが失われないように工夫を続けているそうです。

偉い人もそうでない人も、Web会議の画面のサイズは一緒

確かに!

Searching for Happiness

和田さん

講演資料

アジャイルジャパンに来たと思っていたら、中東を旅して睡眠薬強盗に会ったりパレスチナで出会いと別れをしたり座禅したりというものすごい人生の話が展開します。

就職してからも厳しい職場環境での経験を通じて、自分の人生について悩む和田さん。

そんな中、アジャイル/スクラムを仕事の中で経験するところから、ついに Scrum Inc. に関わることに。

ジェフサザーランド博士は仏教徒。サザーランド博士の「スクラムは瞑想から着想を得た」との言葉に、和田さんは「スクラムは人を幸せにするために考え出されたのだ」と得心したそうです。

Sprintに集中するということが、瞑想(自己を見つめる)と考えるといろいろ繋がってくるなあ...

その他

discord より:

WFとかCommand/Controlを体験するからこそAgileの価値がわかる。相対化してるからこそなんだよなー。
Agileが当たり前の世代が、その本当の価値にきづけるのか、というのが気になります。

価値に気づかなくても自然にできていきいきする。。。といいなあ

れは、これからの世代の方の課題なんでしょうね、きっと。

コーヒーブレイク

東京海上日動さんのブースに行ってきました

大規模基幹システムで、Agileなチームが、周辺のチームとどう連携していったかという経験を共有していただきました。

  • 各チームのやり方を尊重
  • 各チームに集まってもらって、イベントストーミングを開催し、その活動を通じて、関係性を構築していった
    • zoom で沢山の部屋を作っていつでも議論や相談ができる環境を作った

活動を通じて、他チームとの関わりが改善されていく様子が素晴らしかったです。

Building a coaching culture — From doing Agile, to being Agile.

Lars Rosengren さん

講演資料

"Agile is difficult..." or so it seems

「アジャイルに見えることは、アジャイルの成果を見るよりも重要か?」という問いは素晴らしいと思いました。僕もどこかで言ってみたい!

Our approach to "being Agile"

UstwoというLarsさんの会社での取り組みを紹介していただきました。

  • 継続的に学ぶ
  • 密なコラボレーション
  • 早期に価値を提供する

「学ぶこと」をとても大事にしていることがわかります。特に、「学ぶことで価値を生み出す」という原則が「デリバリー」のところに掲げられているところが、徹底しているな、と感じました。

Building a coaching culture

原則を支える実践内容についての説明に続きます。

  • 継続的な学習のために、振り返りとフィードバック
    • 立ち止まるタイミングを設計する
    • どう成長につながるかを常に考える
  • Leading space
    • チームが機能できる「スペース」に導く
    • 環境を作り出す
  • 視点を提供する
    • サッカーのコーチのように「横から観察」
    • 良い質問をする

おお、さすがフットボールの国!「スペース」の概念にグッときました!

スポーツコーチングの領域では、「プレイヤー中心」が言われてますね。

うんうん

ボールを良く見ろ、という指導するのではなく「ボールはどういう回転してましたか」と聞く。

なるほど!

ウォーターフォール開発者がアジャイルに出会い、気づいた大切なこと

小林 洋平 さん

講演資料

小林さんがアジャイルな開発スタイルに関わってから感じたこと、気が付いたことが分かりやすくまとめられています。

違いを感じ、理解していくなかで、小林さんが仕事から受け取るものが変わっていく様子が素敵だなあと思いました。
永和システムマネジメントの素敵なアジャイルチームの雰囲気が感じられる発表でした。

小林さんの経験と思考の流れが、アジャイルチームに飛び込む中堅・ベテランエンジニアがどう感じるかの一例としてとても参考になります。
自分の職場で、アジャイルなアプローチに飛び込む人たちに寄り添う際のヒントをいただいた思いでした。

アリスター・コーバーン博士 Q&Aセッション

参加者がワクワクしながら集まっている様子が感じられたQ&Aセッションでした

盾となってくれる組織職がいないとき、現場でできることはあるか?

いい質問だね!から始まって、長い回答になったと記憶しています。結論としては、組織職の人に気づきを与えていくことを粘り強くやっていかないとどうにもならない、といった内容として受け取りました。

オンラインでのコミュニケーションで気を付けることは?

オフラインであれば一瞬で解決したり、一気に共通認識が進むようなことがある、とした上で、視覚的な情報の重要性を挙げられました。多くの言外の情報を人間は得ることができるため、以下のようなアドバイスがありました:

  • できるだけビデオON
  • 人々と仕事以外の活動もするとよい
    • ラテンアメリカのリモートチームとはダンスをした
    • チェックインやGood&New的なプラクティスも良い

日本人にとって、Ownership という感覚が分かりにくいかもしれません

コーバーン博士が定義した言葉ではないとの説明があったのち、博士の解釈が紹介されました:

  • 意思決定の所有権
    • 人に「いついつまでにやれ」と言われた時、Ownership を感じることは無い
  • 組織職は、ある程度当事者たちが Ownership を持てるよう、オープンにすべき
    • 当事者たちに「どの部分に意思決定権があるのか」について共有されているようにせよ
    • 意思決定できる場所(余地)があることを知らしめると良い

Day2

Joy Inc. in Japan ”喜び(Joy)”を中心にした企業文化 ~なぜ僕らはそれを大切にするのか~

日本の Joy Inc. と言えば安田さん

講演資料

安田さんのストーリーについては、fukabori.fm でも聞いていたので、あらためて、本人から聞けたことで、よりイメージを持って、お話に入っていくことができました。

fukabori.fm での話を越えて、具体的に取り組んだことが紹介されました。

でも、今日はこれを紹介していただいたことが、一番だな..!

その他

アジャイルサムライから10年

西村直人さん

講演資料

アジャイルサムライ、未だに増刷がかかっていて、現在20刷りだそう!

作者は「ユニコーン企業のひみつ」の Jonathan Rasmusson さん。

アジャイルサムライは、1冊かけて、アジャイルの12の原則の背景・思いを丁寧に説明した本、と西村さん。この本の啓蒙を通じて、少しずつアジャイル開発について学びあうコミュニティが広がって行った様子が紹介されました。

しかし、読者となる人々の悩みは、10年経っても変わっていないというのが問題だ、と続きます。

10年前と比べて、アジャイル開発に関わる人の数も、良い入門書も増えたので、西村さんのような黎明期から思いを持って活動していらっしゃる方々のように、つながりを作っていくことが、そのメリットを活かしていく術なのかなと思いました。

PMBOK7®版にみる大転換とアジャイルの心との親和性 ~プロセス重視から原則重視へ、PMBOK®にもアジャイルの心が!?~

渡会さん

講演資料

JISAがらみでもお世話になっている渡会さんによるPMBOK第7版の説明。これはもう「資料を見て!」というわかりやすい紹介でした。

社内のいろいろな人たちと、新しいPMBOKの勉強会したいなと思いました。

セミナーもあるそうです!

その後

ちょっと家庭の事情ですべてに参加することはできなかったのですが、とても有意義でした!

サテライトも頑張るぞ!

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