54
46

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

LIDAR点群から高速で3D物体検出! PointPillarsを解説するっ!

Last updated at Posted at 2019-10-04

今回は、3D点群から物体を見つけるアルゴ、PointPillarsを解説するぞ。
え、なんのためにするかって?

自動運転に使うためさ!(そしてWaymoデータセットで訓練したいZE・ω・)
Waymoデータセット知りたい方はこちら
Waymo自動運転車のデータセットを可視化するんだよ!

Waymo大先生のデータセットつかって、物体検出したいけど、何を使えばいいのやら...
そしたら3D物体検出のState-of-the-artを調べると、PointPillarsがでてきて気になるぞ!
PointPillars

タピオカとPointPillarsどちらが素晴らしいのか!
それではPointPillarsの世界へようこそ!

  • PointPillarsの仕組みは?
  • 点群のData augmentationはどうやる?
  • 計算の高速化テクニックは?

気になった人はLet's DIVE IN!!!!
(間違っているところあったら教えてね)
Screenshot from 2019-10-04 10-45-50.png

この記事ですること

  • PointPillarsの解説
    • Abstract
    • Introduction
    • PointPillars Network
    • Implementation Details
    • Experimental Setup
    • Realtime Inference
    • まとめ

※論文に沿って原理、仕組みを解説していきます、実装関連は次回にします

論文リンク 発表は2018年末
PointPillars: Fast Encoders for Object Detection from Point Clouds

Abstract

PointPillarsの特徴

  • 3Dの点群から物体検出を行う
  • PointNetsと呼ばれるネットワーク構造を使用して、点群を縦の柱の集合体にみたてる
  • LIDAR点群のみ使ったアルゴだが、フュージョンアルゴと比べてもいい性能が出る
  • 動作が早い、KITTIベンチマーク(3D,bird's Eye view)を62Hz

Screenshot from 2019-10-04 11-02-47.png

上図では”PP"(PointPillars)がKITTIテストデータの各種物体検出において
検出性能と検出速度の両方において優れているのがわかる。
対抗馬は
M: MV3D
A: AVOD
C: ContFuse
V: VoxelNet
F: Frunstum PointNet
S: SECOND
P+: PIXOR++

Introduction

DeepLearningの技術が3D点群を処理する方法は過去に考えられてきた。
過去の点群から物体検出する論文に共通する点は

  • 点群はスパースであること、画像は非常に密であること
  • 点群は3Dで、画像は2Dであること

点群を2Dに見立てる研究は過去にもされており、下記のような種類がある

  • 点群を鳥瞰視点に変換して物体検出するもの
  • 点群を主観視点に変換して物体検出するもの

最近では鳥瞰視点を用いたものが流行っている
長所:

  • サイズがはっきりわかる
  • 近傍ではオクルージョンが少ない

短所:

  • 非常に点がスパースであるため、単純にCNNに入れるのではうまくいかない

上記の短所を解決するために、
VoxelNetやPointNetという手法がある、
しかしそれらは処理速度が非常に遅いのが問題点であった。

上記問題点を解決するために、PointPillarsを提案する。
下記は特徴:

  • 2D convolution layerを用いたend2end 3D物体検出、2Dベースのため計算が高速
  • 点群を縦柱(pillar)に見立てて3Dで物体の検出をする
  • pillarで扱うことによりvoxelのように点群の高さを区切るビンの高さ設定が不要になった

Point Pillars Network

Screenshot from 2019-10-04 14-34-40.png

PointPillarsの入出力
入力:3D点群
出力:3Dバウンディングボックス(車、歩行者、サイクリスト)

3つのメインステージ

  • Pillar Feature Net: 点群をスパースなpseudo imageに変換する
  • Backbone (2D CNN): pseudo imageをハイレベル特徴量へ変換する
  • Detection Head(SSD): 検出と3Dボックスへの回帰を行う

PointCloud to Pseudo-Image

2D CNNで点群を扱うためには、まず点群をpseudo-imageへ変換する。
Screenshot from 2019-10-04 15-53-30.png

l:点群の中の点
x,y,z,r: 点に付随する位置と、反射強度の値

xy平面上をpillar, Pで分割する。(pillarで表現するため、Z側の高さは必要ない)
(例:0.16m * 0.16m等)

pillar内の点は下記の値を計算する
xc, yc, zc: pillar内のすべての点の座標の平均からの距離
xp, yp: pillar中心からのオフセット

上記の計算を終えて、点lは9次元の値を持つ。Screenshot from 2019-10-04 23-19-51.png

これにより、tensor sizeは、size(D,P,N)となる
D x P x N = 単点が保有する次元数(9) x 点の存在するpillarの数 x pillarに存在する点の数

(D, P, N) tensorをPointNetにかけて(Linear layer→Batch-Norm→ReLu)、(C, P, N) tensorを取得
CはPointNet出力の全結合層のレイヤ数に依存する
Cを取得した後、(C,H,W)のpseudo-imageに変換する(H,W)は鳥瞰視点でみたキャンバスサイズ。

(C,H,W)にすることで、通常の色画像と似た扱いが可能になる。

Backbone(2D CNN)

Screenshot from 2019-10-04 15-54-08.png
Backboneは主に2つのネットワークで構成されている

  • top-down network: 段階的に次元数を下げていき、各段階で特徴抽出する。
  • second network: top-downの各段階の特徴量のupsampling, concatenationを行う

(C,H,W)のpsuedo画像を、(6C, H/2, W/2)のtensorに変換する

Detection Head(SSD)

ここではsingle shot detectorを使用する。
SSDのprior boxと、真値2D BoxのIoUを使用してマッチングさせる。
マッチング結果から、クラス分類、物体の位置と高さを推論する

Implementation Details

Loss Functions

ロス関数は、SECONDの論文に準拠する
3つの要素のロス関数がある

  • 位置
  • クラス
  • 向き

3D boxは、ground truthとanchor box含め下記で表現する
Screenshot from 2019-10-04 23-16-00.png

各要素のerrorは下記で計算する

Screenshot from 2019-10-04 23-14-43.png

gtはground truth, aはanchor boxを示す
Screenshot from 2019-10-04 23-26-49.png

【位置のロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-19-44.png

【向きのロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-30-26.png

方位角をクラス化したものの、分類ロス計算する

【クラス分類のロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-19-51.png

$p^a$は、anchor boxのクラス確率
$\alpha$ = 0.25
$\gamma$ = 0.2

【総合のロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-19-58.png

$\beta$loc = 2
$\beta$cls = 1
$\beta$dir = 0.2

Experimental Setup

Setting

pillarの寸法:0.16m * 0.16m
pillarの最大数:12000
ひとつのpillarにおける最大の点数: 100

Data Augmentation

訓練はKITTIデータ・セットを用いて行う
augmentationはどうやるのか?

以下の手順で行う

  1. 各クラスに所属する点群リストのテーブルをデータセット全体から作成する
    • 例:車、というクラスに対して、フレーム0~100の車属性の物体が並び、それぞれに点群が紐付いている
  2. 訓練するフレームに、ランダムで上記テーブルから物体を呼び出す
  3. さらにフレームに存在するground truthと、付け加えた物体の位置をずらす、回転を加える
  4. 車両進行方向へのミラーリング、点群全体の回転、スケーリング
  5. 点群全体の並進移動

Realtime Inference

計算のステップと処理時間は下記の通り
実装はpytorchで行われている

  • 点群の読み込み、距離のクロッピング 1.4ms
  • 点をピラーに分割する 2.7ms
  • PointPillar tensorがGPUへアップロードされる 2.9ms
  • encoding 1.3ms
  • pseudo-imageへ変換する 0.1ms
  • backbone & detection head 7.7ms
  • non maximum suppression 0.1ms

PointPillarsはi7 Intel CPU + GTX1080Tiにて、16.2ms/frameの処理速度(車両前方の点群のみ)
高速化のテクニックは?

Encoding

前述のPillar feature netの処理にかかる時間が1.3ms
(厳密には(D,P,N)tensorを(C,H,W)tensorに変換するまでの時間)

VoxelNet(190ms)やSECOND(50ms)のエンコード処理時間を大幅に短縮

Slimmer Design

PointPillarsはPointNetの使用を一回に抑えている。
VoxelNetはPointNetを2回連続で使用しているのに対して高速。

また、PointsNetの出力である(C,H,W)tensor のC項を64に設定することで高速化、
さらに、2D CNN back boneではアップサンプリングを128に設定することで高速化。
この値はどれもオリジナルの半分以下だが、検出性能の低下がなかった。

TensorRT

前述のPointPillarsの処理パイプライン:

  • Pillar Feature Net: 点群をスパースなpseudo imageに変換する
  • Backbone (2D CNN): pseudo imageをハイレベル特徴量へ変換する
  • Detection Head(SSD): 検出と3Dボックスへの回帰を行う

これらGPUを使用する処理をTensorRT(GPU推論に最適化されたライブラリ)を使用して高速化。
これにより50%の高速化に成功。

まとめ

以上がPointPillars論文の解説でした、
簡単にまとめると

  • 3D点群から3D物体ボックスを出力するアルゴリズム
  • 3D点群を、pillarで分割し、2D CNNに入力できるように畳み込み、クラス分類と検出を行う
  • 2Dでの取扱いを行うエンコーダと、PointNetの使用回数を1回に留めること、TensorRTの利用で非常に高速な処理が可能になった

3D点群の処理は非常に重く、どうやって高速化しているのかが非常に気になっていました。
3Dを柱に分割して、畳み込んで2Dのフレームワークに落とし込む、というのがPointPillarsのキモみたい。
また点群のdata augmentationも、他のフレームの物体を召喚する!感じでなかなか面白い!
デスクトップPCで62Hz~105Hz出るアルゴなので、車両搭載では、組み込み端末であること、全周囲の点群があることを差し引いて
どれくらいの速度で動くのかカギになりますね

2Dに畳み込むというアイデアを応用すれば、
Waymoデータセットに付随しているLIDARのelongationなんかも、足してみると検出性能あがったり...?
夢が膨らむよね。(処理速度落ちるんだろうな...)

Screenshot from 2019-10-05 00-43-58.png

次回はPointPillars実装を見ていくぞ!(Waymo datasetで使えるようになるのを目指すぞ!)
それでは〜

次記事:PointPillars 訓練から評価まで

54
46
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
54
46

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?