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LIDAR点群から高速で3D物体検出! PointPillarsを解説するっ!

Last updated at Posted at 2019-10-04

今回は、3D点群から物体を見つけるアルゴ、PointPillarsを解説するぞ。
え、なんのためにするかって?

自動運転に使うためさ!(そしてWaymoデータセットで訓練したいZE・ω・)
Waymoデータセット知りたい方はこちら
Waymo自動運転車のデータセットを可視化するんだよ!

Waymo大先生のデータセットつかって、物体検出したいけど、何を使えばいいのやら...
そしたら3D物体検出のState-of-the-artを調べると、PointPillarsがでてきて気になるぞ!
PointPillars

タピオカとPointPillarsどちらが素晴らしいのか!
それではPointPillarsの世界へようこそ!

  • PointPillarsの仕組みは?
  • 点群のData augmentationはどうやる?
  • 計算の高速化テクニックは?

気になった人はLet's DIVE IN!!!!
(間違っているところあったら教えてね)
Screenshot from 2019-10-04 10-45-50.png

この記事ですること

  • PointPillarsの解説
    • Abstract
    • Introduction
    • PointPillars Network
    • Implementation Details
    • Experimental Setup
    • Realtime Inference
    • まとめ

※論文に沿って原理、仕組みを解説していきます、実装関連は次回にします

論文リンク 発表は2018年末
PointPillars: Fast Encoders for Object Detection from Point Clouds

Abstract

PointPillarsの特徴

  • 3Dの点群から物体検出を行う
  • PointNetsと呼ばれるネットワーク構造を使用して、点群を縦の柱の集合体にみたてる
  • LIDAR点群のみ使ったアルゴだが、フュージョンアルゴと比べてもいい性能が出る
  • 動作が早い、KITTIベンチマーク(3D,bird's Eye view)を62Hz

Screenshot from 2019-10-04 11-02-47.png

上図では”PP"(PointPillars)がKITTIテストデータの各種物体検出において
検出性能と検出速度の両方において優れているのがわかる。
対抗馬は
M: MV3D
A: AVOD
C: ContFuse
V: VoxelNet
F: Frunstum PointNet
S: SECOND
P+: PIXOR++

Introduction

DeepLearningの技術が3D点群を処理する方法は過去に考えられてきた。
過去の点群から物体検出する論文に共通する点は

  • 点群はスパースであること、画像は非常に密であること
  • 点群は3Dで、画像は2Dであること

点群を2Dに見立てる研究は過去にもされており、下記のような種類がある

  • 点群を鳥瞰視点に変換して物体検出するもの
  • 点群を主観視点に変換して物体検出するもの

最近では鳥瞰視点を用いたものが流行っている
長所:

  • サイズがはっきりわかる
  • 近傍ではオクルージョンが少ない

短所:

  • 非常に点がスパースであるため、単純にCNNに入れるのではうまくいかない

上記の短所を解決するために、
VoxelNetやPointNetという手法がある、
しかしそれらは処理速度が非常に遅いのが問題点であった。

上記問題点を解決するために、PointPillarsを提案する。
下記は特徴:

  • 2D convolution layerを用いたend2end 3D物体検出、2Dベースのため計算が高速
  • 点群を縦柱(pillar)に見立てて3Dで物体の検出をする
  • pillarで扱うことによりvoxelのように点群の高さを区切るビンの高さ設定が不要になった

Point Pillars Network

Screenshot from 2019-10-04 14-34-40.png

PointPillarsの入出力
入力:3D点群
出力:3Dバウンディングボックス(車、歩行者、サイクリスト)

3つのメインステージ

  • Pillar Feature Net: 点群をスパースなpseudo imageに変換する
  • Backbone (2D CNN): pseudo imageをハイレベル特徴量へ変換する
  • Detection Head(SSD): 検出と3Dボックスへの回帰を行う

PointCloud to Pseudo-Image

2D CNNで点群を扱うためには、まず点群をpseudo-imageへ変換する。
Screenshot from 2019-10-04 15-53-30.png

l:点群の中の点
x,y,z,r: 点に付随する位置と、反射強度の値

xy平面上をpillar, Pで分割する。(pillarで表現するため、Z側の高さは必要ない)
(例:0.16m * 0.16m等)

pillar内の点は下記の値を計算する
xc, yc, zc: pillar内のすべての点の座標の平均からの距離
xp, yp: pillar中心からのオフセット

上記の計算を終えて、点lは9次元の値を持つ。Screenshot from 2019-10-04 23-19-51.png

これにより、tensor sizeは、size(D,P,N)となる
D x P x N = 単点が保有する次元数(9) x 点の存在するpillarの数 x pillarに存在する点の数

(D, P, N) tensorをPointNetにかけて(Linear layer→Batch-Norm→ReLu)、(C, P, N) tensorを取得
CはPointNet出力の全結合層のレイヤ数に依存する
Cを取得した後、(C,H,W)のpseudo-imageに変換する(H,W)は鳥瞰視点でみたキャンバスサイズ。

(C,H,W)にすることで、通常の色画像と似た扱いが可能になる。

Backbone(2D CNN)

Screenshot from 2019-10-04 15-54-08.png
Backboneは主に2つのネットワークで構成されている

  • top-down network: 段階的に次元数を下げていき、各段階で特徴抽出する。
  • second network: top-downの各段階の特徴量のupsampling, concatenationを行う

(C,H,W)のpsuedo画像を、(6C, H/2, W/2)のtensorに変換する

Detection Head(SSD)

ここではsingle shot detectorを使用する。
SSDのprior boxと、真値2D BoxのIoUを使用してマッチングさせる。
マッチング結果から、クラス分類、物体の位置と高さを推論する

Implementation Details

Loss Functions

ロス関数は、SECONDの論文に準拠する
3つの要素のロス関数がある

  • 位置
  • クラス
  • 向き

3D boxは、ground truthとanchor box含め下記で表現する
Screenshot from 2019-10-04 23-16-00.png

各要素のerrorは下記で計算する

Screenshot from 2019-10-04 23-14-43.png

gtはground truth, aはanchor boxを示す
Screenshot from 2019-10-04 23-26-49.png

【位置のロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-19-44.png

【向きのロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-30-26.png

方位角をクラス化したものの、分類ロス計算する

【クラス分類のロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-19-51.png

$p^a$は、anchor boxのクラス確率
$\alpha$ = 0.25
$\gamma$ = 0.2

【総合のロス関数】
Screenshot from 2019-10-04 23-19-58.png

$\beta$loc = 2
$\beta$cls = 1
$\beta$dir = 0.2

Experimental Setup

Setting

pillarの寸法:0.16m * 0.16m
pillarの最大数:12000
ひとつのpillarにおける最大の点数: 100

Data Augmentation

訓練はKITTIデータ・セットを用いて行う
augmentationはどうやるのか?

以下の手順で行う

  1. 各クラスに所属する点群リストのテーブルをデータセット全体から作成する
    • 例:車、というクラスに対して、フレーム0~100の車属性の物体が並び、それぞれに点群が紐付いている
  2. 訓練するフレームに、ランダムで上記テーブルから物体を呼び出す
  3. さらにフレームに存在するground truthと、付け加えた物体の位置をずらす、回転を加える
  4. 車両進行方向へのミラーリング、点群全体の回転、スケーリング
  5. 点群全体の並進移動

Realtime Inference

計算のステップと処理時間は下記の通り
実装はpytorchで行われている

  • 点群の読み込み、距離のクロッピング 1.4ms
  • 点をピラーに分割する 2.7ms
  • PointPillar tensorがGPUへアップロードされる 2.9ms
  • encoding 1.3ms
  • pseudo-imageへ変換する 0.1ms
  • backbone & detection head 7.7ms
  • non maximum suppression 0.1ms

PointPillarsはi7 Intel CPU + GTX1080Tiにて、16.2ms/frameの処理速度(車両前方の点群のみ)
高速化のテクニックは?

Encoding

前述のPillar feature netの処理にかかる時間が1.3ms
(厳密には(D,P,N)tensorを(C,H,W)tensorに変換するまでの時間)

VoxelNet(190ms)やSECOND(50ms)のエンコード処理時間を大幅に短縮

Slimmer Design

PointPillarsはPointNetの使用を一回に抑えている。
VoxelNetはPointNetを2回連続で使用しているのに対して高速。

また、PointsNetの出力である(C,H,W)tensor のC項を64に設定することで高速化、
さらに、2D CNN back boneではアップサンプリングを128に設定することで高速化。
この値はどれもオリジナルの半分以下だが、検出性能の低下がなかった。

TensorRT

前述のPointPillarsの処理パイプライン:

  • Pillar Feature Net: 点群をスパースなpseudo imageに変換する
  • Backbone (2D CNN): pseudo imageをハイレベル特徴量へ変換する
  • Detection Head(SSD): 検出と3Dボックスへの回帰を行う

これらGPUを使用する処理をTensorRT(GPU推論に最適化されたライブラリ)を使用して高速化。
これにより50%の高速化に成功。

まとめ

以上がPointPillars論文の解説でした、
簡単にまとめると

  • 3D点群から3D物体ボックスを出力するアルゴリズム
  • 3D点群を、pillarで分割し、2D CNNに入力できるように畳み込み、クラス分類と検出を行う
  • 2Dでの取扱いを行うエンコーダと、PointNetの使用回数を1回に留めること、TensorRTの利用で非常に高速な処理が可能になった

3D点群の処理は非常に重く、どうやって高速化しているのかが非常に気になっていました。
3Dを柱に分割して、畳み込んで2Dのフレームワークに落とし込む、というのがPointPillarsのキモみたい。
また点群のdata augmentationも、他のフレームの物体を召喚する!感じでなかなか面白い!
デスクトップPCで62Hz~105Hz出るアルゴなので、車両搭載では、組み込み端末であること、全周囲の点群があることを差し引いて
どれくらいの速度で動くのかカギになりますね

2Dに畳み込むというアイデアを応用すれば、
Waymoデータセットに付随しているLIDARのelongationなんかも、足してみると検出性能あがったり...?
夢が膨らむよね。(処理速度落ちるんだろうな...)

Screenshot from 2019-10-05 00-43-58.png

次回はPointPillars実装を見ていくぞ!(Waymo datasetで使えるようになるのを目指すぞ!)
それでは〜

次記事:PointPillars 訓練から評価まで

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