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2025年にQiitaで流行した技術スタック30選アドベントカレンダー TypeScript

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はじめに

2025年のTypeScriptは、単なる「型付きJavaScript」から大きく進化を遂げた1年でした。パフォーマンスの劇的な向上、開発体験の改善、そしてエコシステム全体の成熟化。この記事では、2025年のTypeScriptにおける主要なトピックスと、その影響を振り返ります。

2025年のTypeScript - 最大のトピック

1. TypeScript 7.0とProject Corsa - 10倍の高速化を実現

2025年最大のニュースは、TypeScriptコンパイラと言語サービスのネイティブコード移行プロジェクト「Project Corsa」の進展でした。

MicrosoftはTypeScript 7.0に向けて、従来のTypeScript実装からGo言語ベースのネイティブ実装への移植を進めています。この新しいコンパイラは10倍高速なコンパイル速度を実現するとされ、大規模プロジェクトでの開発効率が飛躍的に向上する見込みです。

主な特徴:

  • 圧倒的なパフォーマンス向上: エディタでTypeScriptプロジェクトを開いてコードを書き始められるまでの時間が約8分の1に短縮され、メモリ使用量も半分以上削減
  • 完全な後方互換性: 古いバージョンでコンパイルできたコードは新しいバージョンでもコンパイル可能という方針を堅持
  • 実用的なプレビュー版: 2025年12月時点で、自動インポート、全参照検索、リネームなどの主要機能が実装済み

リリースロードマップ:

  • TypeScript 5.9: 2025年8月リリース(現在の最新バージョン)
  • TypeScript 6.0: TypeScript 7.0への移行を準備する橋渡しバージョン
  • TypeScript 7.0: 2025年後半を目標にリリース予定(Project Corsaベース)

TypeScript 6.0は非推奨機能の整理と型チェック動作の調整が行われる予定で、5.9から7.0へのスムーズな移行をサポートします。

2. TypeScript 5.9の登場 - 開発体験の大幅改善

2025年8月1日にリリースされたTypeScript 5.9は、開発体験を重視した複数の新機能を搭載しました。

import deferのサポート

Stage-3のECMAScript提案である遅延モジュール評価をサポートし、モジュールの読み込みと実行を実際にアクセスされるまで遅延できるようになりました。

import defer * as heavyModule from "./heavy-feature.js";

// モジュールはまだ実行されていない
// 初めてアクセスした時点で評価される
console.log(heavyModule.someConstant);

大規模アプリケーションでの起動パフォーマンス向上に貢献します。

展開可能なホバー(Expandable Hovers)

深くネストされた型情報を段階的に展開表示できる機能が追加されました。VS Codeなどのエディタでホバーツールチップに「+」「-」ボタンが表示され、必要に応じて型情報を深く掘り下げることが可能になりました。

これにより、複雑な型定義ファイルへのジャンプなしに型情報を確認できるようになり、特に初心者にとって大きな改善となりました。

--module node20オプション

Node.js v20の動作をモデル化した安定的なモジュール解決オプションが追加されました。nodenextオプションと異なり、将来的な動作変更の可能性が低い安定したオプションです。

DOM APIのサマリー説明

MDNドキュメントベースのDOM APIの要約説明がエディタ内で表示されるようになり、Web APIの理解が容易になりました。

パフォーマンス最適化

ZodやtRPCのような複雑なライブラリでの型インスタンス化のキャッシング機能が追加され、大幅なパフォーマンス向上を実現しました。

2025年のTypeScriptエコシステム

Bun + TypeScriptの台頭

BunはJavaScript実行環境、パッケージマネージャ、TypeScript実行環境、バンドラー、テストランナーのオールインワンツールとして、2025年に大きな存在感を示しました。

従来のNode.js + pnpm + tsx + vite + vitestのような構成に比べて、初期構築コストが大幅に削減され、サクッと試したいプロジェクトでの採用が進みました。

# TypeScriptファイルを直接実行
bun run index.ts

# REPLでTypeScriptを試す
bun repl

BiomeによるLintとFormat統合

BiomeはESLintとPrettierを1つで置き換えられるツールとして注目を集めました。ESLintに比べるとカスタマイズ性は劣るものの、設定の簡単さから多くのプロジェクトで採用されています。

ESMへの完全移行

2025年はTypeScriptが完全にECMAScript Modules(ESM)を採用した年となりました。新規プロジェクトはデフォルトでESMとなり、Node.js、Deno、ブラウザとの相互運用性が向上しました。

// モダンなTypeScript ESM
import { getData } from './utils.js';

export function fetchSomething() {
  return getData();
}

バックエンドとエッジでのTypeScript

DenoとBunがTypeScriptをネイティブサポートし、Node.jsの高速で安全な代替として注目されました。また、Vercel EdgeやCloudflare WorkersなどのエッジコンピューティングプラットフォームでもTypeScriptが標準となりました。

tRPCとZodの組み合わせによる型安全なAPI開発も一般化しました。

// tRPC + Zodで型安全なAPI
import { initTRPC } from '@trpc/server';
import { z } from 'zod';

const t = initTRPC.create();

const appRouter = t.router({
  getUser: t.procedure
    .input(z.object({ id: z.string() }))
    .query(({ input }) => ({ id: input.id, name: 'John Doe' })),
});

TypeScript vs JavaScript - 2025年の視点

2025年のツーリングは非常に優れており、TypeScriptとJavaScriptの切り替えがこれまで以上に容易になりました。

TypeScriptが適している場面:

  • 本番環境のアプリケーション
  • チームプロジェクト
  • 複雑なデータ処理
  • 金銭を扱うシステム

JavaScriptが適している場面:

  • 超高速なプロトタイピング
  • 学習段階
  • 個人の週末プロジェクト
  • シンプルな自動化スクリプト

重要なのは技術的な哲学ではなく、プロジェクトのニーズに応じて適切なツールを選択することです。

開発ベストプラクティス 2025

2025年のTypeScript開発では、以下のような原則が重視されています。

境界での検証

バリデーションロジックを境界(APIエンドポイント、ファイル読み込みなど)に配置することで、制御フローを健全に保つことが推奨されています。

interface Request {
  body: unknown;
}

class Service {
  action(body: unknown) {
    if (body !== null && typeof body === "object") {
      if ("name" in body) {
        const typedBody = body as { name: string };
        // typedBody.nameを文字列として使用可能
      }
    }
  }
}

例外の適切な使用

「例外的な状況にのみ例外を使用する」という原則が強調されました。エラーハンドリングには、Result型パターンなどの代替手段も広く採用されています。

まとめ

2025年のTypeScriptは、パフォーマンス、開発体験、エコシステムの全ての面で大きく成長しました。特にProject Corsaによる10倍の高速化は、大規模プロジェクトでの開発効率を革新的に改善する可能性を秘めています。

TypeScript 5.9の各種機能改善は、日々の開発をより快適にし、TypeScript 7.0への移行準備も着実に進んでいます。Bun、Biome、tRPCなどの周辺ツールの成熟により、TypeScriptエコシステム全体がより使いやすく、より強力になりました。

2026年には、TypeScript 7.0の正式リリースが期待されます。ネイティブコンパイラによる圧倒的なパフォーマンス向上が、TypeScript開発の新しい標準となる日も近いでしょう。

参考資料

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