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2025年にQiitaで流行した技術スタック30選アドベントカレンダー Kubernetes (K8s)

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はじめに

2025年、Kubernetesはコンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードとしての地位をさらに確固たるものにしました。クラウドネイティブアプリケーションの基盤として、エンタープライズからスタートアップまで幅広く採用が進んでいます。

この記事では、Kubernetesの基本から2025年の最新動向まで、実践的な視点で解説していきます。

Kubernetesとは

Kubernetesは、Googleが開発し、現在はCloud Native Computing Foundation (CNCF)が管理するオープンソースのコンテナオーケストレーションプラットフォームです。コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理を自動化します。

主な特徴

自動スケーリング: 負荷に応じてPodの数を自動的に増減させるHorizontal Pod Autoscaler (HPA)や、リソース使用量に基づいてノードを追加するCluster Autoscalerにより、効率的なリソース管理が可能です。

セルフヒーリング: コンテナの障害を検知し、自動的に再起動や再配置を行うことで、高い可用性を実現します。ヘルスチェック機能により、アプリケーションの健全性を常に監視できます。

宣言的な設定: YAMLやJSONで望ましい状態を定義すると、Kubernetesが現在の状態をその状態に近づけるよう動作します。この「望ましい状態」の概念により、インフラの管理が大幅に簡素化されます。

ポータビリティ: オンプレミス、パブリッククラウド、ハイブリッド環境など、どこでも一貫した方法でアプリケーションを実行できます。ベンダーロックインを避けることができるのも大きな利点です。

基本的なアーキテクチャ

Kubernetesクラスターは、コントロールプレーンとワーカーノードで構成されます。

コントロールプレーンの主要コンポーネントには、クラスター全体の状態を保存する分散キーバリューストアのetcd、APIリクエストを処理するkube-apiserver、Podの配置を決定するkube-scheduler、望ましい状態を維持するkube-controller-managerがあります。

ワーカーノードでは、各ノード上でコンテナを実行するkubelet、ネットワークルールを管理するkube-proxy、そしてコンテナランタイム(containerdやCRI-Oなど)が動作します。

2025年のKubernetesトレンド

2025年、Kubernetesエコシステムは大きく進化しました。最新情報を確認してみます。2025年のKubernetesは、企業での採用が加速し、クラウドネイティブエコシステムの中心としての地位をさらに強固にしました。いくつかの重要なトレンドと出来事を見ていきましょう。

Kubernetes v1.35 "Timbernetes"リリース

2025年12月17日にKubernetes v1.35がリリースされました。このリリースでは60の機能拡張が含まれ、特に以下の機能が注目されています。

In-Place Pod Vertical Scaling (GA): 6年以上の開発期間を経て、Podを再起動せずにCPUとメモリリソースを調整できる機能が一般提供されました。これにより、ステートフルアプリケーションやバッチ処理のワークロードで、リソース変更時のダウンタイムを回避できるようになりました。

Dynamic Resource Allocation (DRA): AI/MLワークロードの増加に伴い、GPUやAIアクセラレータなどの特定デバイスの属性を理解し、ローカリティを考慮したスケジューリングが可能になりました。従来のデバイスプラグインでは利用可能なデバイスの数しか提供できませんでしたが、DRAでは各デバイスの詳細な属性情報を活用できます。

Gang Scheduling (Alpha): 大規模なAIワークロードに向けて、相互依存する複数のPodを同時にスケジューリングする機能が導入されました。これにより、分散学習などの用途で効率的なリソース活用が可能になります。

クラウド採用の加速

2025年には、Kubernetesクラスターの3分の2がクラウドでホストされるようになり、2022年の45%から大幅に増加しました。この変化は、クラウドネイティブコンピューティングとコンテナ化されたアプリケーションが、現代のITとビジネス運用の標準となったことを示しています。

セキュリティの強化

Kubernetesセキュリティツールの採用率は、2022年の35%未満から2024年には50%を超えるまで急増しました。2025年には、認証、認可、ワークロード分離に関する複数の機能が安定版に昇格し、本番環境でのセキュリティ強化が進みました。

AI/MLワークロードの統合

MicrosoftはAKS(Azure Kubernetes Service)にAI機能を統合し、RAG(Retrieval-Augmented Generation)サポートやマルチクラスター管理を発表しました。また、Kubernetes AI Toolchain OperatorやHeadlampといったオープンソースプロジェクトへの貢献を通じて、Kubernetes上でのAIワークロード実行が容易になっています。

Internal Developer Platform (IDP)の台頭

開発環境のプロビジョニングを効率化するIDPの採用率が10%を超え、新たなカテゴリーとして登場しました。今後数年で採用がさらに増加すると予想されています。

Ingress NGINXの廃止

SIG NetworkとSecurity Response Committeeは、Ingress NGINXの廃止を発表しました。2026年3月までベストエフォートでのメンテナンスが継続されますが、今後はGateway APIへの移行が推奨されています。

実践的な活用シーン

マイクロサービスアーキテクチャ

87%の組織がマイクロサービスを使用しており、そのうち95%がKubernetes上でマイクロサービスを実行しています。Kubernetesは、各サービスを独立して更新、スケール、再起動できるため、複雑なアプリケーションの管理を簡素化します。

apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: user-service
spec:
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: user-service
  template:
    metadata:
      labels:
        app: user-service
    spec:
      containers:
      - name: user-service
        image: myapp/user-service:v1.2.0
        ports:
        - containerPort: 8080
        resources:
          requests:
            memory: "256Mi"
            cpu: "250m"
          limits:
            memory: "512Mi"
            cpu: "500m"
        livenessProbe:
          httpGet:
            path: /health
            port: 8080
          initialDelaySeconds: 30
          periodSeconds: 10

CI/CDパイプラインとの統合

Kubernetesは、継続的インテグレーション・デリバリーのワークフローと自然に統合できます。GitOpsアプローチを採用することで、Gitリポジトリをシステムの信頼できる唯一の情報源として扱い、宣言的な設定を通じてアプリケーションのデプロイを自動化できます。

apiVersion: argoproj.io/v1alpha1
kind: Application
metadata:
  name: myapp
  namespace: argocd
spec:
  project: default
  source:
    repoURL: https://github.com/myorg/myapp
    targetRevision: HEAD
    path: k8s
  destination:
    server: https://kubernetes.default.svc
    namespace: production
  syncPolicy:
    automated:
      prune: true
      selfHeal: true

ステートフルアプリケーション

StatefulSetを使用することで、データベースやメッセージキューなどのステートフルなワークロードもKubernetes上で実行できます。71%のユーザーがKubernetesでデータベースを使用しています。

apiVersion: apps/v1
kind: StatefulSet
metadata:
  name: postgresql
spec:
  serviceName: postgresql
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: postgresql
  template:
    metadata:
      labels:
        app: postgresql
    spec:
      containers:
      - name: postgresql
        image: postgres:14
        ports:
        - containerPort: 5432
        volumeMounts:
        - name: data
          mountPath: /var/lib/postgresql/data
  volumeClaimTemplates:
  - metadata:
      name: data
    spec:
      accessModes: ["ReadWriteOnce"]
      resources:
        requests:
          storage: 10Gi

コスト最適化のベストプラクティス

組織がコストを管理する主な方法として、手動プロセスの自動化が65%、コンテナ化が62%、CI/CDが61%となっています。以下のような戦略を組み合わせることで、効果的にコストを削減できます。

リソースリクエストとリミットの適切な設定: アプリケーションの実際の使用量に基づいて、適切なリソース設定を行います。過剰な設定はコストの無駄につながります。

Horizontal Pod Autoscalerの活用: 負荷に応じて自動的にPod数を調整することで、必要なリソースだけを使用します。

Cluster Autoscaler: ノード数を動的に調整し、未使用のノードを削除してコストを削減します。

Karpenterの採用: AWS環境では、Karpenterを使用することで、アプリケーションのワークロードに基づいてクラスターの効率性と可用性を向上させることができます。

スポットインスタンスの活用: 本番環境以外のワークロードでは、クラウドプロバイダーのスポットインスタンスを使用してコストを大幅に削減できます。

監視とオブザーバビリティ

77%のユーザーがオブザーバビリティツールを使用しています。Kubernetes環境では、複数の層にわたる可視性が重要です。

メトリクス収集: Prometheusを使用してメトリクスを収集し、Grafanaで可視化します。クラスター、ノード、Pod、コンテナレベルのメトリクスを監視できます。

ログ管理: Fluentd、Fluent Bit、またはLogstashを使用してログを集約し、Elasticsearch、Loki、またはクラウドプロバイダーのログサービスに送信します。

分散トレーシング: JaegerやZipkinを使用して、マイクロサービス間のリクエストフローを追跡し、パフォーマンスのボトルネックを特定します。

サービスメッシュ: 31%のユーザーが高度なネットワーキングのためにサービスメッシュを使用しています。IstioやLinkerdは、トラフィック管理、セキュリティ、オブザーバビリティ機能を提供します。

セキュリティのベストプラクティス

Kubernetesのセキュリティは多層的なアプローチが必要です。

ネットワークポリシー: Podレベルでのネットワークトラフィックを制御し、最小権限の原則を適用します。

Pod Security Standards: PodのセキュリティコンテキストとSecurityContextConstraintを使用して、コンテナが実行できる操作を制限します。

Role-Based Access Control (RBAC): きめ細かなアクセス制御を実装し、ユーザーとサービスアカウントが必要最小限の権限のみを持つようにします。

イメージセキュリティ: 信頼できるレジストリからのイメージのみを使用し、定期的に脆弱性スキャンを実施します。

シークレット管理: Kubernetes Secretsや外部シークレット管理ツール(HashiCorp Vault、AWS Secrets Managerなど)を使用して、機密情報を安全に管理します。

apiVersion: v1
kind: Secret
metadata:
  name: db-credentials
type: Opaque
data:
  username: YWRtaW4=
  password: cGFzc3dvcmQxMjM=
---
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: app
spec:
  template:
    spec:
      containers:
      - name: app
        image: myapp:latest
        env:
        - name: DB_USERNAME
          valueFrom:
            secretKeyRef:
              name: db-credentials
              key: username
        - name: DB_PASSWORD
          valueFrom:
            secretKeyRef:
              name: db-credentials
              key: password

まとめ

2025年のKubernetesは、エンタープライズでの採用が進み、AI/MLワークロードのサポートが強化され、セキュリティとオブザーバビリティが向上しました。In-Place Pod Vertical ScalingやDynamic Resource Allocationなどの新機能により、より効率的で柔軟なリソース管理が可能になっています。

クラウドネイティブアプリケーションの開発と運用において、Kubernetesは不可欠なプラットフォームとなりました。適切なツールとベストプラクティスを組み合わせることで、スケーラブルで信頼性の高いシステムを構築できます。

2026年に向けて、Kubernetesエコシステムはさらなる進化を続けるでしょう。特にAI/MLワークロードのサポート、エッジコンピューティング、そしてマルチクラウド環境での運用が重要なテーマになると予想されます。

参考リンク

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