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2025年にQiitaで流行した技術スタック30選アドベントカレンダー Svelte / SvelteKit

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はじめに

2025年のSvelte/SvelteKitは、フレームワークの歴史における最大の転換点となりました。Svelte 5のリリースにより、Runesという新しいリアクティビティシステムが導入され、開発体験が大きく向上しました。本記事では、2025年に起きたSvelte/SvelteKitの重要な出来事と、なぜこのフレームワークが多くの開発者に愛され続けているのかを解説します。

Svelte/SvelteKitとは?

Svelteは、仮想DOMを使わずにコンパイル時に最適化されたJavaScriptを生成する、モダンなUIフレームワークです。ReactやVueと異なり、実行時のフレームワークコードを最小限に抑えることで、驚くほど高速で軽量なアプリケーションを構築できます。

SvelteKitは、Svelteの公式フルスタックフレームワークで、Next.jsやNuxt.jsに相当します。SSR、SSG、ルーティング、APIエンドポイントなど、本格的なWebアプリケーション開発に必要な機能を提供します。

なぜSvelte/SvelteKitが注目されているのか?

Stack OverflowやState of JS調査で、数年連続で「最も愛されているフロントエンドフレームワーク」に選ばれているSvelte。その人気の理由は主に3つです。

  1. シンプルさ: HTMLに近い直感的な構文
  2. パフォーマンス: コンパイル時最適化による軽量なバンドル
  3. 開発体験: 少ないボイラープレートで生産性が高い

2025年の主要アップデート

1. Svelte 5とRunesの正式リリース

2025年最大のトピックは、Runesシステムの導入です。Runesは、Svelteのリアクティビティを制御するための新しいAPIで、$state$derived$effectなどの「魔法のシンボル」として機能します。

従来のSvelte 4

<script>
  let count = 0;
  $: doubled = count * 2;
  
  $: {
    if (count > 5) {
      alert('Count is too high!');
    }
  }
</script>

<button on:click={() => count++}>
  clicks: {count}
</button>

Svelte 5のRunes

<script>
  let count = $state(0);
  let doubled = $derived(count * 2);
  
  $effect(() => {
    if (count > 5) {
      alert('Count is too high!');
    }
  });
</script>

<button onclick={() => count++}>
  clicks: {count}
</button>

この変更により、リアクティビティが明示的で予測可能になり、リファクタリングが容易になりました。また、Universal Reactivity(ユニバーサルリアクティビティ)により、.svelteファイルだけでなく、通常の.jsファイルでもRunesを使用できるようになりました。

2. Async Components(非同期コンポーネント)

2025年8月、Async Svelteが正式リリースされました。これにより、コンポーネント内で直接awaitを使用できるようになり、データフェッチのボイラープレートが劇的に削減されました。

<script>
  import { getUser } from './api.js';
  
  let userId = $state(1);
  let user = $state();
  
  async function loadUser(id) {
    user = await getUser(id);
  }
  
  $effect(() => {
    loadUser(userId);
  });
</script>

{#if user}
  <h1>{user.name}</h1>
{:else}
  <p>Loading...</p>
{/if}

3. Remote Functions(リモート関数)

同じく8月に導入されたRemote Functionsは、型安全なサーバー通信を実現する革新的な機能です。GraphQLやtRPCのような複雑さなしに、クライアントから直接サーバー関数を呼び出せます。

// src/lib/server/db.js
export async function getUser(id) {
  // サーバー専用のコード(データベースアクセスなど)
  return await db.users.find(id);
}
<!-- +page.svelte -->
<script>
  import { getUser } from '$lib/server/db.js';
  
  let user = $state();
  
  async function loadUser(id) {
    user = await getUser(id); // 型安全、自動的にサーバーで実行
  }
</script>

APIルートを作成する必要がなく、型定義も自動的に維持されます。内部アプリケーションロジックに最適です。

4. OpenTelemetryのサポート

9月、SvelteKitにOpenTelemetryの組み込みサポートが追加されました。instrumentation.server.tsを通じて、本番環境での包括的なオブザーバビリティが実現できるようになりました。

5. その他の重要な機能追加

3月

  • WebSocketのネイティブサポート(実験的)
  • $props.id()によるSSR安全なID生成

4月

  • 書き込み可能な$derivedステートメント
  • eslint-plugin-svelte v3リリース(Svelte 5サポート強化)

5月

  • Cloudflareアダプターの統合(2つのアダプターが1つに)
  • Vercelアダプターの改善(シンボリックリンク関数による可観測性向上)

7月

  • Vite 7とRolldownのサポート
  • Vitestブラウザモードのサポート

11月

  • $state.eager()ルーン: UIを即座に更新
  • fork API: オフスクリーンでの状態変更テスト

12月

  • hydratable API: サーバーとクライアント間のハイドレーション調整
  • print API: Svelte ASTノードをソースコードに変換

パフォーマンスの向上

Runesシステムへの移行により、以下のパフォーマンス改善が報告されています。

  • バンドルサイズ: 15〜30%削減
  • ツリーシェイキング: より効率的に
  • ランタイムパフォーマンス: 不要な再レンダリングの削減

明示的なリアクティビティにより、コンパイラがより効率的なコードを生成できるようになりました。

エコシステムの充実

2025年、Svelteエコシステムも大きく成長しました。

UIライブラリ

  • Skeleton v3.0: Svelte 5とTailwind 4サポート
  • Flowbite Svelte: データテーブルとWYSIWYGエディタ追加
  • Ark UI: ヘッドレスUIライブラリのSvelte版
  • shadcn-svelte: shadcn/uiのSvelte実装

開発ツール

  • Svelte MCP Server: AI開発を支援する公式MCPサーバー(11月リリース)
  • sv CLI: プロジェクト作成と管理を効率化する新CLI
  • Svelte Language Server: シンボル検索の改善

注目のプロジェクト

  • Svelte Flow 1.0: インタラクティブなフローチャート作成
  • Storybook 9: Svelte 5対応
  • TanStack Query Svelte v6: Runesベース

実際の採用事例

2025年、多くの企業やプロジェクトがSvelte/SvelteKitを採用しています。

  • ABC Australia: 「Deep Time」という大規模なインタラクティブ記事
  • Huly: プロジェクト管理プラットフォーム(LinearやJiraの代替)
  • Mathesar: PostgreSQLデータ管理のための直感的なインターフェース

移行は簡単?

Svelte 5は、後方互換性を重視して設計されています。

  • Svelte 4の構文は引き続きサポート
  • 段階的な移行が可能
  • 自動移行ツール(sv migrate)が提供されている
  • 新旧の構文を同じプロジェクト内で混在可能

ただし、開発者からは以下のような声も。

ポジティブな意見:

  • コードがより明示的で理解しやすい
  • リファクタリングが容易
  • TypeScriptとの統合が改善

ネガティブな意見:

  • Propsの記述がより冗長に
  • TypeScript利用時のボイラープレートが増加
  • 学習曲線がわずかに急に

Svelteの開発コミュニティ

Svelte Summitが2025年5月にバルセロナで開催され、10回目の節目を迎えました。オンラインと対面のハイブリッド形式で、世界中の開発者が集まりました。

また、毎月公開される「What's new in Svelte」ブログは、最新の機能やコミュニティプロジェクトを追跡する貴重な情報源となっています。

React、Vueとの比較

バンドルサイズ

Svelteは仮想DOMを持たないため、同等のアプリケーションでReactやVueよりも小さいバンドルサイズを実現します。

学習曲線

HTMLに近い構文のため、Webの基礎知識があれば比較的容易に習得できます。JSXやテンプレート構文に慣れる必要がありません。

エコシステム

ReactやVueに比べるとエコシステムは小さいですが、2025年は急速に成長し、主要なユースケースに対応するライブラリが揃ってきました。

これからSvelte/SvelteKitを始める方へ

インストール

# 最新のSvelte CLIをグローバルインストール
npm install -g sv@latest

# プロジェクト作成
sv create my-app

# プロジェクトディレクトリに移動
cd my-app

# 開発サーバー起動
npm run dev

推奨リソース

  1. 公式ドキュメント: https://svelte.dev/docs
  2. インタラクティブチュートリアル: https://learn.svelte.dev/
  3. Svelte Society: コミュニティリソースとイベント
  4. Joy of Code YouTube: Svelte関連の優れた動画チュートリアル

最初のコンポーネント

<script>
  let name = $state('world');
  let count = $state(0);
  
  let greeting = $derived(`Hello ${name}!`);
</script>

<h1>{greeting}</h1>

<input bind:value={name} />

<button onclick={() => count++}>
  Clicked {count} {count === 1 ? 'time' : 'times'}
</button>

<style>
  h1 {
    color: #ff3e00;
  }
</style>

Svelte/SvelteKitの未来

2025年のアップデートにより、Svelteは「興味深い選択肢」から「本格的なプロダクション対応プラットフォーム」へと進化しました。

今後期待される方向性:

  • さらなるパフォーマンス最適化: Runesシステムの継続的改善
  • エコシステムの拡大: より多くのライブラリとツール
  • エンタープライズ採用の増加: 大規模プロジェクトでの実績
  • AI統合の強化: MCP Serverなどの開発ツール

まとめ

2025年はSvelte/SvelteKitにとって歴史的な年となりました。Runesシステム、非同期コンポーネント、Remote Functionsなどの革新的な機能により、開発者体験とアプリケーションパフォーマンスの両方が大幅に向上しました。

「シンプルで高速、そして楽しい」というSvelteの哲学は、Svelte 5でさらに磨かれ、モダンWeb開発のあり方を再定義しています。

もしあなたがまだSvelteを試したことがないなら、2025年は始めるのに最適な年です。最も愛されているフレームワークと呼ばれる理由を、ぜひ自分の手で確かめてください。

参考リンク

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