第2章「マーケッターとUIUXの電撃採用」― プロンプトで専門家のペルソナを与えると何が変わるか
この記事は、個人開発サービス CheckMe(checkme.run) の開発物語です。
問題:アクセスはあるのに「何をすべきか」が分からない
公開直後、アクセスはポツポツ来ていた。でも何をすべきか、何が刺さっているか、全くわからなかった。Nginxのアクセスログはある。でもそれが「何を意味するか」を読み解く視点がなかった。
解決策:LLMにペルソナを与える
「世界補正クラスのトップマーケッター」 というペルソナをプロンプトで定義した。
あなたはWebサービスのグロースを専門とするトップマーケッターです。
以下のNginxアクセスログを分析し、
- ユーザーの課題仮説
- 今すぐ強化すべき機能
- 優先度の根拠
を提示してください。
[Nginxアクセスログ貼り付け]
普通のChatAIに「ログ分析して」と投げるのと、ペルソナを明確に定義して投げるのは全く違う。後者は「このキーワードで来ているユーザーは受験前の切迫感を持っている。今すぐここにフォーカスすべき」という判断付きの提案が返ってくる。
UIUXディレクターの採用
マーケッターが「何を作るか」を定義した後、UIUXトップディレクターを採用した。
彼女の診断結果(抜粋):
| 問題点 | 修正方針 |
|---|---|
| 入力フォームが不親切 | h1直下にシーン別即実行カードを配置 |
| ローディングアニメーションがない | 送信後は必ずスピナーを出す |
| フォームが常時展開されている |
<details>タグで折りたたむ |
| 1ページ離脱が多い | 関連ツールへの動線(チップUI)を追加 |
これらは技術の話ではない。設計の話だ。 技術的に実装可能かどうかを考えるより先に、「ユーザー体験として正しいか」を定義できる人(ペルソナ)が必要だった。
ペルソナ設計の実践的ポイント
LLMにペルソナを与えるときに効果的だったこと:
- 役職・専門性を具体的に定義する(「マーケッター」より「グロースハック専門のトップマーケッター」)
- コンテキストを全部渡す(ログ・URL・ターゲット層・現在の状況)
- アウトプット形式を指定する(優先度付きリスト、根拠付き)
- 同じセッションに複数ペルソナを呼ばない(役割が混ざる)
この章のエンジニア向けポイント
- LLMのペルソナ設計は「どんな専門家に相談したいか」をそのまま定義すれば良い
- データ(ログ)を渡して「意味の解釈」をさせるのが一番コスパが良い
- UIUXとロジック実装は分業できる。先にUIUXを固めてから実装するだけで品質が上がる
次章では、テストコードゼロ・STGなしのままで本番が崩壊した夜の話になる。