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Azure節約プラン(Savings Plan)の損益分界点

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Azure節約プラン(Savings Plan)の考え方について調べてみて、「1年または3年で1時間あたりどれくらいの金額をコミットするか決めて割引するもので、対象とするサービスやリージョン、SKUには縛られない」という仕組みだと理解しました。しかし、どういう利用シーンであれば割安になるのかがよくわからなかったため、整理してみました。

Azure節約プラン(Savings Plan)の仕組み、特長

  • 1時間あたり何ドル使うかを決める。その金額分はSavings Planの割引価格として利用量に対して適用される。Savings Planで賄えない利用分は通常の従量課金が適用される。
  • 1年か3年の期間でコミットする。3年の方が割引率が高い。
    例えば1時間1ドルで1年間コミットすると1ドル×約730時間x12か月分の金額が支払い確定する。(月払いか前払いか選択可)Savings Planではキャンセルができないので期間と金額は慎重に検討しなければならない。
  • Saving Planを適用するリソースは明示的に選択できない。Azure側で一番割引率が高くなるものに自動適用する。適用するスコープ(共有スコープ、管理グループ、サブスクリプション、リソースグループ)は選択できる。
  • 予約と違い、対象サービス、リージョン、SKUを指定する必要がなく、柔軟性は高い。ただし、Savings Planの対象となるものは決まっているので、利用したいものがSavings Planを適用できるかは事前に要確認

Azure節約プラン(Savings Plan)の料金計算方法

Microsoft公式ドキュメントに書いてありますが、なるほど、わからん…。

簡単な例で試算

よくわからないので、具体的な例で計算してみます。

1台のVMを全て節約プランで賄う場合

2026/9/16時点の以下SKUで試算してみます。1か月は730時間とします。

  • D16s v6(Ubuntu、Japan East)
  • 従量課金:$1.0420/時間
  • 節約プラン(1年):$0.7190/時間(31%引き)
  • 節約プラン(3年):$0.4793/時間(54%引き)

1年節約プランで$0.7190/時間をコミットしたとすると、従量課金の方が安くなる損益分界点は

$1.0420ドル × x時間 < 0.7190ドル × 730時間 $
→ $ x < 503.714時間 $

これはちょうど1か月の69%の時間であり、「1 - 節約プランによる割引率」と同じです。
月間69%以上の稼働があれば節約プランの方がお得、それよりも少なければ従量課金の方がお得となります。

3年だと月間46%以上の稼働があれば節約プランの方がお得、それよりも少なければ従量課金の方がお得となります。

平日10時間動かし、それ以外は停止する前提だと、10時間 × 5日 × 4週 = 200時間で月間稼働率は27.4%程度です。節約プランのほうがお得になるには結構VMを動かさないといけません。使わない時は停止するようにしている環境(例えば検証環境)だと節約プランは合わないことがわかりました。

1台のVMの一部だけ節約プランで賄う場合

節約プランは予約と違って1台のVMの利用料のうち、一部だけを節約プランで充当し、足らない部分は従量課金で支払うということができます。
D16s v6(Ubuntu、Japan East)に対し、0.1ドル分だけ節約プラン(1年)で充当した場合どうなるか試算してみます。

0.1ドル分の節約プランを適用すると「0.1ドル/0.7190ドル = 0.1390820台分」になります。
足らずの0.860918台分が従量課金で計算されます。

損益分界点は
$ 従量課金料金× x時間 < 1か月の節約プラン料金 + 0.861台分の従量課金料金×x時間 $
$ 1.042 x < 0.1 × 730 + 0.860918×1.042 x $
→ $ x<503.714 $

1台のVMを全て節約プランで賄う場合と同じです。

Azure節約プランの使いどころは?

稼働率が「1 - 節約プランによる割引率」を超える場合に安くなることがわかりました。節約プランの最大割引率は65%のようなので少なくとも全体としての稼働率は最低でも35%(255.5時間)を超えている必要があります。
整理すると以下のような感じでしょうか。

Azure節約プランが適切なケース

  • 全体で一定の稼働率があり、かつSKUの見直しが発生する
  • フォローザサンであったり、シフト制で常に一定台数が起動している
  • 課金停止できないPaaSを利用し、SKUの見直しが発生する、または予約が使えない

予約が適切なケース

  • 24時間365日起動しているのが基本であり、SKUは変更しない

従量課金が適切なケース

  • 平日日中帯のみ利用し、使わない時間はきちんと停止する
  • 1年や3年単位でAzure環境の利用方針がどうなるか全く読めない

正直なところ、Azure節約プランは解約不可といった制約が厳しいうえに仕組みがわかりにくく、予約を使うのと同じくらいの稼働率が必要になってくるけど予約と比べると割引率が低いので使いどころが難しいですね…。今後の改善に期待したいです。

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