LinuCシステムアーキテクト試験とは
LinuCシステムアーキテクト試験(LinuC-SA)は2023年11月にリリースされた新しい試験です。位置づけとしてはLinuc最上位試験となっていて、認定条件も以下のようになっています。
「有意なLinuCレベル2の認定」を持ち、かつ、「SA01試験」と「SA02試験」の両方に合格するとLinuCシステムアーキテクトに認定されます。受験する順番はどちらからでも構いません。
「有意なLinuCレベル2の認定」を持たずに LinuCシステムアーキテクトの2試験に合格した場合、その時点では認定されませんが、レベル2認定を取得した時点で LinuCシステムアーキテクト認定を取得できます。※認定されるためには2試験(SA01試験と SA02試験)を5年以内に合格する必要があります。
引用元:https://linuc.org/linucsa/
LinuCと名前はついていて上記のようにLinuC最上位試験の位置づけにはなっていますが、他のLinuC試験とは異なり、システムアーキテクトとしての総合力が試されるような内容になっています。LinuCといえばコマンドやconfの書き方、仕様を覚えているかが問われるイメージがありますが、LinuC-SAではシステムを設計できるかが問われます。
公式ページによるとLinuC-SAで確認できるスキルレベルは以下だと定義されています。範囲が広いのがよくわかります。
決められた要件に基づいて処理方式から具体的な実装までそれぞれの抽象度で設計ができ、実際に動くシステムを構築できる「プレイイングシステムアーキテクト」としての能力を認定する。
- システムのアーキテクチャ (分散システムの処理構造) について、主要なパターンの特長を理解し使い分けることができる。
- プラットフォーム/ミドルウェア/ネットワーク/ストレージについて、 Linux/OSSによる具体的な構成を決定し、構築・設定できる。クラウド基盤を用いて動的にリソースを確保するシステム構成を含む。
- 非機能要件 (可用性、性能・拡張性、セキュリティ、運用性・保守性) のそれぞれを実現するための要素技術を理解し、 Linux/OSSにより実践できる。また、クラウドネイティブな設計アプローチや開発手法を理解し、システムに採り入れることができる。
- 安定稼働と継続的開発を見据えた運用監視やテスト・デプロイの体制を設計し、また、運用中のトラブル対応を主導できる。
受けようと思った理由
LinuC-SAに認定されるとLinuC レベル1/レベル2の有意性が延長されます!
LinuC-SAはLinuC レベル2の上位レベルの試験扱いとなっているため、LinuC-SAに認定されるとLinuC レベル1/レベル2の有意性が延長されるのです。
Linuc レベル3はLinuc-SAに認定されても有意性は延長されません。
そろそろLinuC レベル2の有意性期限が近付いていたため、更新しないといけないなと思っていたのですが、普段の業務はAzureやWindows Serverを扱うことが多く、LinuC受験は個人的にハードルが高く二の足を踏んでいました。そんな時、LinuC-SAでも有意性が延長できると知り、LinuC-SAなら力試しと更新を同時にできてちょうどいい!と思い、LinuC-SAを受けることにしました。
勉強方法
比較的新しく出た試験であることと、上位向け資格ということで受験者自体が少ないこともあり、調べても全然情報が出てきません。
学習教材として公式からLinuCシステムアーキテクト参考教材が案内はされているのですが、全部読むのは時間的に厳しいだろう、というラインナップ…。「インフラデザインパターン 安定稼動に導く127の設計方式」だけは昔読んだことがありました。
「一般的な学習期間の目安としては、半年~1年程度です。」という学習期間目安を出してくるだけはある…。
さすがにそこまでの時間は取れなかったので、出題範囲(SA01試験 出題範囲、SA02試験 出題範囲)をチェックして、そこに出てくる知らない用語を調べる、ということだけをしました。
例えば、「SA.01.1 アーキテクチャの設計原則と主要パターン」の出題範囲に「分散トランザクションとエラーハンドリングのパターン: TCC、Saga」というのが書いてありますが、TCC、Sagaというのが何を意味しているか知らなかったので、それをネット検索して調べる、というようなことをしました。
あとはこれまでの業務経験を信じて無勉で突っ込むという選択肢を取ることにしました。
結果
まずはSA01を受けました。
結果、620点(合格500点)で合格できました。一安心…。
実際に受けてみての所感です。
- じっくり考えさせられる問題が多いので試験時間ほぼフル使いました。考えこみ始めてしまう問題もあったので時間配分も気にする必要がありました。
- 出題範囲の知らない単語を調べておく作戦がうまくハマりました。単語の意味が分かっていないと何を問われているかわからないが、意味さえ分かっていれば考えれば解ける、という問題に何個か出会いました。
- LinuCの試験なので、LinuxやOSSベースの問題はありますが、OSや製品を問わない問題の方が多かった印象です。
- なぜこの構成を採用するのか、この構成の特長は何で、メリット・デメリットは何か、ということを普段の業務でしっかり考えたり調べたりする習慣がついていれば無勉で挑んでも解ける、という実感を得ました。システムアーキテクト力を測るにはまさにドンピシャな試験です。複数社のアーキテクトたちが議論、検討してLinuC-SAの問題は作られているらしいのですが、実によくできた問題だなと思いました。
SA02は10月以降に受ける予定です。結果が出れば追記したいと思います。
受験のすすめ
ある程度経験を積んで今後システムアーキテクトを目指していく人、すでにシステムアーキテクトとして活躍していてその実力を試してみたい人にはこのLinuC SA試験をおすすめします。IT系の試験はどうしても暗記力が問われるものが多いですが、この試験は実力が問われると感じました。問題も実によくできています。ぜひ力試しにうけてみてください!