cURLを使ったAPIリクエストで表示されるメッセージ
Note: Unnecessary use of -X or --request, POST is already inferred.
これは一体何を意味しているのでしょうか?今回はこの警告の意味と、それに対するベストプラクティスについて解説します。
🔍 1. 警告メッセージの意味とは?
cURLでAPIにPOSTリクエストを送信する際に、次のような書き方をしていませんか?
curl -X POST "https://httpbin.org/post" -H "accept: application/json"
このとき、以下のような警告が表示されることがあります:
Note: Unnecessary use of -X or --request, POST is already inferred.
これはcURLが「POSTメソッドはすでに推論されているよ」と教えてくれているだけで、エラーではありません。つまり、-X POST
を書かなくても cURL は POST リクエストだと自動で判断してくれています。
🧪 2. 実験:実際にリクエストを送ってみる
試しに、次のコマンドを実行してみましょう。
echo '{
"user_id": 123,
"name": "ワロ田",
"age": 14
}' | curl -vs \
-H 'Content-Type: application/json; charset=UTF-8' \
-H 'Accept: application/json' \
-d @- https://httpbin.org/post
このコマンドでは -X POST
を使わず、標準入力からJSONを送信しています。するとcURLは、-d
オプションがあることから自動的にPOSTリクエストだと判断します。
ログの中には次のようなリクエストヘッダが含まれています:
> POST /post HTTP/2
> Host: httpbin.org
> Content-Type: application/json; charset=UTF-8
> Accept: application/json
つまり、わざわざ -X POST
を明示しなくても、cURLが自動で正しく振る舞ってくれるというわけです。
✅ 結論:
-
-d
や--data
を使った時点でPOSTと見なされる -
-X POST
は冗長である
不要なオプションは削除することでコマンドがシンプルに
🔒 3. TLS接続と通信の詳細
cURLで-v
や-vs
を指定すると、通信の詳細が表示されます。例えば、以下のような出力が得られます:
* Trying 3.231.253.142:443...
* Connected to httpbin.org (3.231.253.142) port 443
* ALPN: server accepted h2
* Using HTTP2, server supports multiplexing
* TLSv1.3 (OUT), TLS handshake, Client hello (1):
* TLSv1.3 (IN), TLS handshake, Server hello (2):
...
* SSL connection using TLSv1.3 / TLS_AES_256_GCM_SHA384
* Server certificate:
* subject: CN=httpbin.org
* start date: Mar 27 00:00:00 2024 GMT
* expire date: Jun 25 23:59:59 2024 GMT
この情報から分かること:
-
通信に使われたTLSバージョン(ここではTLS 1.3)
-
接続先のIPアドレスやポート
-
証明書の内容(開始日・終了日・Common Name)
これらの情報を確認することで、通信の安全性やトラブル時の診断に役立ちます。
🧼 4. cURLコマンドのベストプラクティス
✂️ 不要なオプションを省く
以下のような書き方は冗長です:
curl -X POST -d '{"foo":"bar"}' https://example.com
ベストな書き方は次のようになります:
curl -d '{"foo":"bar"}' https://example.com
同様に、PUT
やDELETE
も -d
を使えば推論されるケースがありますが、それらは用途に応じて -X
を残すこともあります(明示的にしたい場合など)。
🎯 APIとのやりとりでのポイント
-
-d
を使えばPOSTになる -
-H
でContent-TypeやAcceptを適切に指定する -
@-
を使えば標準入力からデータを送れる
-vでTLSや接続情報を確認できる
🧾 まとめ:cURLは賢い。だからシンプルに書こう
今回紹介したように、cURLは送信内容からHTTPメソッドを推論できる賢いツールです。特に-d
を使う場合、-X POST
のような明示的指定は不要であり、かえって警告メッセージが出てしまいます。
ベストプラクティスは以下のとおり:
-
-X
の使い過ぎを避ける -
-d
を使えばPOSTになることを理解する -
-v
で通信内容を確認する習慣をつける
冗長な指定を避け、簡潔で読みやすいcURLコマンドを書くことで、日々の開発やAPI連携がよりスムーズになります。ぜひ今日から試してみてください。
☝️ 参考