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はじめに

みなさん、こんにちは。日本でクラウドコスト最適化に関する活動をしてきたエンジニアとしてコレは外せないなと思い、12/13(水)に開催された日本で初めてのFinOps Foundation公式ミートアップに参加してきました。今回はそのときのお話です。

イベントの概要

FinOps Foundation は The Linux Foundation のプロジェクトの一つで、Finance と DevOps を掛け合わせた造語の「FinOps」を実現していくにあたってのベストプラクティスの発信や認定資格などの教育面に主眼において活動をしている非営利団体です。今回のイベントは、その FinOps Foundation が 2019/2 に発足してから日本で開催する最初の公式ミートアップでした。

finops-meetup-agenda.jpg

オープニング / FinOps at Mercari

オーガナイザーのメルカリのYuji KazamaさんからオープニングトークということでFinOps Foundationの概要などについてお話がありました。

その後、最初のセッションということで、メルカリにおけるFinOps活動についてご紹介があり、フェーズ1としてコストの可視化、目標設定、ステークホルダーへの定期的なレポート、コスト意識の啓発といったところからはじまり、フェーズ2ではFinOps専任チームの立ち上げや各プロセスの進化といったことについてお話がありました。

メルカリでFinOpsがうまく推進できた要因のひとつとして、CTOからの強いスポンサーシップがあった点をあげられており、「うんうん、やっぱそこが重要なんですよね、、、」といった共感を持ちました。

メルカリにおけるオートスケーリング最適化の"諦め"と、そこに産まれたリクガメの可能性

次に、メルカリのKensei NakataさんからGKE上で稼働するアプリケーションのオートスケーリングに対するつらみと、それを解消するためにKubernetesのHPA、VPA、Resource requests、Resource limitsをいい感じに調整してくれるメルカリ製のオープンソースツール tortorise のご紹介がありました。

発表内容もテクニカルでとても面白かったのですが、それよりも発表者のNakataさんが入社2年目ということにおじさんエンジニアの私はとても大きな衝撃を受けました^^; もしかすると日本の将来は思ったよりも明るいのかもしれない。

API caching: A lesson learned from an incident of huge increase in network bandwidth

3番目は、メルカリのPrashant MauryaさんとChin-Ming Huangさんのセッションで、ブランドタグ情報を増やしたところアプリケーションのレスポンス性能が大幅にダウンしてしまった事例を挙げ、どのように解決していったのかといったAPIキャッシング方式に関する試行錯誤についてお話がありました。

Big Query Storage & Optimization at Mercari

最後はメルカリのDuke Sextonさんのセッションで、BigQueryのコスト最適化に対する過去の取り組みとして、データ所有者からのヒアリングにはじまり、パーティショニングをした上でデータ作成日時をベースとしたライフサイクルポリシーの設定を徹底させていく、といった活動についてご紹介がありました。

Q&A & ソーシャライジング

軽食と飲み物をいただきつつ、参加者の方に初めましてのご挨拶と普段こんなことやっていますといった会話をさせていただき、楽しい時間を過ごすことができました^^

参加者層としてはFinOps関連のソリューションを持つ企業のエンジニアさんや営業さん、アプリケーション開発を内製化できるつよつよエンジニアを多く抱える企業のエンジニアさんの参加が多く、いわゆる日本のSIerといった企業のエンジニアさんは少なかった印象でした。まだまだ日本国内だとFinOpsは一部のアーリーアダプターに留まっているのかなと思った次第でした。

ちなみに、今回のセッション内容についてはメルカリさんのエンジニアリングブログにも情報が載っているようなのでよかったらこちらもみてね、とのことでした。

終わりに

FinOps 自体は日本ではまだまだこれから、市場自体を作っていくところから、といった印象ですが今後もコミュニティ活動を通じて市場形成に役立てられるといいなと思っている今日この頃です。まだ何もできてませんけど。とにもかくにも、まずはドキュメントなどのローカライズ(日本語化)からって感じでしょうかね。

もし興味を持たれた方がおりましたら、ぜひこの機会にコミュニティ活動への参加を検討してみてはいかがでしょうか。一緒に FinOps 盛り上げていきましょう。ということで、FinOps Foundation の公式ミートアップが日本で初めて開催されたので参加してきました、というお話でした。


  • The Linux Foundationは、The Linux Foundationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
  • その他記載の会社名、製品名などは、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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