はじめに
AWSまったくの未経験者の筆者が、AWSソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA-C02)の試験にわりと余裕を持って合格したので、(合格基準スコア720から+93点)
これはやってよかった、これは失敗だった、など体験談をまとめてみた。
AWS Certified Solutions Architect Associate SAA-C02試験は2022年8月30日より、 新試験であるSAA-C03試験に変更となり、出題サービスが増えてC02試験よりは難化傾向にあるよう。
試験ガイドを確認したが、試験の詳細自体に大きな変更はなく「分野の出題比率」が変わる。
参考:https://www.azusuki.com/saa-c03/
この記事は、
・早く受かりたい というよりも
・確実に受かりたい ニーズ寄りに応えた内容となっている。
・AWS未経験、初心者(実務経験無)の方に参考になるかと思われる。
(筆者がAWSの知識一切ナシからのスタートだったため)
また、2022年8月30日より新試験となるので、「早く受かるための試験テク」みたいなものを参考にするよりも、
新試験に通用する堅実な知識を身につけるマインドの方が試験本番で焦らなくて済む。
目次
結論
筆者のレベル
クラウドプラクティショナーについて
使った教材
別にやらなくてよかった書籍
最も苦労した点
その他参考にした動画
UdemyとkoiwaのWEB問題集、どっちがいいか問題
トータル何時間かかったか
学習後のフィードバックから考案した完全学習ロードマップ
具体的にどのくらい問題演習したのか
おわりに
結論
- 確実にSAAに受かるためには、koiwaの問題集(AWS WEB問題集で学習しよう)に課金する
- 問題集、模擬試験は3周やると安心
- UdemyのこれだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座も買うのがおすすめ、一通りやる
- Udemyのハンズオンは試験対策の観点から全部やる必要はない。EC2,S3,VPCなど主要サービスと、解説文や参考書だとなんかイメージがわかないな、というサービスに絞ってやってみる
- 高難易度の試験じゃない割には、出題範囲がかなり広い試験なので、学習初期のインプットを大事にする
- 試験ガイドに目を通す
- AWS公式の無料模擬試験もやるべき
筆者のレベル
-
AWSの知識完全にゼロからのスタート。EC2?S3? なにそれ?レベル
-
IT知識はJava silver保有しており、基本情報レベルの知識がある程度
-
AWS クラウドプラクティショナー持ってない (ここ重要)
AWSクラウドプラクティショナー(CLF)について
クラウドプラクティショナー、持っておいた方がいい
実際、クラウドプラクティショナー(初級)を受けずに本資格、ソリューションアーキテクトアソシエイト(以下SAA)からAWS資格をスタートする人も多いが、
筆者がクラウドプラクティショナー未取得でSAAの勉強をしていて思ったこと、
知識ゼロでソリューションアーキテクトの問題解くのはきつい。 が実体験した上での感想。
AWSを実務でさわったことがある人の場合はスタートラインが違うので、SAAからでも問題ないかも。
筆者の勉強開始時の状態:EC2?なにそれ?誰? レベルの人は、
クラウドプラクティショナーの試験勉強を通じて、EC2が何者なのか、とかから学ぼう。
結果的に筆者はSAAは余裕を持って受かったけども、クラウドプラクティショナー取ってからSAAに挑戦する方が着実にステップアップして学べた、と後悔している。
*アソシエイト資格の下位に位置付けられる、入門資格のAWS Certified Cloud Practitionerのこと。
--SAA試験にかぎらず全てのAWS試験にいえることですが
試験ガイドは見ましょう。
SAA-C02
https://d1.awsstatic.com/ja_JP/training-and-certification/docs-sa-assoc/AWS-Certified-Solutions-Architect-Associate_Exam-Guide.pdf
SAA-C03
https://d1.awsstatic.com/ja_JP/training-and-certification/docs-sa-assoc/AWS-Certified-Solutions-Architect-Associate_Exam-Guide_C03.pdf
試験ガイドはヒントの宝庫。
孫子の兵法に出てくる有名な一節
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」
これは試験ガイドを見ろ、そういう意味だったんですね。(?)
POINT 資格試験バトルにおいて 敵(試験内容)を知ることが、最初にやるべきこと。
使った教材
①メイン (問題集:アウトプット)
②UdemyのこれだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座
講義形式のインプット、AWSを使ったハンズオン、195問3回分の模擬試験問題が揃っており非常に網羅性が高いです
③AWS公式 無料模擬試験
*AWSの無料模擬試験の受け方はこちらの記事が大変わかりやすいです。↓
④YouTube
Maruchin tech chさんのアソシエイト試験対策動画
こちらの動画、Udemyの動画と比べてメジャーではありませんが、とっっってもわかりやすい。
評価も高く、無料なのに有料級の内容。
これのおかげでバラバラに理解していたサービスや概念の関連性がわかった。
⑤YouTube
くろかわこうへいさんのAWSチャンネル、SAA対策試験動画プレイリスト
1問ごとに1つの動画。約160本の動画を全て観た。
2020年末の動画など、ごく一部情報が古い動画もあるが、
音声で問題のわかりやすい解説が聞けるのが他にはない最大のポイント。ぜひ活用してほしい。
筆者は多い時一日100問とか大量に問題を解いてたので、後半解説読むのが辛くなってしまう、
そんな時にぴったりの学習方法がコレで、動画(自動再生)でクイズを解く感覚でこのyoutubeプレイリストを活用した。
同じく、くろかわこうへいさんのCloud Techも無料版でかなりの問題が解けて(このプレイリストと問題は重複している)、解説が親切だが、
試験対策で解くべきアウトプットの問題数はkoiwaのWEB問題集とUdemyだけで確実に足りる。
この教材はマストではなかった1選
⑥ 一夜漬け 直前対策テキスト
インプットに使える教材がよくわかんなったから学習初期からこの本を使った、が、
この本は良本だけど使い方間違えた。
書籍タイトル「一夜漬け」のとおり、かなり重要なポイントだけに絞られた、いわばダイジェストなので、
試験日近くなってから知識の復習・整理に使うのが正しい使い方。
そのように試験直前に使えば効果的だが、使うシチュエーションが限られてはいるため、マストではない。
筆者はこの本から学習を始めた(誤った学習手順)ので、いきなりブルーグリーンデプロイメントって単語に遭遇して
?ってなった
インプット用にはどっちかというとこの書籍がおすすめ
おすすめといいつつ、筆者はやっていない。
前述のUdemy講座(UdemyのこれだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト)と用途が被っている。
そして筆者は
1.わけわからないながらもアウトプットを優先して試験に出る範囲をおおむね把握する
→
2.その次にインプットをする
のように先アウトプット・後インプット派なので網羅性の高いUdemy動画で十分だった。
したがってこの書籍は、「Udemyの動画が自分に合ってない」「書籍で勉強するのが好き」
に該当する人におすすめ。
別にやらなくてよかった書籍
これは筆者がクラウドプラクティショナー未取得なので、
SAA試験の学習に入る前に、まずはクラウドプラクティショナーの知識に相当する全体像を把握しようと思って3周くらい読んだ。
が、ぶっちゃけクラウドプラクティショナーの書籍読んだり問題解いた方が効率よかった。
この書籍はカラフルでわかりやすいのは好きだし、なんとなくAWSを知りたい人には大変有益だが、資格取得が目的の場合、別にやらなくてよかったと結論づけた。
最も苦労した点
この項目は それ、あなたの感想ですよね?という内容が多く含まれています。
この体験は、日本で当てはまるのは筆者ただ一人説かもしれないが(諸説ある)
前述のUdemy講座の
声が自分に合わなくて、動画を試聴すると眠くなって本当に辛かった。
誤解のないように書いておくと、SAA試験対策でこんなに網羅的な教材は他にない、
内容は素晴らしい。(たくさんの人におすすめされていることが証明している)
いや、内容が素晴らしいからこそ、声が自分に合ってない、という単に相性の問題が辛かった。
なんか、抑揚抑えめの眠くなる声、ってのが自分にとって有る、Udemyはまさにそのドンピシャな睡眠導入ボイスだった。
合う教材、合わない教材、は誰にでもあるので、合格体験記や書籍のレビューを盲信するべきではなく、
合わない教材はすぐにやめて他の教材をやってみる、損切り推奨メソッドはどんな資格勉強においてもけっこう大事。
以上、最も苦労した点にかなり変なことを書いてしまったので
SAA受験する多くの人に当てはまるであろう、二番目に苦労した点を述べる。
自宅受験、操作ラグがエグい
これは結構な方が言及されている。
人によってはイライラすると思うので、はっきり言って、自宅受験でベストパフォーマンスが発揮できるとはいえない。
でも、SAA試験は確実に時間余るから操作ラグがひどくても大丈夫!
ラジオボタン押下して、反映されるのに3秒くらいかかっても大丈夫!
もしもソリューションアーキテクトプロフェッショナル試験だったら泣いてしまうけど
自宅受験の方も心配しないで落ち着いて受けましょう。
その他参考にした動画
この動画と関連動画のSAA取得した話の動画をみて、AWSアソシエイトはやっぱり結構時間を投下しないといけないんだな、と気合が入ったり、
Udemyやればいいんだな、と行動指針が明確になった。
この動画でお話しされている方が
・SIer(非インフラエンジニア)出身
・AWS未経験で学習開始
・学習開始時点で、OracleDBAブロンズ と Java Silverは持っている
と、偶然にも筆者と特徴が一致している部分があったので、励みになった。
AWS資格の学習方法について参考になる動画
同じくクラスメソッド株式会社のYoutube。
AWS12冠(コンプリート)してしまう人ってどんな人なんやろ?って純粋な好奇心がAWS学習者なら誰でもあると思うが(多分)、
人それぞれ学習法は違えど、12冠取った人7人も集めて、共通する学習方法あるいは心がけ方を見つけたら
=12冠ホルダー7人の最大公約数的な意見が判明すれば、効率の良い学習方法がわかるかも、と思って観た。
ただし、言うまでもなく、AWSは手を動かすことが大事なのだが、
アソシエイトの位置付けである『SAA試験だけにフォーカスすると』、Black Beltをしっかり見ることはそこまで重要ではないと感じた。
もちろん細かく知りたいサービスのBlack Beltを見たことはかなり有益だったが、
SAAの試験合格だけに限っていうと、浅く広く身につける = 問題をたくさん解いて試験に問われる概念を知り、一つずつ知らないことをつぶしていく作業が最も効率的だった。
POINT Black Beltでサービスをしっかり知るのは実務を見据えた場合に大事になる。
しかしSAAの合格点を出すだけなら、Black Beltをあまり見ないとか、実務的ではない浅く広い学習でも受かってしまう。
これは観てよかった「基本ネットワーク構成」の話。超重要。 NATゲートウェイの話など。まずはこういうざっくり説明する動画でざっくり理解しておくと、詳しい解説を見たときに腑に落ちやすい。
UdemyとkoiwaのWEB問題集、どっちがいいか問題
結論、どっちもやることをおすすめ。
でもどちらか一つを無理に選べ、と言われたらkoiwaの問題集。
理由はUdemyの模擬試験のほうが重箱の隅をつつくような問題が多い。koiwaの問題の質が良い。
トータル何時間かかったか
約130時間。(AWS知識ゼロから)
内訳
プラクティショナーレベルの基礎理解に25時間
アウトプットに60時間
インプットに45時間くらい
前半迷走しててもうちょっと効率よく勉強できたのと、
途中コロナウイルスに感染して完全に学習が中断したので、
効率的に学習すればゼロから110時間くらいでいけそうな感触があった。(※受かるための学習時間は完全に人によります)
学習後のフィードバックから考案した完全学習ロードマップ
- 1 試験ガイドをみる
- 2 まずは公式の無料模試を解く (そしてなんだこれ3割もわからんわって実感する)
- 3 インプット系の教材をザーーっと見る (Udemy,書籍など 適当にザーッとみる)
- 4 Maruchin tech chさんのアソシエイト試験対策動画を観る(2,3回観ることを推奨)
- 5 くろかわこうへいさんの動画を見てクイズ感覚でAWSを楽しむ
- 6 とはいっても、知識がないうちはクイズ感覚で楽しめないので
わからない単語があったらググる。
または、AWSサービスを簡潔に解説している以下の2つのページを参考にする。
STEP1 例えばDirect Connect?なんじゃそりゃってなったらまずはこのページを見ると↓
たった1行でAWSのサービスが説明してある
※ちょっと古いので情報が正確でない可能性はあるがざっくりテキトーに理解する用途で使える
STEP2 つづいてこれを見る。
DevelopersIOというブログで全サービスがまとめられている記事↓
だいたい3行以上でサービスが説明してある
上記2つのステップを踏めば「知らない」が「ざっくりと概要だけなんとなくわかる」に変わるので、解説を読んだりする学習が加速する。
- 7 Udemyの講座を観る。
1.25倍速以上で見るのがおすすめ。
筆者はほぼ1.75倍速で見ていた。
ハンズオンは、理解を深めたいところはやるべきだが、任意で見たり見なかったりする。
ここは重点的に、ここはざっくりと、みたいに学習の深さに重み付けはするべき。
-
8 早めに試験に申し込む。
さらっと書いたが超重要。
締め切り効果を活用しないと、いつまでもやる気がある時だけに学習して、ダラダラ試験勉強を長期間続けてしまうのが人間の性。
24時間切らなければリスケジュールもできる。 -
9 これまで見た動画を復習したり、インフラ経験がないひとはこの動画を見たりする。
- 10 何がわかっていて、なにがわかっていないのかちょっとずつわかってきたら、
問題を解いたり講義を見るだけでなく、能動的に調べる。
たとえば筆者はBlack Beltを見たり、ハンズオンをやってみたり、IAMの詳細とか、Elastic Beanstalkよくわからんな、って思ったらyoutubeで調べたりした。
大変ありがたいことにAWSはいろいろ動画がある。(余談だがGCPの二次情報が思ったより少なくて面食らった)
- 11 koiwaをひたすら解いて解いて解きまくる。わからないことはググる。繰り返し。
3周が目安。試験で点を上げるコツは単に3周するだけでなく、やり方を変えて3周すること。
1周目 (一番きつい)→
2周目 (基本は間違えた問題 + 解説見ても謎だった問題をやるだけでOK)→
3周目 (間違えている選択肢もなぜそれがダメなのか説明できたらベスト、2周目と取り組む問題は同じ)
POINT 問題を1周目と2周目解くときの、復習間隔は明けない方がいいと個人的には思う。
初めて解いた問題を翌日復習する、くらいがベストだと思った。(一晩寝ただけで意外に忘れる)
2周目と3周目のベストな復習間隔は人それぞれ勉強時間を確保できるリズムがあるのでなんともいえない
参考までに筆者はどのくらい問題演習したのか?
筆者は問題演習の量を圧倒的にこなして覚えるタイプ。
#112~#160 まで
- 正答率 97% (350問中339問正解)
- やりすぎ感ある ちゃんと理解してたら85%ないくらいでOK
Udemy模擬試験
Udemy × koiwaの問題集 × Cloud tech の3つのプラットフォームで相当な問題演習をこなしたが、
やはりやりすぎ感はある。
※試験直前まで初見だと合格ライン72%を割ってしまう模擬試験もありました。
これだけこなしてスコア813しか取れないというのは、理解が浅い
=SAAの試験勉強時は能動的に調べるのをけっこう怠ってしまったな、という反省を得て、次回試験に活かした。
おわりに
長いエントリになりましたが、かなり質の高い参考資料、書籍リンクを添付したため、
これらの方法をうまく活用することでSAAはほぼほぼ受かります。
AWS啓発のために書籍、やってみたブログ、問題集や講義作成、情報発信をしてくださっている全ての皆様に感謝を申し上げます。
そんで、AWSの勉強は単純にめっちゃ楽しいです。
AWS SAAを取得した2022年7月5日、その9日後にSysOps(SOA-C02)を取得した話
へつづく…