Google Antigravity Ver 1.21.6 設定ファイル完全ガイド(AGENTS.md / GEMINI.md)
Google Antigravity Ver 1.21.6のリリースノートにて、AGENTS.md および GEMINI.md への対応が正式に明記されました。本記事では、これら設定ファイルの役割の違い、ディレクトリ階層による優先順位、および Claude Code(CLAUDE.md)との比較について解説します。
1. 設定ファイルの役割と使い分け
Antigravityでは、AIに対する指示を「モデルへの指示」と「エージェントの行動指針」の2層に分けて管理します。
| ファイル名 | 役割 | 主な内容 |
|---|---|---|
GEMINI.md |
モデルの知能・人格 | 出力トーン(口調)、命名規則、使用ライブラリ、数式表記(LaTeX等)の指定。 |
AGENTS.md |
エージェントの行動規範 | ターミナル操作の権限、ファイル変更時の確認頻度、自律的な判断基準、セキュリティ制限。 |
Claude Code (CLAUDE.md) との違い
Claude Codeは CLAUDE.md 1ファイルに全情報を集約しますが、Antigravityは「何を書くか(知能)」と「どう動くか(権限)」を分離しています。これにより、特定のモデルに依存しない共通の「運用ルール」を AGENTS.md で管理できるようになっています。
2. ディレクトリ構成と優先順位(階層構造)
Antigravityは、作業ディレクトリから上位階層へ向かって設定ファイルを探索する**階層構造(Hierarchy)**を採用しています。
探索順序と優先度
- **作業ディレクトリ(カレント)**の
.agents/または.mdファイル(最優先) - 親ディレクトリ(ルートに到達するまで再帰的に探索)
- プロジェクトルートの設定ファイル
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ホームディレクトリ (
~/.gemini/または~/.agents/) のグローバル設定
同じ項目が定義されている場合、より作業場所に近いファイルの内容が優先(上書き)されます。
3. .agents ディレクトリによる高度なカスタマイズ
プロジェクトルート(または各階層)に .agents ディレクトリを配置することで、エージェントの機能を拡張できます。
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rules/: 常に意識させる「鉄の掟」。トピックごとに細分化可能(例:security.md,ui-policy.md)。 -
workflows/: スラッシュコマンド(例:/debug)で呼び出す定型手順。 -
skills/: エージェントが自律的に使用する「道具箱」。フォルダ内にskill.mdを置くことで、エージェントが必要に応じて勝手に判断して使用します。
3-1. rules/(常に意識させる「鉄の掟」)
rules/ ディレクトリ内には、エージェントが作業中に常に遵守すべき制約事項を定義します。トピックごとにMarkdownファイルを分けることで、管理が容易になります。
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活用例:
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coding-style.md: 「変数はキャメルケース、定数はスネークケースの大文字で統一すること」といった命名規則。 -
security.md: 「APIキーやパスワードをコード内にハードコードせず、必ず環境変数(.env)を参照すること」といった安全策。 -
arch-boundary.md: 「UIコンポーネントから直接データベースを操作せず、必ずAPIレイヤーを経由すること」といった設計の制約。
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メリット:
エージェントがコードを生成・修正する際、これらのルールが常に背景で適用されるため、レビューの手間を大幅に削減できます。
3-2. workflows/(スラッシュコマンドで呼び出す定型手順)
workflows/ は、特定の複雑な手順を「マクロ」のようにパッケージ化して管理する場所です。これらはスラッシュコマンド(例: / を入力)から手動で呼び出します。
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活用例:
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debug-loop.md: 「ビルド実行 → エラーログ解析 → 修正案提示 → 再テスト」という一連のデバッグサイクルを/debugで実行。 -
feature-init.md: 「ブランチ作成 → フォルダ構造生成 → 雛形ファイルの作成」という新機能開発の準備を/init-featureで開始。 -
release-prep.md: 「前回のタグからの変更点抽出 → CHANGELOGの更新 → バージョンアップのコミット」を/prepare-releaseで一括処理。
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メリット:
複雑で間違いやすい定型作業をエージェントに任せることができ、開発スピードの向上に直結します。
3-3. skills/(エージェントが自律的に使う「得意技」)
skills/ は、エージェントが「道具箱」として認識するディレクトリです。各スキルは専用のフォルダに格納され、中に skill.md という「そのスキルの説明書」を置く必要があります。
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フォルダ構成例:
.agents/skills/ └── ui-auditor/ ├── skill.md # スキルの用途と使い方を記述 └── audit-script.py # 実際の検証スクリプト -
活用例:
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database-inspector: 複雑なSQL実行計画を分析し、インデックスの最適化案を出すスキル。 -
accessibility-checker: ブラウザを操作して、Webアクセシビリティ(WCAG 2.1等)への準拠をチェックするスキル。
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自律的な使い分け:
エージェントは会話の流れから「今のタスクにはこのスキルが必要だ」と判断すると、ユーザーに許可を求めた上で(または設定に基づき自律的に)そのスキルを呼び出して実行します。 -
メリット:
エージェントに「新しい能力」を後付けで追加できるため、プロジェクト固有の高度な自動化が可能になります。
4. 自動読み込みと実行のタイミング
設定ファイルの種類によって、読み込まれるタイミングが異なります。
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自動ロード(静的ルール):
GEMINI.mdやAGENTS.mdは、セッション開始時にシステムプロンプトとして自動的にロードされます。 -
手動実行(動的アクション):
on_startup.mdなどのワークフローは、意図しないリソース消費を防ぐため、通常はユーザーが/on_startupと入力して明示的に実行する必要があります。
まとめ:効率的な運用のコツ
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グローバル (
~/.gemini/): ユーザー自身の共通人格(呼び方、口調など)を定義。 -
プロジェクトルート (
GEMINI.md,AGENTS.md): プロジェクト全体の規約とエージェントの権限を定義。 -
サブディレクトリ (
.agents/rules/): 特定のモジュール固有の厳格なルール(このフォルダだけは特定ライブラリを禁止する等)を定義。
Antigravityの設定ファイルを整理することは、プロンプトの調整を超えた「AIエージェントのマネジメントシステム」の構築です。まずはルートディレクトリへの配置から始め、必要に応じて階層化を進めるのがスムーズです。
と、ここまでの内容はAntigravityでいくつかのアプリをバイブコーディングで作成しながらAntigravityが設定してくれたものについてGeminiに聞いていたところ、「他にもいろいろある」と言って教えてくれたので「じゃあ、それをまとめて。Qiitaに載せるから」と指示して作ってもらったものです。便利だけど、難しいなあw