はじめに
2026年7月末、「Intune の同期が速くなった」という話題がコミュニティを駆け巡っています。
関連する公開情報を確認してみると、今回のオンデマンド同期の強化に加えて、 変更を契機とした同期の仕組みや、ターゲティング設計に関する ガイダンスも整理されていることが分かりました。
これらを組み合わせて見ると、Intune はポリシーやアプリをより迅速かつ予測可能に届ける方向へ進化しているように見えます。
本記事では、これらに関連する公開情報を3つの観点から整理してみました。
参考:旧記事について
以前に、以下の記事を投稿していました。
Intune の 同期 タイミングについて 深堀してみた
https://qiita.com/carol0226/items/f731780dd3e9fd154ee9
今回の機能強化
サービスリリース 2607 で何が変わったのか?
Microsoft Intune では、Windows デバイスのより 包括的なオンデマンド同期がサポート されるようになりました。
Microsoft Intune 管理センターで デバイスの同期 アクションを選択すると、Intune は構成ポリシー、アプリ、スクリプトなど、複数の主要なワークロードを対象とした 包括的なオンデマンド同期 を開始します。
これにより、デバイスへ最新の変更をより迅速に反映できるようになります。
この機能は、トラブルシューティング、インシデント対応、優先度の高いロールアウト時に特に役立ちます。
公開情報:Windows デバイスのオンデマンド デバイス同期の強化
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/whats-new/?wt.mc_id=MVP_407731#improved-on-demand-device-sync-for-windows-devices
Microsoft Intune Blog (2026/7/28)
Microsoft Intune Blog : What’s new in Microsoft Intune – July
https://techcommunity.microsoft.com/blog/microsoftintuneblog/what’s-new-in-microsoft-intune-–-july/4537392
更新された同期アクションは、モバイルデバイス管理の チェックイン と Intune 管理拡張機能 (Windows 専用) のチェックインの 両方 をトリガーします。
1 回の同期で、ポリシー、アプリ、スクリプトの変更をまとめて取得 できます。管理者は同期の進行状況を確認しながら、単一デバイスの問題をより包括的に切り分けられるようになります。
より迅速な反映を支える3つの観点
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1.オンデマンド同期の強化
- 既存の Device Action: Sync を強化
- Improved on-demand device sync として提供
- MDM と IME のチェックインを同時にトリガー
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2.変更を契機とした同期
- Change-based Sync
- Change-based Sync
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3.ターゲティング設計の最適化
- ユーザー グループ
- 割り当てフィルター
- 登録時間のグループ化
1. オンデマンド同期の強化
Intune には以前から、管理者がデバイス単位で同期を要求する「Device Action: Sync」が用意されていました。
サービスリリース 2607 では、この同期アクションが強化され、MDM チェックインだけでなく、Intune Management Extension(IME)のチェックインも同時にトリガーされるようになりました。
これにより、構成ポリシーだけでなく、アプリ、スクリプト、修復 (Remediations) などを含む、より包括的なオンデマンド同期が可能になりました。
Device Action: Sync
デバイスの同期アクションを実行すると、対象デバイスに Intune へのチェックインが要求されます。
デバイスがチェックインすると、割り当て済みで保留中のアクションやポリシーを受け取ります。
このアクションは、次回のスケジュールされたチェックインを待たずに、ポリシーの展開を検証したり、問題を切り分けたりする場合に役立ちます。
公開情報:デバイス アクション: 同期
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/device-management/actions/sync?wt.mc_id=MVP_407731
Improved On-demand device sync による強化点
同期 を選択した後、Intune は複数のワークロードを対象としたオンデマンド同期を開始し、デバイスができるだけ 迅速に最新の管理者の意図を反映 できるようにします。 このプロセスには以下が含まれますが、これらに限定されません。
- コンプライアンス ポリシーの評価
- 構成ポリシーの処理
- アプリの検出と展開の状態の更新
- スクリプトと修復の処理
- デバイスの状態を現在の割り当てに合わせるために必要なその他のデバイス管理信号
Intune Management Extension (IME) との連携強化
従来の Device Action Sync は MDM ベースの同期が中心でした。
現在は Intune Management Extension (IME) のチェックインも同期アクションの対象となっており、Win32 アプリやスクリプト、修復 (Remediations) などのワークロードも同一の同期アクションで対象に含まれるようになっています。
この変更により、管理者視点ではより包括的な同期が実現されたと言えます。
Microsoft Intune Blog : What’s new in Microsoft Intune – July(再掲)
https://techcommunity.microsoft.com/blog/microsoftintuneblog/what’s-new-in-microsoft-intune-–-july/4537392
(上記より抜粋)
更新された同期アクションは、モバイルデバイス管理のチェックインと Intune 管理拡張機能 (Windows 専用) のチェックインの 両方 をトリガーします。
2. 変更を契機とした同期
Change-based Sync は、今回のサービスリリース 2607 で新たに導入された機能ではありません。
Intune のデバイス同期は、約 8 時間ごとの定期的なメンテナンス同期だけではなく、変更を契機として行われる場合があります。
ポリシー、プロファイル、アプリの割り当て、割り当て解除、更新、削除や、Microsoft Entra グループのメンバーシップ更新などが発生すると、Intune はオンライン状態のデバイスへ同期を促す通知を送ります。
ただし、通知から同期までの時間は、即時から数時間まで変動する可能性があります。
また、オフラインのデバイスや必要な通知先へ接続できないデバイスは、次回の同期時にポリシーやプロファイルを受け取ります。
この仕組みにより、条件が整っていれば、約 8 時間ごとの定期同期を待たずに変更が反映されます。
3. ターゲティング設計の最適化
Intune のポリシーやアプリを割り当てる対象を ターゲット と呼びます。
デバイスとユーザーの組み合わせによって、適切なターゲットを構成できるようなガイダンスが提供されています。
Microsoft Intune では、ポリシーやアプリを使用してデバイスとユーザーをターゲットにするためのいくつかの方法がサポートされています。 各方法には、異なる強度、評価特性、およびユース ケースがあります。 適切な方法 (またはメソッドの組み合わせ) を選択すると、ポリシーとアプリが適切なタイミングで適切なデバイスに確実に到達できるようになります。
公開情報:Microsoft Intuneで適切なターゲット設定方法を選択する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/fundamentals/choose-targeting-method?wt.mc_id=MVP_407731
特に以下の公開情報では、動的デバイス グループを使用した場合に発生し得る遅延が説明され、迅速な配信が必要なシナリオにおける代替手段が示されています。
これらの公開情報からは、動的デバイス グループだけに依存せず、求められる配信速度や用途に応じてターゲティング方法を使い分けるという、設計ガイダンスの変化を読み取れます。
公開情報:デバイスを登録すると、動的デバイス グループに割り当てられたアプリとポリシーの適用に遅延が発生します
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/device-configuration/troubleshoot-device-profiles?wt.mc_id=MVP_407731#when-devices-enroll-theres-a-delay-in-applying-apps-and-policies-assigned-to-dynamic-device-groups
動的グループ メンバーシップでは、デバイスの登録後にグループ メンバーシップを評価するための追加処理が必要です。
デバイスがグループに追加されるまで、そのグループに割り当てられたアプリやポリシーは配信されません。
また、グループへの追加後も、次回のチェックインまでポリシーが適用されない可能性があります。
登録シナリオでアプリとポリシーの迅速な配信が重要な場合は、次の代替手段を検討してください。
動的デバイス グループが不要になったわけではありません。
ただし、登録直後の迅速なポリシー配信が求められるシナリオでは、ユーザー グループ、割り当てフィルター、登録時間のグループ化などの利用が推奨されています。
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ユーザー グループ
ユーザー グループは、デバイスのセットアップ前からユーザーのメンバーシップが確定しているため、デバイス登録後に動的デバイス グループのメンバーシップ処理が完了するのを待つ必要がありません。
登録直後の迅速な配信が重要で、設定やアプリをユーザー単位で割り当てることが適切な場合には、ユーザー グループの活用が有効です。
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割り当てフィルター
デバイスのプロパティに基づいて対象を絞り込む場合は、動的デバイス グループの代わりに割り当てフィルターを利用できる場合があります。
割り当てフィルターは、動的グループのメンバーシップ処理に依存せず、デバイスのチェックイン時にプロパティを評価します。
このため、動的グループの計算完了を待たずに、ポリシーやアプリの対象デバイスを判定できます。
公開情報:大規模なMicrosoft Intune環境でのグループ化、ターゲット設定、フィルター処理のパフォーマンスに関する推奨事項
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/fundamentals/filters/performance-recommendations?wt.mc_id=MVP_407731
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登録時間のグループ化
グループベースの割り当てを登録時から利用したい場合は、登録時間のグループ化を検討します。登録時間のグループ化では、登録ポリシーにMicrosoft Entra セキュリティグループを指定し、デバイスを登録中にそのグループへ追加します。
必要なアプリやポリシーをあらかじめグループへ割り当てておくことで、登録後のグループ処理を待たずに、登録中から構成をデバイスへ配信できます。なお、利用できる登録方式やプラットフォームには要件があるため、導入時には公開情報を確認してください。
公開情報:Microsoft Intuneでの登録時間のグループ化
https://learn.microsoft.com/ja-jp/intune/device-enrollment/setup-time-grouping?wt.mc_id=MVP_407731
まとめ
最近、「Intune の同期が速くなった」と言われることがあります。
公開情報を整理すると、今回の変化は次の3つの観点から捉えられます。
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オンデマンド同期の強化
- 既存の Device Action: Sync が強化された
- MDM と IME のチェックインを同時にトリガーする
- ポリシー、アプリ、スクリプトなどを 1 回の同期で処理する
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変更を契機とした同期
- ポリシーやアプリの変更などを契機にデバイスへ通知する
- 条件が整っていれば、定期同期を待たずに反映できる
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ターゲティング設計の最適化
- 動的デバイス グループの処理待ちを考慮する
- 必要に応じてユーザーグループ、割り当てフィルター、
登録時間のグループ化を利用する
このように、同期アクション自体の強化だけでなく、変更を契機として同期を促す仕組みや、ポリシーの配信対象を決定するターゲティング設計まで含めて、より迅速で予測可能な配信を実現するための整備が進んでいます。
Microsoft は Intune を、「定期同期を待つ管理」から「変更を契機として、必要な対象へ迅速に届ける管理」へ進化させようとしているように見えます。
